swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

科学者だからこそ、アクティビストに

昨日の記事で取り上げたユーロヴィションソングコンテストの生中継ステージに侵入した気候アクティビストは、ルンド大学の博士課程で研究するディビットさんで、彼がSVTの取材に応じていた。 土曜日の事件の後、会場から追放されたディビットさんに関しては…

気候変動アクティビストが人気のテレビ音楽生中継番組に侵入

土曜日の朝にも気候変動アクティビストのポンテュスさんのことを書いたばかりだけど、週末に行われたユーロヴィジョンソングコンテストの予選でも、気候変動アクティビストによる大胆な行動があった。スウェーデンにいる人は、この話みんなもう知っていると…

北欧通信 97 食品ロスは人気のアプリだけでは解決できないよ!

以前にElleの連載でも取り上げた食品ロスへのスウェーデンのスタートアップの取り組み。最近は、以前から人気だったパン屋さん、ケーキ屋さん、レストランやスーパー、コンビニなどで廃棄されるはずの食品を、簡単に購入してピックアップできるアプリの人気…

刑務所で服役する気候変動アクティビストの考え

直接の知り合いではないのだけれど、その存在を知る人が実刑を受け、マルメの刑務所で2ヶ月間服役中だ。 私もよく知るルンドのIT企業で以前は働いていたポンテュスさんが刑務所に入ることになったその理由は、気候変動のためのプロテスト。ポンテュスさんは…

「大戦 storkrig」

数日前に、ウクライナでの戦争を表す言葉として「storkrig(大戦)」という言葉が使われているのに気がついて、あれ、いつからこの戦争をstorkrigって呼ぶようになったのかな? と思っていたら、ロシアの侵攻が始まって一年の今日のニュース特集でも見出しに…

減った新生児の数

2022年にスウェーデンで生まれた新生児の数が前年比で8.3%も減少し、104.734人となった。これは全国的な傾向で、2005年以来これほどまでに新生児の数が減ったことはなかった。 スウェーデン中央統計庁(SCB)は、背後にある要因を正確にいうことは難しいが…

セムラとインフレ、評価テストとお店の売上

昨日は、復活祭の断食の前にたっぷり食べておくという昔の習慣のなごりであるセムラを食べるフェッティスダーゲンと呼ばれる日だった。最近は店頭に並んでいる期間がずいぶん長くなったとはいえ、本来セムラはこの日、この期間だけのお菓子である。 カルダモ…

セカンドハンドショップ絶好調の要因

スウェーデンのErikshäjlpenや赤十字やMyrornaといった大手セカンドハンドショップの売上が伸びている。 この傾向は全国的で、ストックホルムなどの大都市でも、ウプサラやルンドといった学生の多い中都市でも、さらにはもっと小さい地方の小都市でも同じ。…

スウェーデンにサイバーアタックを仕掛ける真の敵は誰か?

この週末、スウェーデン南部にはOtto(オットー)という名の嵐が来て、マルメのカルバアドヒュースの建物を破壊していったが、その他にも、日曜日にはスウェーデンの行政や大手企業のウェブサイトへの広範囲に渡るハッカー攻撃があった。 問題が発生したのは…

北欧通信 96 ソーラーエッグ・サウナ体験記

シェレフテオに行ってきましたよ! 今週のニュースレターは、こちらでの「ソーラーエッグ・サウナ」の体験記です。この記事は読者限定無しで公開していますので、興味のありそうな方にもぜひご紹介ください。 swelog.theletter.jp それにしてもこのソーラー…

子ども家族の「ホームレス」化が増えている

スウェーデンには、ホームレスの数についての実態調査統計はないそうだが、2017年に社会庁が発表した推計では、3万3000人以上が様々な形のホームレス状態にあるとされていた。 スウェーデンの「ホームレス」の定義には、又貸し住宅に住むなど正式な住居への…

PCOS

スウェーデンでは約5%の女性がPCOSと診断されています、と記事に書かれていたのだけれど、PCOSってなんだろう? 日本婦人科医会のホームページによると、PCOSとは以下の通り。 多嚢胞性卵巣症候群 (polycystic ovary syndrome : PCOS)とは、「両側の卵巣が…

水銀を含む蛍光灯の禁止で大幅な省エネを実現、なのだけど。

EUの決定で、スウェーデンでも大きな変化がでそうな話をもうひとつ。 欧州委員会は2022年3月、水銀を含む蛍光灯の段階的な使用禁止を決定した。これは環境とエネルギー政策の面でポジティブな決定だが、スウェーデンでは不動産所有者の多くがまだこの決定に…

ストックホルムで活況を取り戻しつつあるライブミュージック・シーン

過去10年で三分の一が姿を消したとの報道もあったストックホルム中心部のライブミュージック・シーンが、活況を取り戻しつつある。 今年は多くのライブハウスがオープンする予定で、さらには、この変化はストックホルムだけではなく、スウェーデン全国で見ら…

スウェーデンはEUで最低の経済成長予測を心配するべきなのか?

欧州委員会からの最新の発表によると、スウェーデンはEU加盟の27ヵ国のうちで最も経済の成長率が悪くなる見込みだ。2023年の国内総生産はマイナス0.8%との予想で、EU加盟国の中で唯一、マイナス成長になるとされた。 欧州委員会は、スウェーデンの各家庭に…

雪の減った未来に向けて準備するクロスカントリースキー大会

週末のニュースレターに続いて、もう少しだけ暖かい冬の話を。 今週からスウェーデン各地では順番に、子どもたちがウインタースポーツを楽しむためのスポーツ休暇に入るが(今週はヨーテボリを中心とした地方、来週は南部スウェーデン、その次がストックホル…

北欧通信 95 北の国から(とっても怖い)暖冬便り

今日もこちらは最高気温が8度くらいになりそうなのだとか。やっぱり暖冬傾向だなー。 私が自分の肌感覚で、なにかが徹底的に変わってしまったのではないかと感じたのは、スウェーデン各地で暑くなった2018年の夏だったが、この2022/2023年の冬も同じような感…

EUがファストファッション禁止法(?)を準備中

EUがファストファッションを終わらせるための新法を準備していて、これが導入されれば使い捨てが横行するファッション業界の慣行を是正するものになるかもしれない。 スウェーデン環境保護庁でテキスタイル問題を専門に担当するイヴォンヌ・アウグストソンさ…

H&Mの不振と、それがスウェーデン経済に与える影響

気候危機に配慮しながら手頃な価格のファッションを提供するというH&Mの戦略は、うまくいっていない。第二次世界大戦後、スウェーデンの地方都市の1軒の婦人服店から始まったH&Mの成功の歴史は、今難しい時代を迎えている。終焉に向かっているという人もいる…

新しい映画製作補助金制度に再度批判の声

すみません、このニュースに興味があるのは私くらいなのかもしれないけど、前に取り上げたニュースの続報ということでよろしく♡ その前の記事というのはこちらです。 swelog.miraioffice.com 上にリンクをあげた記事は、今年から実施されるこの補助金の大枠…

育児休暇取得のよくない傾向

日本の人から「スウェーデンはほとんどのお父さんが育児休暇を取得するんですよね、すごいですよね。100%ですか?」と聞かれることが時々あるのだけれど、すべての父親が2週間や1ヶ月程度育児休暇をとったところで、男女平等という点ではあまり意味はないし…

トルコ

地震国から来た身としては、トルコとシリアからの地震災害のニュースは他人事とは思えない。 知り合いのトルコ人のご家族は大丈夫なのかと、トルコの地理もよくわかっていないのに気になる。東日本大震災の時に、多くの人が(関西に住む)私の家族のことを気…

永住許可をめぐる移民相の新発言

移民担当大臣が、土曜日のラジオ番組ののインタビュー番で、すべての人の永住許可が取り消されるわけではない、と話していた。 swelog.miraioffice.com 正直に暮らし、スウェーデン語を習得して自活しようと試み、社会に溶け込もうと努力する人は何も心配す…

北欧通信 94 銃撃事件と社会に蔓延するドラッグ問題は、「恥」で解決できるのか?

今週は、今一番の社会問題ではないかと思う、犯罪組織間で頻発する銃撃、銃殺事件と、その背後にある、ごく普通の人の間にも浸透しているスウェーデンでの麻薬の蔓延問題をとりあげています。 swelog.theletter.jp ***** 「北欧通信」はスウェーデンの気にな…

昆虫食陰謀論

スウェーデン最大のスーパーマーケットチェーンICAのレシピサイトで、6年も前から掲載されていたレシピのコメント欄が、今、突然炎上してる。背景には先日開催されたダボス会議に参加するレベルの世界のエリートたちが、一般消費者にわからないように食品に…

インフレと即日融資とギャンブル依存症

インフレや全般的な経済状況の悪化により、ギャンブル依存症になる人が増えるかもしれないということで、アフトンブラデーットがギャンブル依存症の人たちの全国互助組織を訪問して取材をしていた。お金が無い時にギャンブルは「一発あてて、なんとかなるか…

節電のためにリモートワークをやめた人たち

人材派遣のRandstad社が、18歳から67歳の1000人を対象に行なった調査によると、10人に1人は電気代を節約するためにリモートワークを避け会社で働くようにしていると回答した。同じ調査は、また、17%の人が通勤費用を節約するためにリモートワークを選んでい…

最先端の北欧建築! 木造高層ビルとソーラー型サウナに見るサステナブルな未来 【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.17】

スウェーデン北部のシェレフテオにある「サラ文化センター/ウッドホテル」 Visit Skellefteå こんにちは! 2021年10月から、Elle Activeで「スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし」の連載が始まってから、早くも1年半程経ちました。今回17回目…

新生児の名前統計廃止の理由

その年の新生児の名前統計の話題といえば、覚えているのが10年ちょっと前だろうか? 移民の多い都市マルメで、その年に生まれた男の子の名前で一番多かったのが、モハメッドだったというニュース。 この統計はスウェーデン統計局から発表されると毎年話題に…

© Hiromi Blomberg 2023