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太陽と水しかいらない未来の燃料ステーション

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スウェーデンの真ん中あたりにある人口が2万5千人にも満たない小さなコミューン、マリエスタッドにある燃料ステーションの運営に必要なものは太陽と水だけ。

コンテナのようにどこにでも設置することができ、しかも燃料満タンは誰でも無料。ただし、ここで作り出される水素ガスを燃料として走る燃料電池車を持っていれば、の話だ。

燃料ステーションは、太陽パネルから供給される電力で水を分解して水素ガスを作り出す。車を走らせるために必要なガスの圧縮もその場で行い、対応している車であればいつでも無料で燃料を満タンにできる。

しかし、スウェーデンでは燃料電池車が販売され始めたのは今年に入ってからで、ここで燃料を満タンにできる車は全国でもまだ40台位しかない。ヨーロッパではドイツやデンマーク、ノルウェーで対応が先行しており、車を作っているのはトヨタ(MIRAI!)やメルセデスだ。

今回の燃料ステーションのプロジェクトにかかった費用は約3000万クローナ(約3億5千万円)で、そのほとんどはマリエスタッド市民の税金ではなく、EUのプロジェクトからお金がでている。

コミューンではすでにホームヘルパーの巡回サービス用に数台を購入している。そして、この後も順次燃料電池車に切り替えていく予定で、長い目でみた経済的な効果と、先端の技術を採用することによる新しい産業や技術の集積効果、並びに先端技術に強い町としてのブランディング効果も狙っている。

スウェーデンでは、EUへはお金を出すことのほうが多くてもらいが少ないのでは?という声がいつも上がるが、こんな夢のあるプロジェクトで大金を分担してもらえることもあるなら、なんかいい感じと思ってしまう私は甘いのでしょうか?

未来の水素自動車の燃料ステーション・必要なのは太陽と水だけ

© Hiromi Blomberg 2023