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コロナが露呈したスウェーデンにおける医療と健康の不平等

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スウェーデンは医療の機会と健康が国民の間に平等に行き渡ることを目指しているのに、新型コロナウイルスのこれまでの死亡者特性を分析したところ、その目標は達成されていないことが明らかになった。

調査はスウェーデン最大手の新聞ダーゲンス・ニュヘテルが行ったもので、これまでにCovid-19で亡くなった人の特性を分析し、今週発表したものだ。スウェーデンでの新型コロナウイルスによる死者には、所得や学歴の低い人、また特定の国からの移民の占める割合がとても高い。特に一年前の第一波の際は、第二波以降に比べると外国籍の人がはるかに多く亡くなった。

さらに所得による死亡リスクの格差も顕著で50歳から64歳の年齢層で分析すると、月収が1万クローネ(約13万円)以下の人がコロナで死亡するリスクは、月収が3万から4万クローナ(約40万円〜約52万円)の人と比べると実に280倍だった。

このダーゲンス・ニュヘテルのまとめに関して、公衆衛生庁のアンデシュ・テグネルは「(この分析結果は)社会経済的に弱い立場の人たちは、混み合った環境で暮らし、また他の人との多く接触する職業で働いていることが多いということに関連している」と答えている。

公衆衛生庁や地域医療機関は、新型コロナの感染が広がってきた時に集中治療室に送られてくる人の中は外国籍の人、特に中東やアフリカの一部の国からの移民が多いことに気づき母国語でのコミュニケーションを強化するなどの対策を講じたが、テグネルは健康の公平性という点ではスウェーデンにはまだまだやるべきことがたくさんあると話す。自助も大切だとは思うが、やはり弱い立場の人たちにはまずは国として公助を目指すべきだろうと私も思う。

この様に新型コロナによる死亡では社会経済的な側面も大きな要因の一つだが、一番の危険因子はやはり年齢で、コロナによる死亡者のうち80歳以上の人が占める割合は72%となっている。また例えば糖尿病は高リスクファクターではあるが、40代の糖尿病患者と、そうではない50代、60代の人を比較すると年齢によるリスクの方が高いこともわかっている。

スウェーデンでのワクチン接種に関する昨日の発表では、これまでに大人人口の12%に相当する98万5千人が少なくとも1回摂取を受けた。またワクチンの対象者は100歳代から90歳代、80歳代へと、そして地方によってはさらに70歳代へと推移してきている。

さて、最後に、上の記事とはまったく関係ないけれど、アイスランドの火山のライブ・スローTVのリンク貼っておきます。ボコボコ噴火しててすごい。

Live from Geldingadalir volcano, Iceland

テグネル談「社会経済的な要素が大きな要因であることは明らかだ」(DN)

© Hiromi Blomberg 2021