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守られなかった環境目標

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スウェーデン政府は1999年4月に環境問題を次の世代に先送りにしないように、2020年に達成を目指す環境目標を設定した。当初は15でその後1つ増えて現在は16ある目標は、4年毎にスウェーデン環境保護庁が達成度を報告している。最新の報告書は2019年に出されている。

今年はすべての目標が達成されているべき年のはずだが、達成できたのは実に「オゾン層の保護」の1つだけ。他には「安全な放射線量」がほぼ目標達成の線まできているだけで、残りの14つの目標に関しては達成の見込みも見えてこない。「気候温暖化」と「生物の多様性」の2つの目標に関しては、達成どころか事態は悪化している。政府は目標達成の期限を2020年以降も継続すると変更している。

当初の目標だった2020年の年末ということで、この度ダーゲンス・ニュヘテルが環境政策の研究者と歴代の環境大臣に達成できない理由についてのインタビューを行っていた。

環境大臣の中にはそもそも目標の設定がよくない、と発言している人もいたが、ウメオ大学で環境政策を専門とする政治学者カタリーナ・エッケルベリは環境目標と成長率などの国家の経済目標が往々にして相反することを指摘し、環境目標を達成するには、環境大臣は財務省にいるべきだと主張する。環境目標を達成するにはあらゆる分野で身を切る改革が必要で、それは権力を握る財務省でなければ振るうことのできないナタであると説明する。

私はちょうど『人新世の「資本論」』を読み始めたところだが、この本が指摘しているのは資本主義と環境問題の相容れない関係。やはり問題をつきつめて考えていくと同じような場所にたどり着くようだ。

「SDGsで危機は脱せない」"緑の資本主義"の欠陥 | 

そういえば、映画『Greta(邦題アイ・アム・グレタ)』は昨日からSVTでの無料のストリーミングが始まっているのでまだ観ていない方はぜひどうぞ。スウェーデン国内からのみ視聴可能です。

www.svtplay.se

政治家が環境目標を守らないわけ・スウェーデンは目標未達成

© Hiromi Blomberg 2021