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スウェーデンの完全無欠弁当

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スウェーデンに引っ越してきてよかったと思うことはいくつかあるが(私は背が高いので服や靴のサイズが合うというのもそのひとつ)、一番気に入っているのはおおらかさというか、その大雑把さだ。

これはもちろん私自身が大雑把だからだが(だから細かいところが気になる人はかなり住みにくいと思う)、そんな私も、大雑把さの勝負で、いつも負けた!と思うのはスウェーデン人のお弁当である。

ランチのお弁当、とはいっても、基本的に昨日の残り物が無造作にタッパーに押し込まれていることが多い。タッパーだったらまだいいほうで、食べてしまった後のアイスクリームのプラスティック容器再利用(1リットルサイズ)というもの昔はよくみかけた。最近は、プラスティックと電子レンジの関係に敏感な人も増えたので、ガラス容器のお弁当箱も増えた(でも、通勤に持っていくにはとっても重い)。

前置きが長くなったが、新聞で「素晴らしい弁当対決」みたいな記事があったので読んでみたところ、対決参加者の片方のエントリーはこんなすごい「弁当」だったので紹介します。

Dagens Nyheter /Foto: Fredrik Funch Så gör du den perfekta matlådan - DN.SE

これは新聞社で働くオーガスティンさんのお弁当箱。

右側は朝食用でシリアルとナッツとシード類。会社の共同で使う冷蔵庫にもヨーグルトは装備されているそうだが、彼は面倒なので水で混ぜて食べるそうだ(おぃ!)

左側はランチ用のパン2切れ。

お昼の時間になったら、このパンと一緒に食べる「具」を求めて会社の近くのスーパーまで散歩を兼ねて買い物に。この時間になると売れ残ったものが値引きされていることも多いそうだ(このあたり、夜になると安くなる日本とは違う)。

この日のランチ用に買ったのはトマト、スモークサーモンと缶詰になっているグリーンピース。今週はアボカドが安いので毎日2つずつ食べているとのこと。

買い物にかかるのは毎日大体1食30〜40クローナ(約350円〜480円)程度で、今、ストックホルムでは100クローナ(約1200円)以下のランチ定食はあまりないだろうから、かなりの節約である。

オーガスティンさんが心がけているのは「毎日同じものを食べても恥じゃない」というもので、これは、毎日同じ具材のサンドイッチ三切れとニンジン1本とチョコレート2かけをお昼に食べ続けている友人からインスピレーションを受けたそうだ。たしかに、私も毎日お昼に同じシリアルを食べ続けている人とか、いつもゆで卵とシル(ニシンの酢漬け)を食べている人を知っている。

オーガスティンさんのランチは味気ないように見えるかもしれないけど、実は、見かけも味もOKだけどなにが入っているかよくわからない日本の安いコンビニ弁当より、栄養的にも食の安心的にもよいチョイスだと思う(自分が食べたいかは別として)。

もう一人のエリンさんは私と同じ「昨日の残りものをそのまま詰めるか冷凍しておく」派だった。弁当には計画性が必要と強調していたが、いちど彼女に、日本のお母さんたちがつくるすごいお弁当を見せてあげたいものだ。

このように、ここではこんな飾り気のないお弁当ばかりなので、私が、普通の日本人ならみんなするように、カラフルなナプキンでお弁当箱をくるんでオフィスの共用冷蔵庫に入れておくと、称賛の声が上がったりする。

自分は変わってないのに国が変わっただけで、大したことではないのにほめられたりして、ちょっと恥ずかしいです😅

対決!完璧なお弁当を目指して

© Hiromi Blomberg 2023