12月10日、スウェーデンではノーベル賞の授賞式とその後の晩餐会をすべて生中継していることを去年もブログに書いた。
昨日、私は夕食の準備をしながら授賞式を観て、食事が終わってから晩餐会をみはじめたが、今年はすぐに番組を切り替えてしまった。お昼に知ったロクセットのマリー・フレデリクソンが61歳で他界したというニュースが気になっていたからだ。
スウェーデンの公共放送SVTのストリーミングサービスであるSVT Playもすばやい対応で、マリー・フレデリクソンが特集された番組をいくつかフィーチャーしていたので、晩餐会を観るのはやめて、2013年に彼女が出演した番組をみた。
その頃も既に体を動かすのも大変そうなのに、堂々と立ち、素晴らしい声で唄うフレデリクソンが出演している音楽インタビュー番組『音楽にありがとう(Tack för musiken)』だ(公開期間終了してました。2020年12月11日確認)。
ロクセットが全世界を魅了していたころ、私はまったく興味がなくて(おそらく同じ頃はシャーデーに夢中になっていたはず)、マリー・フレデリクソンの曲を聞くようになったのも、スウェーデンに引っ越してきた後で、彼女が病気になってから作ったアルバムをプレゼントにもらったことがきっかけだ。
多くの人にとって彼女は80年代の偉大なロックスターかもしれないが、私にとっては彼女は病と正面から向き合い、その限られた環境の中で最善のものを作り上げようとする孤高のアーティストだった。
SVTは今年『スウェーデンの驚異のポップ・ミュージック(Det svenska popundret)』というスウェーデンポップが世界中で成功した歴史を6つのエピソードでたどるすばらしい番組を制作している。この第一話はABBAが中心で、第二話はロクセットの成功が番組のメインに据えられている。続けてこの第二話も見てしまった。(公開期間終了してました。2020年12月11日確認)
ここでは多くの昔のビデオクリップを観ることができ、マリー・フレデリクソンとペール・イスレはまだスウェーデンでもそれほど人気のでていなかった時に、既に「Today Sweden, Tomorrow The World」と書かれたシャツを着て音楽を作っていた。
マリーはありあまる才能があった人だけに、2002年に病気にみまわれた時に感じたであろう辛さは私たちには到底わからない。でも、その中でもできるだけのことをやろうとの強い意思と姿勢は痛いくらいに胸をうった。
マリー、ありがとう。今日はあなたの唄を聴いて過ごそうと思います。
Time goes by so quickly. It’s not that long ago we spent days+nights in my tiny apartment sharing impossible dreams. And what a dream we eventually got to share! I’m honoured to have met your talent+generosity. All my love goes to you+your family. Things will never be the same. pic.twitter.com/CTegAUGrXG
— Per Gessle (@PartyPleaser) December 10, 2019