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スウェーデン最大級の「動物の橋」

ヨーロッパの高速道路を走っていると、時々遭遇する動物のための橋「アニマル・ブリッジ」。スウェーデン語ではエコデュクト(Ekodukt)と呼ばれています。スウェーデン語の辞書によるとエコデュクトは1995年頃から使われはじめた言葉で、Ekoと管を表すラテン語Ductusの造語だそう。

今、ストックホルムの南にスウェーデン最大級のエコデュクトの建設が予定されています。高速道路の上を長さ90メートル、幅60メートルもの大きさで建設される予定のこのエコデュクトは、動物だけでなく人間や自転車の通行も計画に組み込まれた大きなもの。

エコデュクトの役割は、ただ単に動物が自由に行き来できるだけではなく、植物などの種子の広がりからその周辺の生態系を守ることにもあります。もちろん、高速道路に迷い込んでしまう動物との衝突事故を減らすことも大切な目的の一つです。

つい最近スコーネでもスヴェダラ・コミューンのスバネホルム城の近くに、スウェーデン南部で最大のエコデュクトがオープンしました。

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こちらのエコデュクト、とても長い時間(とおそらくお金も)かけて建設していました。

動物やその他の生態系のための橋は、日本でも小さなものは少し建設され始めてきているようですがまだまだ両手が数えることができるほどだそう。各種行政の限られた予算をこのような形で生態系を守るために使うためには予算決定の場に信念をもった政治家がいないとだめでしょう。

そういえば改めて気がついたけど、日本には国政レベルで環境を一番に掲げた緑の意思をもった政治家はいるのでしょうか?調べてみなくちゃ。

スウェーデン最大級のエコデュクト建設へ・ヘラジカやその他の動物が渡ります

© Hiromi Blomberg 2023