2018年に「食料自給率」の記事で始めたこのブログ、今日で3周年、4年めに入りました。いつも読んでくださっているみなさま、ありがとうございます。記念に今日も気候危機の話題を。
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世界最大級の石油・天然ガスが埋蔵されているが、今後採掘をしないことを決定したグリーンランドからSVTがレポートしていた。
グリーンランドの鉱物担当大臣は「北極圏で石油やガスを探すのはもう時代遅れ」とコメントしており、この持続可能な鉱物開発方針が今後この地域で重要となるだろう観光産業によい影響をもたらすことも狙っている。
世界で一番厳しい気候の中生活してきたグリーンランドの人たちは、今、飢えたホッキョクグマが村にやってきたり、氷床が縮小していき犬ぞりで漁ができないといったことを経験している。この先、暖かくなったより南の方の海に住めなくなったタラやオヒョウが北上してきて大漁になり、短期的には経済が潤うことも予想されているが、それもきっと長くは続かない。
グリーンランドから少し南下した北欧あたりでは、氷河の融解により、今この地域を温めているメキシコ湾流の流れが弱まり、寒くなっていくという変化が生じる。同様に、この夏の熱波や洪水はジェット気流の乱れと関係があることはつい先日も取り上げた。
このような状況を目の前にしても、グリーンランド以外の国では、この気候危機を前にしてこれといった政治的決断をしていない。それどころか、この氷河の融解を商機とみて、北極圏開発計画は進むばかり。
ノルウェーでは、今年北極圏で30の石油探査許可が発行され、国営の石油会社にはそのための補助金もでている。環境保護団体が新規の石油採掘許可を違法だと訴えたが、ノルウェーの最高裁は国を無罪とする判決を与えている。
中国やロシアが北極圏航路を新しい商機を捉えていることは最近繰り返し伝えられている。(軍事地図も変わる様子はこちらの記事で書いた)
パリ・エクイティ・チェックの報告書によると、世界のすべての国が中国、オーストラリア、ロシアやブラジルのように行動したら地球の温度は5度上昇するそうだ。目標は1.5度だったから、5度の上昇ではこれまで以上の熱波、洪水、異常気象は避けられないだろう。
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そんなレポートを聞きながら、私たち全然だめじゃん、とため息をついていたら、グレタ・トューンベリとはひと目ではわからないグレタの写真を目にする。
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これは昨日Vogueのスカンジナビア版の発売にあわせて公開されたグレタのインタビュー記事。
Vogueスカンジナビアは世界で一番サステイナブルな雑誌になると宣言しており、プラスティックを使用せずカーボンニュートラルを目指す。同紙はサイトのオンライストアでのみ購入でき、言語は英語で、部屋の装飾の一部となるオブジェクトのような雑誌となる。(価格も19.99ユーロと安くない)。
グレタは以前にもダーゲンズ・ニュヘテルの一日編集長をしたことがあるが、このVogueとのコラボが単なるグリーンウォッシュではなく、これまで彼女がリーチできていなかった層に彼女のメッセージを伝えることのできる、いい機会になることを祈る。
彼女のインタビューはこちらからどうぞ。