swelog 今日のスウェーデンのニュース

スウェーデンのルンドという街からブログを書いています。スウェーデンのニュースから生活のヒントになりそうなものを、毎日一つ選んで紹介しています

家事代行サービスの政治的問題

2007年に始まった家事代行サービスの税額控除

2007年の右派連合政権時に導入された、家事代行サービスへの支払い代金をその年の納税額から控除する、いわゆるRUT(ルート)控除申請の伸びが止まらない。

スウェーデン税務庁によると、2018年もこれまでの最高額を更新する見込みで、年間全体では46億クローナ(約565億円)の控除申請となりそうな勢いだ。

気軽に利用でき、目的は圧倒的に掃除が人気

RUT控除の仕組みはこうだ。

掃除や洗濯、庭の手入れや子供の世話に至るまで、家事の範疇にはいるサービスを頼んだ場合、支払い金額の50%を、納税者一人あたり年間合計25,000クローナ(約31万円)まで、個人の納税額から控除できる。対象者が65歳以上であれば、控除額上限は年間5万クローナ(約62万円)にもなる。

実際の利用時には、サービス提供業者が50%引かれた金額で利用者へ請求書を発行し、残りの50%を税務庁に請求する仕組みで、一般の利用者は控除申請を自ら行う必要はなく、とても手軽に利用できる。

RUT控除の利用者の76%までは清掃サービスを使用しており、サービスを提供する会社の数も急増している。

単純労働への就労機会を増やす目的が、富裕層への優遇策へ

教育のない人にも就業の機会を与えることもその目的の一つとして導入されたRUT控除だが、きちんとした労働規約も結ばずに職のない移民を劣悪な条件で働かせる業者もおり、業界団体では利用者にも信用できるサービスかどうか事前に確認するよう呼びかけている。

また、別の視点からRUT控除を見ると、利用できるのは結局控除する金額以上の税金を収めている家計に少し余裕のある層から富裕層になり、国民全員から集めた税金が一部の余裕のある層を優遇してしまうこんな控除は必要ないのではないか、という点が度々指摘される。

清掃などの単純労働しかできない層に職を与え、失業者を減らすということが目的であれば、高額納税者から控除する形ではなく、サービス提供業者へ直接補助金をだすなどの方法も考えられるはずだ、などの提案もある。

家事代行は伸びる。RUT控除は廃止も?

家事代行サービスは今後もまだまだビジネスとして伸びる余地があるそうだ。一方で、上記の富裕層だけが得をするという観点から、RUT控除を廃止する議論も持ち上がる。

暮れも押し迫ってきたけれど新政権はまだ決まらない。RUT控除の行末はどうなるのだろうか?

税額控除できる家事代行サービスの利用が今年急増・なかでも掃除サービスが人気(Svenska Dagbladet)