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今、小中学校を閉鎖するべきなのか?

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新型コロナ科学フォーラムと名付けられた30名の研究者のグループが、来週から新学期が始まる小中学校をもう2週間から4週間程度閉鎖するよう求める提言を行っている。昨日、ダーゲンス・ニュヘテルがこの提言を掲載し、今朝のSVTのニュースサイトもこの記事を取り上げている。

スウェーデンでは昨年、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していた春先でも、日本の小中学校に相当する基礎学校を閉鎖していない。子どもには学校という場所が必要で、また子どもは感染しても症状の出ないことも多く感染の拡大源にはならないと考えられてきたからだ。

今回の研究者グループの提言は、昨年12月頭の1週間の統計数字をみるとスウェーデンの新規感染者の45%が学校由来のものであったことを指摘し、これまでの子どもは主な感染源ではないという考え方を見直すべきだと意見する。

公衆衛生庁はこの指摘に対し、学校での感染拡大は教職員など大人の間で広がっているもので子どもからの感染が急に広がったものではないと考えてると説明したものの、昨日の記者会見ではアンデシュ・テグネルは、政府や学校庁とも密な対話を続けており、例えばどういう形で中学校の授業をデジタル化できるかなどを検討していると話している。

提言は、先日提出されたコロナ監査委員会の第一次レポートにも触れ、マッツ・メリーン委員長が「高齢者施設での感染拡大は、市中で感染が猛威を振るうことが要因となっている」とまとめたことも指摘し、他国では子どもの間でもマスク着用が一般化していることについても触れている。

感染しても症状のない子どもたちばかりなわけではなく、提言の中でもこれまでにスウェーデンでも19歳以下の子ども7名が新型コロナにより亡くなっており、また同年齢で集中治療室で手当を受けた子どもは63名にのぼると書かれている。

さて、今日は水曜日。昨日の公衆衛生庁の記者会見ではストックホルムでは感染拡大傾向はどうやら一山越えたようだともコメントされていたが、来週の月曜日までにこの学校閉鎖の件に関してなんらかの決定がされるかもしれないですね。

研究者30名が提言・学校はクリスマス休暇の後も締めたままで(SVTニュース)

寄稿・1月に学校を閉鎖しないことは非常に大きなリスクを孕む(ダーゲンス・ニュヘテル

© Hiromi Blomberg 2023