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学歴と職業と賃金の男女不平等

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男女平等が進んでいるとされるスウェーデンでも、男女間の職業と賃金の関係をみると、女性の多い職業は賃金が低いことにすぐに気がつく。そしてそのような仕事、看護師、教師、ソーシャルワーカーなどは高等教育を必要とすることが多い。

スウェーデンでは早くも1977年から、高校卒業後の大学レベルの教育を受けるのは女性の方が多い。

2020年の春期の入学出願状況でも、最も人気の高い学科40のうち女性の出願者が多い学科が37を占めた。残りの3学科はウプサラ、ストックホルム、ルンドの経済学科で、男性が選ぶ高等教育は経済関連やエンジニア教育など卒業後は高賃金の職業につながるものが多い。

また、ウプサラ大学の労働市場教育政策研究所の研究者によると、大学での教育を選ばなくても、男性には高卒の学歴で比較的給与の高いキャリア選択ができることが多いそうだ。

大学に行くには学資ローンを借りなくてはならないので、大学卒業後につく職業の賃金が低ければ、学資ローンがなくそこそこの賃金を稼ぐ高卒で働き始めた人との生活レベルの格差がでてくる。ここでの差は年金での差にもつながっていく。

国は労働市場教育政策研究所まで作って、この格差について研究を続けているようだが、性差と教育差と賃金差のこの関係はずいぶん長い間固定していて変化の兆しがみえない。

ふと、政治のトップも若い女性が目立つ隣国、フィンランドではどういう状況なのかが気になった。時間ができたら調べてみよう。

研究者のコメント「男性は高賃金へとつながる学歴を選ぶ傾向がある」

© Hiromi Blomberg 2023