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クロルピリホス、クロルピリホス

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「クロルピリホス」は、シロアリ駆除や農業で害虫駆除剤として使用される毒性の強い有機リン系化合物だ。

人間の脳や神経系器官にもダメージを与え、特に胎児や小さな子どもには致命的な影響を及ぼすこともある。スウェーデンほか北欧諸国では農業向け殺虫剤として使用することは禁止されている。

しかしこの殺虫剤の使用が認可されている国も多く、特に柑橘系の果物に残留することが確認されている。スウェーデンのスーパーでよくみかけるモロッコ産のみかんや、ブラジル産のライム、スペイン産オレンジなどで残留が確認されており、スウェーデン食品管理庁の抜き打ち検査では、スーパーの店頭で販売されている柑橘系果物の約5分の1で検出された。

EUでもこの事態を重くみて、クロルピリホスの禁止が目下議論されておりこの金曜日にこの議題に関した採決が実施される予定だ。

EUの法令が適応されるまで待てないという人はKravなどのエコな栽培方式で作られたものを選べばいいそうだが、エコな柑橘系はやはりとても価格も高い。ここは少しでも早く、このクロルピリホス殺虫剤の使用をEU内のみならず世界中で禁止してほしい。日本でも殺虫剤としてよく使われており、また日本へ輸入されている中国産野菜でも残留が問題になっているそうなので、日本の方もご留意を。Avaaz - クロルピリホスを禁止に!

スウェーデンでも、クリスマスや年末年始の集いにはみかんなどの柑橘系フルーツはかかせない。「クロルピリホス」とは覚えにくい名前だけど、おまじないのように唱えて名前を覚えて、柑橘系への毒物残留を気にとめておこう。

害のある殺虫剤が柑橘系フルーツの5つに1つから検出される

© Hiromi Blomberg 2023