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国家主席疫学官と誰を信頼するか問題

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ここ数日、国家主席疫学官(Statsepidemiolog)という肩書をもつアンデシュ・テグネルの顔ばかりみて過ごしている。

普段からそうなのか今の緊急時だからそうなのかは知らないが、国家の危機に際した記者会見に、ポロシャツとくたびれたセーターに色パンといったリラックスした格好とボサボサ頭で登場し、公衆衛生庁の責任者の立場から新型コロナウイルスの最新状況と私達が取るべき行動を説明してくれる。

今では彼に「ミスター・コロナ」というアダ名もついた。

先週の早い段階でロベーン首相が「スウェーデン政府は専門家の判断を最重要視する」との方針を打ち出してからは、このミスター・コロナの打ち出す勧告や要請が私達の行動を決めていくことになった。

感染の広がりを抑えるためにスウェーデンの取るやり方は、近隣北欧諸国の政治家が取る思い切った力強いメッセージ性をもった政治的判断とは異なり、個々人が責任を自覚して行動することを促す、ちょっと大人な要求だ。

EUの決定でスウェーデンもようやく明日から入国を禁じるようだが、それまではいくら隣国デンマークが学校を閉鎖したり、鎖国状態にはいったりしても、ミスター・コロナは「そのような政治決定に、スウェーデンでの感染の広がりのコントロールという点からは、現時点では意味はない」と繰り返し説明する。

さらには「感染コントロールの方法としては近隣諸国の専門家も私と同じ見方だが、各国で状況は異なるし、また政治的な判断が重要視されているのだろう」と教えてくれる。

私たちはこんな専門的な領域で正しい判断をする力はない。だから誰かその力をもつ人の判断を信じるか信じないかの判断を行うことしかできないわけだが、私はどこかでアンデシュ・テグネルのいうことは信じるに値すると判断したようだ。

昨日、幸いにも少し時間ができたのか散髪してちょっとさっぱりしたテグネルの顔をみながら、これは結局は彼を信じるか信じないかの話ではなくて、彼を信じるか信じないかの判断を行う自分を信じるか信じないかの話だな、と感じた。危機的な状況に国家が試されているように、私も試されている。今日も自分の判断を信頼して過ごすことにしよう。

テグネル談「私たち(専門家)のものの見方は同じだ」