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限界ぎりぎりの特別対応の給食

食物アレルギーや自分の信条、または宗教的な理由で特定の肉を食べない生徒など、スウェーデンの学校給食が様々な対応を迫られている話はここでも何度か取り上げた。

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今日レポートされていたのは、学校側はきめ細かいやり方で対応しようと努力を続けているけれども、多くの市町村で増え続ける特別食の要望への対応方法や予算が限界にきていることと、最近急増している神経精神疾患上の理由から給食への特別対応が必要な子どもたちについてだった。

神経精神疾患上の理由とは、例えばADHDや何らかの強迫性障害などで、他の子供たちと一緒に同じものを食べることができない、特定の食材を特定の状況(部屋にひとりでいる時だけなど)でしか食べることができないといったような状況だ。

スウェーデンはフィンランドとエストニアと並んで、基礎学校(日本の小中学校にあたる)での給食を無償で提供している世界でも非常にめずらしい国だ。

この、国の「無料で栄養価のある給食をすべての生徒に提供する」という方針に従い、基礎学校の運営を行っている各市町村(コミューン)は、特別食にどのように対応していくのかをこれまで自分たちの裁量で地道な努力を続けていた。

スウェーデンでは、個人的な理由があれば個々人が集団にあわせる努力をするのではなく、集団側でその多様性を受け止める努力をするべきという考え方が日本に比べるとはるかに社会全体にいきわたっている。

特別対応食は食材の調達の段階から費用が多くかかることが多いし(平均で6割くらい高くなる)、メニューを考える手間も調理の手間も格段に増えひいては人件費も高騰することになるが、関係者たちも対応するのは当然だと考えている。ただ、各コミューンは今どこも緊縮財政を強いられており、学校給食もその例外ではない。

特別対応給食に関しては、現状を打破するために、年明け早々に国ではなく給食業界の関係者・識者のつくる業界団体が何らかの方針(アレルギー対応の場合の医師による証明書の扱いなどについて)をだす予定になっているが、この問題は本当に複雑で難しい。

市町村の8割で給食の特別対応食を要求する生徒が急増