swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

スウェーデンのぶどうの豊作で肌身に感じる気候危機

昨日、もうソロソロ季節も終わったと思っていたうちの菜園に行くと、まったく注意を払っていたなかったぶどうが驚くほど実っていた。 ちょっと嬉しいような、でも「あれ! 気候危機の影響がここまで? それはちょっと恐い!」と思ったり、「いや考えすぎでは…

本も量り売り・1キロあたり59クローナで

スウェーデンで売れ残った賞味期限を過ぎた量り売りのお菓子が、密輸されデンマークで売られているというニュース。 スウェーデンから密輸された量り売りのお菓子が、コペンハーゲンのど真ん中で販売されている 少し前にもみた覚えがあるのだけれど、今朝も…

「牛乳なんてやめろ!」広告戦争とその未来 swelog weekend

スウェーデン発のオート麦ミルクは牛乳を駆逐(したい) オートリー(Oatly)はスウェーデン発のオート麦を原料とする人気の植物性ミルクのブランドだ。酪農と肉牛の環境への負荷が議論になっている今、オートミルクの人気はスウェーデンだけでなくアメリカ…

映画のスマホ視聴とミレニアル世代

ヨーテボリ大学の映画学科の研究結果によると、映画を見る際の画面のサイズと内容の理解度には一定の関連性がある。スクリーンサイズが小さければ小さいほど、映画の中の人物の行動の理解することや共感することが難しくなる。また周囲が騒がしい状況の中、…

スウェーデンの初物の値段・ロブスターの場合

日本の魚市場でのセリといえばお正月のマグロがよくニュースで取り上げられるが、スウェーデンでもロブスターの初物のニュースをやっていた。魚市場はもちろんおいしい魚が集まるヨーテボリの魚市場。気になるプライムロブスターのお値段は1キロ52,000クロ…

荒れる図書館

郊外や小さな町の図書館が荒れている。司書に対して攻撃的な態度を取る人が増えたり、図書館がドラッグの取引所として使われたり。2017年くらいから図書館が荒れる傾向は強まっており、対策を講じる図書館も増えてきた。 誰もが無料で思い思いの時を過ごせる…

マリファナ使用を国にきちんと答える国民性

青少年の間での薬物使用が増えているスウェーデンだが、30歳から44歳のグループでもマリファナの使用率が急増中だ。スウェーデン公衆衛生庁が実施しているアンケート調査では近年この傾向がはっきりとしてきた。 公衆衛生庁は2004年から毎年健康に関する調査…

肉を減らしたスウェーデン人は何を食べているのか?

その答えの一つが、おそらく「キノコ」。 有機栽培のヒラタケを作っているフンギゴーデンでは2016年以降、需要がくんと伸びた。現在年間70トンのヒラタケを生産しているか、このままいけば近いうちにきのこ農場の拡張が必要だ。 ヒラタケは熱を加えてもボリ…

王様はイラついてゴミを自分で拾う

スウェーデン国王グスタフは自然の中でゴミが落ちているとイラついてよく自分で拾っていた、とヴィクトリア皇太子が話している。 昨日の9月21日、世界で一斉に開催されたワールドクリーンアップデー。スウェーデンではNGOの「スウェーデンをきれいに!(Hål…

徒歩と自転車の北欧の小都市が買い物客で賑わうには?

環境問題に対応した交通システムの展開をコミューンの目標として20年前に掲げたスウェーデンのルンド市。 自転車や歩行者、公共交通を中心に備えた政策の結果、最新統計では市街地の移動手段の43%が自転車、20%が徒歩となっている。車を所有していない世帯…

人生100年時代の輝ける職業?

65歳を過ぎても働き続ける先生が増えている。 小中高と基礎的な学校教育を提供しているのがコミューン(日本の市町村にあたる行政)だが、現在先生が不足している状況が続いており退職する年齢になっても引き続き働いてもらったり、退職していた先生にまた働…

意見の異なる見知らぬ他人と「対面で」話す

スウェーデンの公共放送SVTの新しい取り組みがおもしろい。まだテレビ番組になるかどうかも決まってないが、始まったプロジェクトはこうだ。 今スウェーデンを二分する社会トピックに関して自分とは意見の異なる人と「対面で」話してみよう、というのがその…

一石二鳥の食べ物トレンド

スウェーデンのレシピ本で最近の人気は「健康にも環境にもいい(そしてもちろんおいしい)」料理を紹介したもの。 私も『EAT GOOD(英語版は「The world changing cookbook」)』(世界をリードする環境学者ヨハン・ロックストローム監修)や、一連の『Food …

氷河の3分の1が溶ける時

スウェーデンで一番高い山ケブネカイセ山頂の氷河が溶け、標高の順位が変わってしまったというニュースを小耳にはさんだ人もいるかもしれない。 forbesjapan.com この100年間でスウェーデンの国土の氷河の3分の1は溶けてしまった、とストックホルム大学の…

こんなに暑くなったスウェーデンの夏

2015年7月の新聞より。この頃は30度に本当にびっくりしたのか写真をとってあった グレタ・トゥーンベリさんが出演したアメリカのテレビのトークショーでの発言が話題になっています。 The Daily Showにグレタさんが出演。これには多くの米国人が核心を突かれ…

意味のない署名

先週の木曜日に地域の公共交通局からメールが来た。9月14日からアプリ上でクレジットカードと連携した切符の購入がスムーズにいかないかもしれないでの、できるだけ前もってチケットを購入することをすすめると書いてある。 メールの背景は、この度EUで導入…

AIで中国に勝つためにスウェーデンの保育所は何をするのか? swelog weekend

保育所でのデジタルツールの使用を義務化 7月1日から施行された新学習指導要綱でスウェーデンの保育所でのデジタルツールの使用が義務化されたことで、幼い子供たちにタブレット端末を使わせることの是非を問う議論が再燃している。 スウェーデンでは保育所…

変わる電動キックボードをめぐる状況

スウェーデンで電動キックボードが出現したのはたった1年ほど前の2018年8月。 今、ストックホルムではスウェーデンのスタートアップであるVio、ドイツから来たLimeの他にも7社が参入してすごい状況になっている。 導入当初は一般の消費者向けの電動キック…

テレビにおける文学の居場所

スウェーデンの公共放送SVTの平日朝のニュース番組「モーロンステュディオン(Morgonstrudion)」はニュース、時の話題にまつわる多彩なゲストをスタジオに呼んでのインタビューなど盛りだくさんの内容で毎日朝6時から9時過ぎまで放送している。 毎週月曜…

スマホ中毒を自己批判する子どもたち。大人はどうする?

スウェーデンの国家メディア審議会は青少年のメディア接触状況に関する調査を2年毎に行っている。 昨日発表された最新の調査結果では、子どもたちはスマホを使いすぎている状況に自ら批判的であることがわかった。毎日スマホのアプリで費やしている時間をお…

起床の8.5時間前には就寝を!

夏の間はあんなに日が長く明るすぎて眠る時は遮光カーテンだったのに、あっという間に起床時間になっても外はまだ暗いという状況になってきた。外が真っ暗な中、お日様に頼らず自分の意思だけで起きて、暗闇の中仕事に向かう。そんなスウェーデンの秋と冬の…

690 億円の雇用創出法

雇用促進対策の一環として、雇用主が従業員一人あたりに払ういわゆる給与比例税(Arbetsgivareavgift)が大胆に改革されることが決まった。 現在仕事を見つけるが難しくなっている「若者層、新しくきた移民、長期失業者」の3つのカテゴリーにあてはまる人達…

ジャンクフードをストライキで拒否する高校生

学校側がファーストフードで解決しようとした給食問題で、高校生がジャンクフードを食べることを拒否。学校給食をめぐる状況が変わりつつある。 スウェーデン西部のウッデバラにあるるトレーン・イノベーション高校では学校の移転に伴いそれまで学校が提供し…

街中のおしゃれセカンドハンド・ショップとお店の未来 swelog weekend

みなさーん、noteっていうサービス・アプリはお使いでしょうか? 最近いろんな雑多な長めの文章をnoteに書いていて、今日のweekendもそちらで書いた記事を紹介させてください。 昨日、公開した少し長めのビジネスよりの記事です。 note.mu あ、先週はこんな…

現金を一掃したSwishは運営面の不安定さを残したまま成長する

固有の携帯電話番号に結び付けられた銀行口座への振込をスマートフォンを介して瞬時に決済できるシステムとアプリであるSwish。 2012年に、主に個人の銀行口座間決済をスマートフォンで簡単かつ安全に行うことを目的にスウェーデンの主要銀行が共同で開発し…

「マッチョでもなくてエコな狩猟生活」

スウェーデンでは動物愛護への関心が高いとなんとなく思っていた私は、「この国では狩猟がとても盛ん」と最初に聞いた時は少し混乱した。 少し考えれば、動物愛護に熱心な人もいるし狩猟が好きな人もいるだけ、という当たり前のことなのだが、都市で育った普…

本屋の責任、読者の責任。スウェーデンの場合

「予防注射は必要ない」と書かれた子供向けの本がスウェーデンの大手書店の品揃えから消えた。3月には「自閉症は治療できる」と謳った本の販売も書店の判断で中止された。表現の自由が保障されているこの国で、これは本屋による言論統制ではないのか? と思…

スウェーデンで変わるSNSの使われ方

最新の「スウェーデン人とインターネット」レポート(2018年調査)によると、スウェーデン人のFacebookの使い方に変化がでてきている。 Facebookの利用率は若者の間では減っているが高齢者層ではまだ増え続けている。しかしアプリやサービスは使っているもの…

気分のすぐれない若い女性たち

スウェーデンの若者・市民社会管轄庁が2018年に実施したアンケート調査によると、16歳から29歳の約半数が、ストレスや疲労、頭痛、腹痛、不眠といった精神疾患の症状に週に数回もしくは毎日悩まされていることがわかった。 2007年には34%だったこの数値は上…

森を走ろう!

日本ではよく知られている「森林浴」効果。スウェーデンでも「Shinrin yoku」への関心は高く、スウェーデン語の本も出版されている。 この度ウプサラ大学の環境心理学のテリー・ハーティグ教授と他の共同研究者のもとまとめられた2万人を対象にした英国の研…

© Hiromi Blomberg 2023