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スポーツ休暇始まりの物語

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今日は、人生の危機には役にたちそうにないトリビアな知識をどうぞ。

今週から始まったスウェーデンのスポーツ休暇。スコーネでは来週、その次の週はストックホルムあたりと、スウェーデンを1週間ずつ横断しながら子どもたちが冬のスポーツを楽しむためという名目で学校は休みになる。

スポーツ休暇の起源は80年前にさかのぼる。参戦はしていなかったものの第二次世界大戦当時のスウェーデンでも財政は緊縮し、暖房費が一番かさむこの時期に学校を休みをすることで費用を節約しようとしたのがこの休暇の始まり。

当時はコークスと呼ばれる石炭を加工した燃料が暖房に使われていたので、休暇はコークス休暇(スウェーデン語でKokslov)と呼ばれた。

その後、戦争の終結とともに国の財政も正常化し休暇を強いる必要もなくなったが、子どもたちの活動量が下がるこの時期にウィンタースポーツなどで体を動かす機会は理にかなっているということで、休みはスポーツ休暇と名を変えて残ることになった。

風邪やインフルエンザなどが流行りやすい時期だということも、スポーツ休暇確立に一役買っている。

このあいだの土曜日の午後マルメの駅を通過したら、おそらくスウェーデンのスキーリゾート地へむかうデンマーク人の子供連れ家族でいっぱいだった。きっと今週はデンマークもスポーツ休暇なのだろう。暖冬すぎる今年だが、雪が足りてるかな?

コークス休暇からスポーツ休暇へ。80年周年を祝う「お休み」

© Hiromi Blomberg 2023