高校は再びリモート授業に戻ることになり、また公衆衛生庁は必要とあればすぐに高齢者向け特別住宅での面会禁止を決定することができる法枠組みが整うなど、新型コロナウイルスの感染拡大を少しでも抑制するために様々なことが決まった昨日の木曜日。
再び高水準で推移するスウェーデンでの死者数を隣国のフィンランドやノルウェーと比較した説明スクリーンを前に「この状況での公衆衛生庁の責任は?」と夜のニュースで質問されたアンデシュ・テグネルは「すべての責任は私達(公衆衛生庁)にある」と答えた。しかし同時に、ヨーロッパ各国の中でノルウェーやフィンランドが特別違っているのであり、はっきりした理由はわからないが、その背後にはまばらな人口分布構成などがあるのかもしれないと話していた。
そんなニュースたちの中で驚いたのが「職場で働くよう圧力をかけられる従業員」という見出しだ。ストックホルムでは春先にも、そして現在はおそらくスウェーデンのほとんどの場所で、可能な人は通勤しないで家からのリモートワークをするよう要請されている。
しかしSVTが各労働組合に聞き取り調査を行ったところ、いくつもの組合で「オフィスで働くよう雇用主から圧力 を掛けられている」と組合員から相談が持ちかけられていることがわかった。
雇用主側の理由としては、リモートワークのための技術的な体制が整っていないというものや、出勤しないといけない他の社員がいる中で可能な人だけリモートワークをするのはよくないとちょっと日本的なものまで。後者は「公平圧力」とでも呼べばいいのか?
現在の法枠組みでは要請に従わなかった雇用主を罰することはできないが、労働組合は労働環境庁に連絡を取り、状況改善ための施策を検討するよう依頼を出した。
私の周りではこんな話は聞いていなかったので、スウェーデン中できる人は全員リモートワークしているものだと勘違いしていたが、それがすべての人に当たり前の状況でないことを肝に命じておくことにします。
昨日はまた、スウェーデンのコロナ対策に関してよくまとまった記事も読んだので参考までそちらへのリンクも貼っておきます。ヨーテボリ大学の政治学の教授に日経ビジネスがインタビューした記事です。登録すれば有料会員でなくても読むことができます。インタビューはおそらく少し前に行われたもので、一番最後が直近の状況とは異なっていますが、それ以外は私の理解やとらえ方とほぼ同じでした。。
第2波(8)スウェーデン学者が警告「厳しい規制が次の感染爆発を起こす」:日経ビジネス電子版
テグネル「ヨーロッパ全体でみればノルウェーとフィンランドが特別な異なっている」
【追記2020年12月5日】
コロナ禍と雇用に関して、今日こんなつらい記事を読みました。調査の内容は本日NHKでも放送されるようです。