22名もの大学教授や医師が名を連ねて「無能な公衆衛生庁に耳をかたむけることはやめて、一刻もはやく政治家は感染拡大阻止のため思い切った措置をとるべき」との署名投稿がスウェーデンを代表する新聞ダーゲンス・ニュヘテルに昨日掲載されたと聞けば、心配になりまたちょっと心がざわついた。私たちは間違ってる?
夕方に仕事を切り上げた後、区切りをつけるためにぎょうざを黙々と作りつづけ、夕食の後いつものように義理の母とFacetimeで話した後、ようやくこの署名入り投稿記事を読みだした。
記事の内容に煽られて心配する気持ちが高まってしまったらどうしようと思ったが、読み終わったら、なんだ、この人たちがいってるのはこのポイントのことか、となんだか逆にほっとした。ちょうど同じ頃、テレビのニュース番組でその署名投稿記事を書いた学者のうちの一人と公衆衛生庁のアンデシュ・テグネルの両者へのインタビューが始まった。
ウイルス学者レナ・エインホーンは「無症状の人から感染するリスクを公衆衛生庁は甘く見すぎている。近隣諸国と比べて死者数が極めて高く、その増加程度がイタリアに近いし、スウェーデンの公衆衛生庁だけWHOやアメリカやEUの公衆衛生管轄機関ともまったく異なる見解で無策を続けている」と激しく批判する(テレビで人がここまで怒って話している姿を見ることはめったにない)。
一方アンデシュ・テグネルは「我々は感染拡大をすべて押さえつけるための(社会隔離といった)方法をとっていない。感染爆発をしないために感染を低く抑えようとしている」と、これまでも何度も説明してきたことを話して、両者へのインタビューは終わった。
社会隔離をすればエインホーンが言うように現時点の感染率や死亡者数は低く低く抑えられるのだろうが、公衆衛生庁はもっと少し大きな社会的影響を長期的な視点で考えながら、なんとかうまくバランスをとって舵取りをしようとしている。
この舵取りがうまくいくのか、またなにを持ってうまく舵取りができたというのかは現時点ではだれもわからないが、私はこの怒り狂うエインホーンをみてかえって心が落ち着いた。
ふと、そういえばダーゲンス・ニュヘテルにはコメント機能があったはず、他の人はどう思っているのだろうと思ってくだんの署名記事をみなおしてみたら900近いコメントが付いていた(現時点では1200ほど)。
うまく機能しているかどうかは知らないが、このコメント欄は一応パーソナルナンバーで個人認証してからしか書き込みはできないことになっているので、いつもみんなそれなりに考えてコメントしていると私は思っている。
これだけコメントがあると、さすがにすべては読めないが一つ目についたコメントがあった。
「現時点のコロナでの最大のスキャンダルは、高齢者施設の運営と移民グループの断絶の問題がはっきり明らかになった点だろう」。そうだ、昨日、公衆衛生庁はコロナ患者と移民の出身地別の感染状況も発表していたっけ。
この問題に関してももう少し読んで書いてみたいけど、今日はもうこんな時間(7時前です!)になってしまったのでまた明日以降にします。 Have a nice day!
ダーゲンス・ニュヘテル投稿記事の激しい批判にテグネルは「引用が間違っている」とコメント