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警官の監視カメラ着用で増える犯罪、減る犯罪

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1年ほど前、ストックホルム交通局が検札員への暴力行為を防ぐため検札員のライブカメラ着用を始めたニュースを紹介したことがある。

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今日のニュースは、そのライブカメラの警官版の話だ。

警官がカメラを着用して任務にあたる場合、女性警官への性的いやがらせや男性警官への口頭によるヤジや威嚇は減る傾向にあるが、身体的な暴力は減らず、さらにはカメラをつけていることに腹を立てて警官に殴りかかる人がでるなど、逆に暴力を誘う影響もでることがこの度まとめられたレポートで明らかになった。

ストックホルム郊外のいわゆる荒れた地区では、警官への威嚇行為、暴力や嫌がらせがあまりにも多いため、警官の職場環境が悪くなりすぎて職務が遂行できないという状況が続いていた。

ストックホルム広域地区を管轄する警察は、2018年に300台の警官用の着用カメラを購入。これを使って、状況を沈静化し犯罪を防ぐことを目的としたパイロットプロジェクトが開始された。プロジェクトは今も進行中だが、その中間報告がこの度まとめられそれでわかったのが、上に書いた減少や増加する犯罪の傾向だ。

着用監視カメラの導入をもってしても身体的な暴力行為が減らない要因としては、このような暴力行為を行う人はアルコールや薬の影響下にあることが多く、カメラがなにを意味するかを正しく判断できない人が多いことがその背景にあると分析されている。

しかし、日常的に罵られたり暴力を受けたり、スウェーデンの警官も本当に大変ですね。

着用カメラで警官へのいやがらせが減少

© Hiromi Blomberg 2023