極右政党スウェーデン民主党の党首、ジミー・オーケソンは目下、ギリシャとの国境にあるトルコの小さな町でビラ配りに従事している。
ビラには「スウェーデンはもういっぱいです。来ないで…(中略)スウェーデン国民とスウェーデン民主党より」と英語で書かれている。
先週の木曜日に、ギリシャからEUに入ろうとする難民の移動を制限することをやめるとトルコが言ってから、すでに1万人以上がこの国境を越えようとしたと伝えられている。
オーケソンは最終的に16万人の難民を受け入れたスウェーデンの2015年の状況を繰り返えさないために「現場で」体をはっているところをスウェーデン民主党支持者にアピールしているわけだが「ひどい状況に置かれている難民を自分の政治的野心に利用している」「党首にはもっと他にやるべきことがあるだろう」とスウェーデンの他党の党首たちから「恥ずかしいからやめてくれ」と思われている。本当にちょっと恥ずかしいけれど、たしかに支持者の心には響きそう。
この話と直接の関係はないけれど、この間の日曜日に『ジョジョ・ラビット』という映画を観た。第二次世界大戦下のドイツでヒトラーに憧れるかわいい男の子と、スカーレット・ヨハンソン演じる信念を持って生きるかっこよい母親、そしてその母親がかくまっていたユダヤ人の女の子がでてくる映画だ。
ナチス絡みの映画ということで公開当初は他に見たい映画がたくさんあったこともありあまり気が進まず、結局上映がそろそろ終わるというタイミングで観たのだが、これが本当にいい映画だった。
コミカルでチャーミングであたたかさにあふれた映画だったのに、映画をみてからずっと考えている。自分のすぐ近くに迫害されている人がいたらどうする? 自分も殺されるかもしれないよ、どうする? 自分が迫害される立場になったらどうする?
物語や映画としてよく知ってるはずのユダヤ人迫害の話を、今の自分の状況とこんなに身近に感じて、考えているのは初めてだ。
自分が正しいと信じている行動をすぐに迷いなくとることができるのかの自信がない。信念を貫くにはまずは信念をしっかり持たなくては。
『ジョジョ・ラビット』、まだ観てない人には心からおすすめします。
スウェーデン民主党のオーケソンはギリシャ国境で「スウェーデンは満員」と訴える