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やわらかで自主的な全体主義が機能する国

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どうしてスウェーデンに住む私たちだけ、こんなわが道をいく人たちになっちゃったんだっけ? と思って、久しぶりにマイケル・ブースの『限りなく完璧に近い人々』のスウェーデンの部分を読みかえしてみた。

「そうか、そうか、近代性志向と自主的な全体主義と罪悪感だった」

ブースはこの本の中でスウェーデンきっての民族学研究者たちと対話をしながら、今のスウェーデンをスウェーデンたらしめていると彼が思う特質をいくつか取り出してまとめている。

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興味のある方はぜひこの本を読んでみていただければと思うが、仮に近代性志向と、(卓越した民主主義志向の影にくっきりあらわれる)自主的な全体主義と、第二次世界大戦後に多くのスウェーデン人がさいなまされた罪悪感がこの国を作ってきたとして、それが今回のコロナ危機とどう結びついているのかを理解するには、私にはまだしばらく時間がかかりそうだ。

それに今スウェーデンの中では、そんな全体主義とも罪悪感とも無縁の(ウイルスも怖くない)若者たちが、レストランやバーなどでいわば好き勝手な行動をとっている。

金曜日の午後に内政大臣が再度、カフェのテラス席などで混雑した状況とならないように強い口調で繰り返したにも関わらず、そのあとすぐの金曜日の夜(しかも給料日)のストックホルムでは大変混みあった飲食施設が目立った。同夜、市が行った巡回視察では32の飲食施設のうち11が厳重注意を受けた。この先も感染拡大につながる可能性のある危険な状況が続くと、いくつかのお店は営業停止処分になるだろう。

一方、昨日、ピーター・バラカンさんのポッドキャストを聴いていたら六本木の東京ミッドタウンが営業を休止していることを知った。そして私自身も日本の父の誕生日のプレゼントを探していたら、京都駅の伊勢丹も営業を取りやめていることを知った。

売上補償とかはどうなっているのかが少し気になったが、混雑した状態を防ぐのにこれらの商業施設がやっていることはすごく正しいと思った。

ともあれ、やわらかで自主的な全体主義は、今回は(も?)日本でこそ機能していそうである。

大臣の強い要請にも関わらず給料日の夜のストックホルムは大賑わい