swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

西アフリカ熱帯雨林での種の絶滅が次のパンデミックに直結か?

種の絶滅は、これまでは自然保護の観点から語られることが多かったが、これからは人間の健康に直結する問題となる。 スウェーデンの公共テレビ局SVTの気候危機問題解説員エリカ・ベェルストロームは、人の感染症の3分の2は他の動物からのものだと説明する…

コロナ禍における世界の、そしてスウェーデンでの男女格差

女性の権利に関する国際的な会議である「第65回国連女性の地位委員会」が先週閉幕を迎えた。 スウェーデンの元ジェンダー平等担当大臣で、現在は国連の女性の権利部会の副代表として働くオーサ・レグネルが、委員会で議論された女性が置かれた危機的な状況を…

極北の1万人の新規雇用がつくる、スウェーデン鉄鋼業界の脱炭素

スウェーデンの最北部ノルボッテン地方では労働力が圧倒的に不足している。またノルボッテンでは化石燃料を使わない、いわゆるグリーン・スチールと呼ばれる鉄鋼を生産する新工場の建設が次々と決まり、この先約1万人の新規雇用が必要となる見込みだ。 世界…

中国でボイコットされるH&Mをスウェーデン首相が支持

新疆ウイグル自治区の強制労働を巡る発言をきっかけに、中国各地でスウェーデンの衣料品大手企業H&Mの店舗が次々に閉鎖に追い込まれ、Eコマースサイトからは抹消されていく。今、こんな劇的なことが起きている。 H&Mは、新疆ウイグル自治区では強制労働が行…

危機にはスカウト! でも日本ではスカウトが危機なのか?

活動が野外である点や、危機に際して自分で問題解決をする能力を高める側面、またはパンデミック禍でもグループの連帯を感じることのできるそのありようが人々にアピールしたのか、スウェーデンでスカウト活動をする人が増えている。 参加者の増加は、大都市…

パンデミックでどこまでも伸びるスウェーデンのフィンテック

スウェーデン発のスタートアップ、フィンテックの星、クラーナ(Klarna)が絶好調だ。この度発表された2020年の数字ではパンデミックの中、さらにビジネスを伸長させた。 フィンテックとは決済方法や、商取引、証券取引などに関わる新しいIT技術を使った金融…

コロナが露呈したスウェーデンにおける医療と健康の不平等

スウェーデンは医療の機会と健康が国民の間に平等に行き渡ることを目指しているのに、新型コロナウイルスのこれまでの死亡者特性を分析したところ、その目標は達成されていないことが明らかになった。 調査はスウェーデン最大手の新聞ダーゲンス・ニュヘテル…

スウェーデンのスパコンと幸せな研究者とヴァレンベリ財団

久しぶりにめちゃくちゃ嬉しそうな人を見た。それは、ずっと欲しかったおもちゃを買ってもらった子どもではなく、スーパー・コンピューターを手に入れた研究者。 スウェーデンのリンショーピング大学で、新しくみんなの前にお目見えしたのは、この瞬間スウェ…

増える子どもと若者のコロナ感染

イギリスからの変異種が新規のコロナ感染者の過半数を占めるようになったスウェーデンで、子どもや若者の間への感染が増えている。広がる感染にリモート学習に移行した小学校低学年のクラスもあるが、小さな子どもたちへのリモート学習は難しいと、SVTの取材…

コーヒーでよく眠る

春眠、暁を覚えず? 春眠でなくても、昨年の国民健康調査で睡眠が足りていないと回答したスウェーデン人は42%にのぼる。眠りが足りないと不安やストレスへの耐性も弱くなる。来週の日曜日からはまた夏時間になるし、ここはひとつ眠りを見直したいところだ。…

女性に顕著なコロナ禍の運動不足

コロナの第二波の真っ只中だった昨年12月中旬に行われた調査では、スウェーデンではパンデミックで人々の運動量は減っており、それは特に女性において顕著だということがわかった。 メーラールダーレン大学が実施したのは、1000人を対象にした運動量に関する…

コロナ禍の医療従事者を称えるボーナスに激しい地方差

大変な仕事をやり遂げた時は、それをみてくれていた人からありがとうと言われるととても嬉しいものだが、もう一年以上も緊迫したコロナ禍の中働き続ける医療従事者は、その仕事に見合うお礼を報酬の形でも得ることができているのだろうか? スウェーデンで、…

バルト海の窒息状況は止まらず、ヘラジカは飢える

世界最大の「死の海域」、バルト海中央部(Baltic Proper・Egentliga Östersjön)の超低酸素状況が改善されない。1999年頃から観測されている超低酸素状況は2020年も改善は見られなかった、とこの度スウェーデン気象庁が発表した。 スウェーデン語では東海(Ö…

学習用ローファイ・ビートでは、学習できない

スタジオジブリの『耳をすませば』のワンシーンように、女の子がヘッドホンで音楽を聴きながら勉強する動画を背景に、ローファイ・ビートまたはローファイ・ヒップホップと呼ばれるいわゆる作業用BGMを24時間延々流し続けるYoutubeチャンネルが人気だ。 lofi…

精神発達症群の日とグレタ・トゥーンベリ

3月15日は「精神発達症群の日」であったということで、アスペルガー症候群のグレタ・トゥーンベリが昨日、SVTの朝のニュースに出演してインタビューに答えていた。 世界を駆け巡る目まぐるしい1年の後、今は学校に戻って落ち着いた日々を送っていると話すグ…

食品の砂糖含有量マークで変わる購買行動?

緑、黄色、赤、黒の4つの色でその食品の砂糖含有量を分類して、スーパーの店頭の価格表示のタブに表示する取り組みがスウェーデンの一部のスーパーで始まっている。 その食品から得られる熱量のうち砂糖からのものが5%以下である場合は緑のSマーク(砂糖…

オーロラ予報

オーロラを見にスウェーデンに来るなら2025年? オーロラが見えるのか、見えないのかを短期で予想するのは、天気予報よりもずっと難しいが、長期的な見通しは太陽の黒点の活動と結びついているのでそれよりは簡単。この11年周期で巡っている黒点の活動状況は…

スマホの寿命を伸ばすための新法をEUが超スピートで検討中

GDPRとか使い捨てプラスティックに関する新法とか、最近ではアルコール飲料への警告表示義務付け検討やさらにはワクチンの共同購入の件に至るまで、EUのちょっとグイグイ押してくる感じについてはこのブログでも何度か書いているが、また近く、EUから新しい…

開発の進む男性が肩に塗る避妊用ジェルは市販化されるのか

かねてより開発が進められてきた、男性が透明のジェルを肩と上腕に塗ることで精子の量を減らす避妊法、人呼んで「Pジェル」(PはPreventivmedel 避妊薬から)。 これまで2年間で、世界から420組のカップルがPジェルの臨床実験に参加したが、スウェーデンか…

オリンピック選手のやる気問題

昨日は多くの人が東日本大震災10年に思いを馳せただろう。スウェーデンでもニュースで10年前を振り返ったり、今も海底にご遺族を探し続ける方のルポルタージュを紹介していたりした。 そして昨日は、スウェーデンで初めて新型コロナウイルスで亡くなった人が…

花粉症シーズンは一年中に、そしてコロナと花粉

花粉アレルギーに悩む人には恐怖の宣告? 昨日のニュースで聞いたのは、今年は花粉アレルギーの人にはつらい年になりそうだということと、気候温暖化の影響で花粉のシーズンはどんどん長く「通年」といってもよい期間をさすことになってきていること、さらに…

勝手に殺さないで

「ご遺族の方へ・彼女が亡くなられた後も続けて年金を払いすぎてしまったので、返金してください」。そんな手紙を年金庁から受け取ったグッドルンさんは驚いた。だって自分はまだ生きているから。 ソレフテオに住むグッドルン・ヴェストマンさんはシステム上…

できたよ、これでルーン石碑探しが簡単に

別に知ってても知らなくてもどうでもいいようなことを、あーだ、こーだと書きたいなと思いつつも、毎日事件のようなことが起こるので、そちらを優先していたらいつまで経っても書くことのできないことがある。 それは例えば、新しく公開されたルーン石碑の地…

「第三波をTsunamiにしないために」

と、昨日夜のニュース番組で発言したのは野党・中央党党首のアニー・ローヴ。 クリスマス前後からのコロナの第二波が収まりきらないうちに再度感染拡大の兆しをみせている今の状況をコントロールするために、2、3週間をめどにショッピングセンターやレストラ…

ストックホルムの無責任なデモで思い出す、ルンドの「パルメの人」

パンデミック法により、目下スウェーデンでは8名以上で集まることは禁止されているのに、昨日の土曜日の午後14時ごろから、ストックホルム中心部で一時300名から500名ともされる人が集まるデモがあった。しかし集まった人たちが持ったプラカードに書かれたこ…

気候温暖化で緊迫する北極の軍事地図

気候変動により急激に氷が溶けていく北極圏。厚く覆われれていた氷がなくなることで新しい水路ができ、これまではアクセスできなかった天然資源に世界の大国の関心が固まる。 スウェーデンはこれまでにないレベルの予算で北の最前線の防衛力を強化し、またこ…

500万歩の旅

なるだけ公共交通機関は使いたくないし、日中は家で仕事して、ランニングと散歩といつものスーパーに行くときぐらいしか外にでない生活を送っていると、行動範囲がとても狭い。 家の場所はかわらないので(当たり前だな)、いつもの道をいつものようにぐるぐ…

実感する不動産バブル

昨日はちょっと普通じゃないことが2つ起こったのでそれについて書きます。 ひとつ目は、夜8時から自然動物番組を地上波でみていたら、突然番組が中断され殺人未遂からテロに指定が変更されたヴェートランダ(Vetlanda)の痛ましい事件についての警察の記者…

スウェーデンの公共放送とClubhouseの付き合い方

スウェーデンの公共放送SVTとスウェーデン・ラジオ(SR)は、Clubhouseの使用を禁じてはいないが、このスウェーデンでも人気の高まっているアプリの使用に際して最新の注意を払うように職員に命じた。 招待制のClubhouseは、人を招待する際にユーザーのスマ…

こんなにあるスポティファイがポッドキャストで儲かる理由

「スポティファイはポッドキャストで高収益化の道を見つけたようだ」というこの記事では、スポティファイは音楽よりも利益率のいいポッドキャストに投資をすることで、高収益への道を探り当てたようだと書かれている。 今スポティファイのポッドキャスト部門…

© Hiromi Blomberg 2023