swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ルーベン・オストルンドと2度めのカンヌ・パルムドール

カンヌ国際映画祭で2度めのパルムドールを受賞したけれど、映画評論家からその価値に値しないなどの声が上がっているルーベン・オストルンドは、その批判をどう受け止めているのか、いくつかのスウェーデンのメディアが取材していた。 現在生後8ヶ月の息子…

103歳のスカイダイビング

昨日の午後、スウェーデンのルート・ラーションさんがパラシュートを使ったスカイダイビングの世界最高齢記録を更新した。ルートさんは103歳。 ルートさんは90歳になった頃に空を飛ぶことについてもっと知りたいと、気球やパラグダーなどに挑戦することを始…

マルメのアウシュビッツ展 swelog weekend 60

今週のニュースレターは行ってきたアウシュビッツ展のことを書いています。 今週からマルメで始まった『アウシュビッツ ー 遠くない昔、遠くない場所』展で、このためにマルメに運び込まれた700点を超える展示物を見てきた。恐れるでもなく、怖がるでもなく…

MAXバーガーで電気自動車を急速充電

気候問題から人権問題まで、様々な問題に取り組み続けるスウェーデンのハンバーガーチェーン、MAXバーガーが目下力をいれているのは店舗併設の駐車場に電気自動車の充電ステーションを拡充させることだ。 現在全国の34店舗で充電ステーションが併設されてい…

増えるコーヒー泥棒

最近コーヒーはDrop Coffeeから買っていてスーパーでコーヒーの棚を覗くこともなかったので気がついてなかったけど、中央統計局の最新の調査によるとコーヒーの価格は30%近く値上がりしているそうで、それにつれてか、スーパーでのコーヒーの万引が増えてい…

食品排水のアップサイクルで、タンパク質豊富な海藻を

これまでスウェーデンでは注目されてこなかった海藻だが、その可能性に注目が集まり、未来の食べ物として研究が進んでいる。 海藻は、すでに混み合っている陸上の農地を必要とせず、また育てるための肥料もいらず、海水から栄養分を吸収して太陽光があれば育…

労働組合をないがしろにしたクラーナの大量人員削減計画

最近は戦争のニュースで、あまりのことに声もでないという経験を何度かしたが、今朝は見出しで「え、ひどい!」と声を上げてしまったのが、このニュース。 スウェーデンのフィンテック超大手になった後払い決済サービスのクラーナの業績が悪化し、10%の社員…

語り始めた性的暴行を受けた男性たち

ルンド大学で男性への性暴力を研究しているハーンス・クヌッタゴードは「男性へのレイプは女性がレイプされるのと同じような場所で、あらゆるところで起こっている」と言う。 昨年スウェーデンで報告されたレイプの件数は9360件。このうち8686年が女性や少女…

意見の不一致で一致したトルコとスウェーデン

ルンド中が「学生による学生のための世界最大の祭典」ルンド・カーニバルで、お祭り騒ぎになっていたこの週末、トルコのエルドアン大統領とスウェーデンのアンデション首相は電話会議を行い、互いの意見が異なっていることで合意した。 スウェーデンのNATO加…

スウェーデンの洋上風力発電パークにゴーサイン swelog weekend 59

本日購読者の皆さまのお手元に届いたのは、超大型洋上風力発電パーク計画に関する記事です。デンマークとドイツとスウェーデンの中間にある浅瀬に、すでにドイツとデンマークは大型発電パークを建設して稼働させていましたが、この度やっとスウェーデンも建…

人参一束17万円詐欺

ストックホルムの中心にあるHötorget(私の感覚ではホートリエットだが、在日スウェーデン大使館公認 観光情報サイトでは”ヒュートリエット”と表記されている)。 letsgo-sweden.com 広場には毎年ノーベル賞の授賞式が行われるストックホルムのコンサートホ…

専門的なニュースメディアにお金を払う傾向が高まる

スウェーデンのメディア接触習慣に関する統計「メディアバロメーター」の2021年の調査結果によると、スウェーデンでのニュースの消費量は増え、特に専門的なニュースメディアへの接触量が増えている。 フェイスブックなどのSNS経由でニュースを入手していた…

映画の著作権とロイヤリティは誰のもの?

アカデミー賞にノミネートされるほどの素晴らしい仕事をして、その後その映画がヒットしてテレビやストリーミングサービスで何度も上映されても、あなたの仕事がメイキャップアーティストならロイヤリティは1円も入ってこない。 2005年から2020年の間にスウ…

NATO加盟と民主主義「43%の人は賛成していない」。そして「次は核武装」議論も始まる

「民主主義的な正当性を欠いたまま話が進んでいってしまった感があります」と昨日の夜のNATO加盟問題に関するSVTの特別番組で発言していたのは、大手新聞ダーゲンス・ニュヘテルの文化局長ビョーン・ヴィーマン。 ヴィーマンは「今回のNATO加盟に関する一連…

イタリアの核シェルター

コロナでイタリアが大変な状況だった頃には毎日のように現地から最新情報を伝えていたSVTのレポーターの姿をニュースで久しぶりに見かけたと思ったら、彼女はイタリアの核シェルターブームについて伝えていた。 ニュースはウクライナの戦争が始まってから、…

負け組をつくったスウェーデンの学校改革の失敗

1990年代の終わりに行われた学校制度の改革が、生徒個人にも社会全体にも悪い結果をもたらしていることは研究などから明らかなのに、どの政治家もその問題を取り上げようとしない。 25年以上も前から毎年問題になっているのは、日本の小中学校に相当するスウ…

スウェーデンの夏休みについてあなたが知らなかった7つのこと swelog weekend 58

今週のニュースレターではスウェーデン「有給休暇法」について書いています。 Elle Active! での連載「みんなと地球の”ラーゴム”なくらし」最新回では、スウェーデンのイノベーティブな働き方と「休み方」について書いたが、そろそろスウェーデンではみんな…

想定外のリスク、想定内のリスク・NATO加盟へのトルコの反対と、サイバー攻撃共同演習

「これどうなるんだろう?」と何かについて心配していたら、それとは違う方向から別の問題がやってるくることはよくあるが、昨日のトルコのエルドアン大統領のフィンランドとスウェーデンのNATO加盟に難色を示す発言もそんなうちのひとつ。 トルコ、フィンラ…

NATO加盟に批判的な若い男性と「スウェーデンの平和」

水曜日に記事になっていたNATO加盟に関する世論調査に関して書こうと思っているうちに、昨日フィンランドがNATOへの加盟申請を行う方針を発表した。この隣国の動きでスウェーデンも一層NATO加盟へ近づいたようだが、書こうと思っていたのは、調査ではNATO加…

重要会議は手漕ぎボートの上で

フィンランドの会社は重要な顧客との会議はサウナの中で行うという話を時々耳にしていたけれど、スウェーデン首相は木製の手漕ぎボートで各国首相と談話するという習慣のあることを昨日知った。 昨日スウェーデンを訪問していたのは英国のボリス・ジョンソン…

スウェーデンに学ぶ、イノベーティブな”休み方” | スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらしvol.8

今月はGW明けの今週、Elleの連載が更新されました。 働いてばかりいてもイノベーティブなアイデアは生まれないのでは、ということと、ヒエラルキーのない職場環境などについて書いています。 スウェーデンで初めて行った面接先の会社で、お茶だしてくれた社…

SASはこの夏、4000便のフライトをキャンセル

SASはこの5月から8月の間の約4000便のフライトをキャンセルした。その理由はパンデミックの時に解雇したパイロットなどの人員の再雇用が十分にできていないことと、購入した新型機の納入が遅れていることにある。 この期間中、SASは75,000便の運行を予定して…

ポッドキャスト人気とそのコンテンツへの責任問題

スウェーデンではポッドキャストの人気は常に高かったが、最新のStatistaの調査によると、世界で最もポッドキャストを聴いているのがスウェーデン人。 世界では2年後には5億人が定期的にポッドキャストを聴くようになり、6年後には950億ドルの産業規模になる…

5枚に1枚のステーキをやめれば、気候変動対策に大きな変化

気候変動対策として肉食をやめる決心のつかない人も、食べている牛肉を5回に1回植物性たんぱくの代替品に変えるだけでも、温室効果ガスの削減に大きな変化をもたらすということが新しい研究で明らかになった。 これはNature誌に掲載されたドイツの研究者によ…

ステッケンヨックの雪の荒野街道 swelog weekend 57

これはアビスコの近くでとった写真でステッケンヨックではないのだけれど、ちょっと荒野感をだしてみました GWに立山黒部アルペンルートの雪の大谷観光にいかれた方もいるのでは? スウェーデンの雪の多い地方でも、この時期スケールの大きい雪の街道作りが…

スウェーデン大手電力企業は小型原子炉SMR導入を前向きに検討

出力が従来型原発の3分の1から4分の1に満たない「小型原子炉SMR」。安全性に優れ、工期が短く、これからの脱炭素社会への鍵を握ると期待され、多くの国で開発が進んでいる。先日は日立製作所とGEの合弁会社がカナダで生産を受注した。 日立製作所とゼネラル…

動物園で子どもにライオンの公開解剖を見せる意味

デンマークのオーデンセ動物園では、教育目的で年に一度ほど死んだ動物を解体して入場客の前でみせている。 先週の日曜日には集まった観客の前でライオンの解体が行われた。このリンクから、ライオンの腹を割いて心臓や腸などを取り出し、その臓器はなんであ…

「無報酬の家事」の現在

以前「名もなき家事をスウェーデンから考える」という記事を書いたことがある。これは各家庭でどのように家事を分担しているかを把握できるスウェーデンのチェックリストの紹介と「無報酬の家事」をする人が家庭内で偏ると、年金などの面で夫婦の間で格差が…

これからロシアはスウェーデンに何を仕掛けてくるのか? まずはナチス呼ばわり

モスクワにあるスウェーデン大使館近くのバス停で、著名なスウェーデン人4名をとりあげて、彼らはナチスだったという大きな広告が張り出されている。 顔写真と共に取り上げられているのは、児童文学作家のアストリッド・リンドグレーン、映画監督のイングマ…

ストックホルムの都市力を下げる住宅事情

ストックホルムはヨーロッパの首都の中では2番めで、一位につけたのはオスロ。 ストックホルムの商工会議所がコンサルティング会社のオックスフォードエコノミックス共同で実施したヨーロッパ各首都の競争力を比較したランキングではそんな結果がでた。 ス…

© Hiromi Blomberg 2023