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銃撃や爆破は「霜」だけでは抑えられない

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ニュースに慣れてしまうとは恐ろしいもので、今日もどこかで発砲事件があったと聞いたり、どこかのアパートが爆破されたと聞いても、ああ、またかという感じで、そんなニュースをしっかり受け止めることのできる心臓も持ち合わせていない私は、あまり詳しく知りたいとも思わずに聞き流してしまう。

しかし、例えば「大阪の下町のお好み焼き屋さんの前で中学3年生が射殺された」とか「京都の街中で爆破事件があった」とかに置き換えてみると、今スウェーデンで起きている暴力団間抗争に端を発する発砲、爆破事件が日本と比べると異常なレベルにあることがよくわかる。

スウェーデンとは比較にはならないくらいの銃社会であるアメリカなどでは状況はもっとひどいのかもしれないし、普段のスウェーデンの生活では日本で暮らしていた時と変わらないレベルの安心さを感じている私にとって、この発砲、爆破事件の多さはどう理解し、どう位置づけたらいいのかよくわからない、モヤモヤというよりはどんよりとした大きな社会問題である。

上に書いたお好み焼き屋さんの例えは、昨年の秋マルメのピザ屋さんの前で15歳の少年が射殺された衝撃的な事件を日本に置き換えてみたものが、移民が多くにぎやかな誰でも知っている下町で起きたこの事件は、社会全体に大きな衝撃を与えた。

衝撃の大きさは警察も動かし、スウェーデン警察は2019年11月から①銃撃、爆破事件の抑制、②暴力団組織員の減少、③銃器と爆発物の押収、④一般市民の安心感の向上を目的とした「リムフロスト(霜)作戦」を開始した。

当初より期間限定の取り組みとして始まった「霜作戦」は、この度一応の終了を迎え、作戦の担当者よりその効果の取りまとめが先日発表された。国中の警察組織を横断して取り組まれた「霜作戦」だが、その中でも特に問題が多いとされるマルメとウプサラの一定の地区での取り組みに重点が置かれた。

結果、マルメでは市民の安心感が向上したという調査結果に結びついたが、それ以外では作戦実施期間とその前で比較しても、発砲事件数も爆破事件数も残念ながらそれほどの大きな劇的な変化はなかった。

さらには、銃撃事件での死亡者の数は逆に倍増しているし、またこの統計は今年の4月末までを測定期間としたものだが、スウェーデンでもコロナの影響で3月半ばくらいから人々の行動も変化していったので、これを単純に比較してもいいものなのか私にはよくわからない。

一方、作戦の目的としてはあげられていなかったものの付随効果として、同期間中に535名が抑留され、696丁の銃器と数百キロの爆発物、1000万クローナ(約1億2千万円)の現金が押収された。また暴力沙汰の背後にいる8人の重要人物と10名の爆発物製造に関わる人物を特定することができ、そのうちの9名は抑留されたという一定の効果もでた。

作戦期間中は白昼堂々と麻薬の取引が行われているような場所では警察の姿が目立ち、周辺の住民へのインタビューでは警察の存在を心強く思っている、という声も紹介されていた。霜作戦が終わっても警察の見回りの継続を望む人も多そうだ。

国は警察官を増やすことを約束しているけれど、今はなり手が足りていない。

警察官不足を退職警察官が助ける - swelog 今日のスウェーデンのニュース

アメリカでは「警察」の存在が揺れているが、スウェーデンの警察はどうなのか? 私には頼もしい存在と映るけど、言われない差別を受けていると感じている人たちももちろんいるだろうことも想像に固くない。あぁ、…… なんだか難しいことを考えはじめてしまったな、と気がついたところで今日はやめておきます。土曜日にしてはちょっと重い話題でしたね……

「国全体としての目標は達成できなかった」