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両極化を始めたスウェーデンのメディア

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公平で隔たりのない報道姿勢はつまらないし、もうたくさん?

スウェーデンで、政治的な思想をはっきりと打ち出すオピニオンを伝えることをを主眼としたメディアが生まれつつある。この先スウェーデンでもアメリカのFOXやCNNのようなニュースメディアが人気となっていくのだろうか?

今、スウェーデンのニュースメディア界で台風の目となっているのは、まだ始まってもいないBulletinというネット上のオピニオンサイト。元スベンスカ・ダーグブラデット論説委員でBulletinを設立したパウリーナ・ネウディングは、Bulletinはデジタル日刊紙という位置づけになると説明する。

スウェーデンで長年トップのダーゲンス・ニュヘテル紙の向こうを張ってきたが最近は勢いのない伝統のある日刊全国紙で右よりのスベンスカ・ダーグブラデット紙からはこのネウディングの他、つい先ごろまで筆頭論説員を努めていたイヴァール・アルピが参加を表明するなど、右よりの名だたるオピニオンリーダーがBulletinに加わることが判明している。執筆者としては他にも、穏健党やキリスト民主党で活躍した政治家たちの名前も上がる。

左より陣営でも同様の動きは活発だ。こちらは政党が母体になったもので、左党や社会民主党は自ら編集、配信する動画番組に力をいれ始めた。自分たちが社会に伝えたいことを適切に効果的に伝えることを目指す。

さて、右からと左からの状況をもれなく伝える分極化しないこの記事は公共テレビ局SVTのニュースサイトからの引用だ。この先はますます「何が伝えられているか」だけでなく「誰が何を伝えているか」を把握することが、生きていくための知恵と技術として必要になってきそうだ。

メディアに関する教育をしっかりやるスウェーデンの小学校でも、この先は両極化するメディアに関する知識も伝えていくんだろうか。いまのところ小学校の社会科の教科書で「プロパガンダ」という言葉は、広告と独裁制を説明する箇所でしか使用されていないようだけど……(冒頭の写真のReklamは広告の意味。文章の最後にpropagandaという単語があります)

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右と左のオピニオンリーダーがジャーナリズムに力を入れる

© Hiromi Blomberg 2023