swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

科学的な根拠は大切だけど、科学的な根拠は時々、ちょっと変わったりもする

この度、科学的根拠に基づき出されていたガイドラインが変わることになったのは、男性のアルコールの摂取量について。SVTが入手した情報によると、社会庁が出している飲酒量のガイドラインが引き締められる予定。 これまでスウェーデンの推奨レベルは他国の…

映画『ブレイキング・ソーシャル』の波、始まる Breaking Social

以前ニュースレターで紹介した、フレドリック・ゲルテン監督によるドキュメンタリー作品『ブレイキング・ソーシャル (Breaking Social) 』のスウェーデンでの一般公開が始まっていて、昨日はルンドの映画館Kinoで、映画の上映とパネルディスカッションが行わ…

コロナの後の眼への影響

7月に日本に帰省した時にはコロナが結構流行っていたけれど、スウェーデンではさっぱりコロナの話は聞かなくなったと思っていたら、昨日は、コロナの後遺症が眼にでて、そこから様々な症状へと繋がっているのではないかとの研究結果が近々発表される、とい…

デンマークはできて、スウェーデンはなぜできない? コーラン焼却行為に関して

デンマークの法務大臣は金曜日に行われた記者会見で、「コーランの焼却は社会の中に不和と増悪を生み出すことだけを目的をした無意味な侮辱的行為だ」と述べ、コーラン焼却行為を禁止する意向について話した。この法案はコーラン、聖書やユダヤ教のトーラー…

北欧通信 116 気候変動のために自己の行動を変える動機となるのはなに?

今週のニュースレターはこちらです。 スウェーデン人の93%は気候変動が私たちの暮らしに影響を及ぼすと考えているが、気候変動のためにはよくないとはわかっていながら行動し、様々な理由をつけて自己のその行動を正当化する。わかってはいても変えることが…

「飛び恥」の現在

スウェーデンの10か所にある空港を発着する飛行機を利用した乗客数は、パンデミックの前の水準に戻った。インフレと戦争の影響があるにもかかわらず、この7月にこれらの空港で飛行機を利用した人は320万人で、昨年同月と比較して14%増加し、2019年10月以降…

通勤が減って二酸化炭素排出量も減っていたが、今はまた戻ってきた

知識と行動についてのラジオ番組の話の前に、もういくつか気になっている統計数字について書いておこう。 1つ目は、ストックホルム圏内では二酸化炭素排出量が減っており、それは人々の通勤が減ったからと伝える記事。ダーゲンス・ニュヘテルの依頼により携…

理解しているだけでは人々の行動は変わらない

火曜日に取り上げた、通勤手段を車から電動アシスト自転車に変えた人のインタビューでも「ガソリン代や駐車場代の大きな節約にもなり、彼女の場合は電動自転車で移動したほうが通勤時間も実は短くなる」と話していたのが、ちょっと気になっていたのだけど、…

すべてが始まった年。そしてスウェーデンのカビ問題

SVTの気候変動問題解説員エリカ・ビェーストロームは、「2023年はすべてが始まった年として記憶されるだろう」と話す。始まったのは、はっきりとは話されていなかったが、奈落へ落ちる8段階だろう。 swelog.miraioffice.com この夏の大規模洪水や森林火災、…

雇用主が従業員に通勤用電動アシスト自転車を提供

こちらは、夏休み前にみかけたニュースなのだけれど、書き忘れたりしないうちに書いておこう。今朝もエルドアンの新たなお小言とか、大バーゲンセール中のスウェーデン・クローナとか、とりあげようかと思うようなニュースがいくらでもでてくるし。 スウェー…

醜悪な花瓶コンテスト

フィンランドのLepaaで毎年開催される園芸に携わるプロフェッショナルのための展示会で「もっとも醜悪な花瓶コンテスト」が実施された。これはどこの家にもある1980年代初頭に出回ったキッチュな花瓶や、トロフィーとしてつくられたとんでも花瓶など、醜い花…

北欧通信 115 女性だけが投票すればどうなるか

今週のニュースレターはこちらです。よろしく! スウェーデンの最新の政党支持率調査では、男女間の政党支持率の差が記録的レベルになった。仮に投票するのが女性だけであれば、政権はがらりと変わる。ところで、あなたはもう『バービー』をみましたか? swe…

ウラン

スウェーデンでは知られているだけでも30ほどの場所にウランがある。そのうちのいくつかの場所は、ウランの濃度は低いが世界最大級であると考えられているが、2018年にスウェーデンでのウランの採掘は禁止された。めでたしめでたし。 なのに、今、政府与党と…

テロ警戒レベル4とは?

英国の外務省が、スウェーデンではテロが起こる可能性が非常に高いとして、スウェーデンへの渡航に際して注意するように自国民に呼びかけても、基準が異なるのでスウェーデン政府からの警戒レベル指標は変わりませんと、クリステルソン首相が話しているを聞…

『戦争のつくりかた』の最後のピースがはまりつつある

遅ればせながら、つい先日『戦争のつくりかた』という絵本にあわせてつくられたアニメーションを見た。 www.youtube.com 日本ではまだ起こっていないことも多いが、戦争に対して常に準備しているスウェーデンでは、ここで挙げられていることはすでに整ってい…

オッペンハイマー 2論、その2

さて、もうひとりの論者はダーゲンス・ニュヘテルの文化局長のビョーン・ヴィーマンで、彼はマンハッタン計画、トリニティ実験が「世界を破滅へと追い込むかもしれない」可能性がありながら進められた当時と、気候変動問題が危険な領域に入っているのに、そ…

オッペンハイマー、2論 その1

この人の書くものならいつでも読んでみたいと思っている人たちが、揃って『オッペンハイマー』について書いていた。いや、正しくはオッペンハイマーの映画そのものを批評しているのではなく、オッペンハイマーを見た後で、この世界の中で見えてくるものにつ…

気候変動懐疑論者とこの夏

雨が少なく暑い日が続いていた5月から6月にかけて出された長期予報では、この夏は猛暑となる見込みで、また2018年と同程度の山火事のリスクがあるとされていたが、実際には雨が多く水害も多い、涼しい日が続いた今年のスウェーデンの夏。 スウェーデンの気候…

北欧通信 114 ハワイ/夏の読書/坂本龍一/バーベンハイマー

久しぶりのニュースレターなのに、スウェーデンについて書いていることといったら「気温が12度で、自転車に乗っていたら手袋がほしくなった」ことくらいですが、よかったらどうぞ。ブログとニュースレターを休んでいた間にやっていたことや考えたことなどに…

なんで長期休暇を取れるの? スウェーデンの夏休み事情 【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.23】

今が夏休み真っ最中な人も、これからが待ち遠しい人も、そして休みはすっかり終わってしまった私のような人にも、スウェーデンの夏休みについてのコラムをどうぞ。 エルで更新されているこの記事へのリンクはこちらから。 www.elle.com スウェーデンでは本格…

© Hiromi Blomberg 2023