「スウェーデンの東北」と私が勝手に呼んでいる北部ダーラナ地方の町、Malung-Sälenコミューンで昨日行われたのは、コミューンの持つ土地に計画されていた大規模な風力発電パークの賛否を問う住民投票。
250メートルの高さの風力発電機を40基建設する当初の計画はコミューン内のほとんどの政党から賛成を得ていたにも関わらず、住民側から強い反対の声が上がり、そこから反対の声を集める署名運動へとつながる。当初の40基の計画が30基までに縮小されたところで、住民投票を行うことが決定され、昨日実施された投票では投票者の52%がコミューン側にNOを突きつける結果となった(投票率は58.7 %だった)。
財政の苦しいコミューン側は、コミューンへの税収やコミューン内での雇用が増えること、また気候危機の中持続可能性エネルギーを推進する時流に沿ったものとして計画を進めてきたが、そんな高い建物は大自然の中にいらないという声に、計画はここで一旦止まることになるのだろう。
**************************
52%という数字で思い出したのは、私がこの週末にオンライン上映会で観た『なぜ君は総理大臣になれないか』という映画。このドキュメンタリー映画の主人公である衆議院議員の小川淳也さんが「勝った51は負けた49を背負って政治をしなくてはならないのに、勝った51はその51のためだけの政治をしている。それではだめなんだ」と話していて、心を打たれた。
決定はなんらかの形でなされないと前にはすすめないが、その際にだれがどういう意見を持って何を訴えていたのかをきちんと聞いて、できるだけ反映していく努力をやめてはいけないということだろう。
ちなみにこの日本の政治家の映画、10月2日までオンライン上映は続いていて、ぴあの配信では世界中のどこからでも観ることができるそうなので、興味をもたれたらぜひどうぞ! これまで政治にはまったく興味がなかったという方にも、ぜひお勧めさせてください。北欧の政治に関する言及が特別配信のスペシャルトークの中でも何度かでてきて、その意味でもとても興味深いです。
私の母は昨日、京都の出町座まででかけて観てくれたのですが「私には難しいのでは、とちょっと心配だったけど、もう、ものすごく感動した」と言っていました。