swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

スウェーデン発ドキュメンタリー『PUSH』で学ぶ住宅問題と国連特別報告者の仕事 swelog weekend

バナナ産業の暗部に迫った『バナナの逆襲』や、車社会の問題点をあぶり出した『Bikes vs Cars 車社会から自転車社会へ』がこれまでに日本でも上映されているスウェーデンのドキュメンタリー監督、フレドリック・ゲルテン。 スラタン・イブラヒモビッチのドキ…

行政ではたらく馬

ストックホルム郊外のソーレントゥーナ・コミューンでは、馬のCaruzoとKarlssonが職員として働いている。 2頭は、はらたく馬として公園の清掃作業などで活躍する。これまで使用していた重機とは異なり、馬は緑地や森を傷つけることもなく、化石燃料も使用せ…

電動自転車補助金で何が変わったのか?

スウェーデンでは去年の9月まで電動自転車を買うと政府の補助金がでた。補助金は電動自転車の価格の25%、最高で1万クローナまで(約11万5000円)だった。2017年9月から2018年の9月までの期間中に8万9396人が申請して、合計3億6800万クローナ(約41億5千万円…

『ミレニアム』権利争奪戦!

先週発売開始された『ミレニアム』シリーズの6作目の『Hon som måste dö (”死ぬべき女”の意味)』。本作はまた4作目からの著者ダヴィド・ラーゲルクランツによる『ミレニアム』としては最終作となることが決まっている。人気のシリーズの続編を書くという大…

王子さまと腎臓移植

スウェーデンの皇太子ヴィクトリアの夫のダニエル。彼がヴィクトリアとの婚約期間中に腎臓移植手術をしたことを覚えている人もいると思う。 腎臓に先天的疾患を抱えていたダニエル王子は、今を遡ること10年前、自身の父親からの腎臓の提供を受けた。 この度…

スウェーデン語になった「ぼかし」が変革する未来?

「ぼかし」と聞いて「無修正」とか「全裸監督」とか連想したした人! 違います!(わはは) 「Bokashi」とは、自分で生ゴミを発酵させてつくる有機栽培に欠かせない肥料のこと。日本では米ぬかなどから作られることが多いこの肥料、スウェーデンにもそのアイ…

子どものための「トランスジェンダー・キャンプ」

スウェーデンのトランスジェンダーのためのグループTranssammansがオーガナイズする、今年で5回となるキャンプ、Transkollo。トランスジェンダー、トランスセクシュアルが一緒にキャンプをしてセミナーやワークショップを行うこのイベント、今年は12歳まで…

ヘンリク・ラーションに思う現代の「超能力」

「批判は喜んでうけよう。しかし中傷や侮辱はもうたくさん。試合に負けたうさをSNSにひどいことを書き込むことではらすバカな奴らにはもうこれ以上付き合っていられない」と、昨日突然ヘルシンボリIFサッカーチームの監督を辞任した往年の人気選手、ヘンリク…

消費税率変更でデジタル本の売上はどうなった?『ミレニアム』最新作の販売価格は? swelog weekend

この7月から税率が25%から6%へと変更されたスウェーデンの電子書籍、オーディオブックの消費税。(変更の背景はこちらの記事をどうぞ) swelog.miraioffice.com 下がった消費税分を価格に反映させ値段を下げたところもあれば、消費者への価格は据え置きで…

自然享受権と「レインボー・ギャザリング」

スウェーデンには自然享受権といって、土地の所有者に損害を与えない限り誰でも他人の土地に立ち入ってその自然の豊かさを楽しむことができるというおおらかな決め事がある。これは法律でも認められた個人に保証された権利。 しかし近年これをいいように解釈…

修行のいらない伝統工芸・ダーラヘストを支える人たち

スウェーデン土産といえばダーラヘスト。 日本の伝統工芸である漆塗り工芸品と同様、ダーラヘストの生産工程も分かれており、工房でざっくり成型された木材は「彫師」に送られ、形を整えられる。馬たちはその後またダーラヘスト工房に送り返され、彩色など複…

GDPRで消えていくクラスの記念写真

去年から導入されたGDPR(ヨーロッパ一般データ保護規則)の影響は様々なところに出てくる。 今週から始まる小学校の新しいクラスでの新学期。これまで新学年の始めにクラス単位で伝統的に行っていた記念撮影を取りやめるコミューンが増えている。 マルメもG…

北極圏でマイクロプラスチックの雪が降る

気候変動の影響でどんどん氷が溶けていっていることを紹介したノルウェー領の北極圏にある群島、スヴァールバル諸島。 今回ドイツとスイスの研究者達が共同で実施した調査で明らかになったのは、その地の雪に驚くほど多くのマイクロプラスティックが含まれて…

休みのことだけ考えて生きていく

今年は日本でも9連休の長いお盆休みだった人が多いのでは? でもそんなお休みも今日で終わり。スウェーデンでも来週からは学校の新学期も始まり、まだすこし夏休みの名残が残っていた空気もガラッと変わっていきそうだ。 しかし仕事だけの毎日なんてつらすぎ…

顔認識によるサービスの向上よりも、普通のサービスでいいから!

昨日のブログ記事で、いつもフィンランドの空港でスキャンしている私の生体認証(指紋認証や顔認識)の情報、誰がアクセスできるかな? と疑問に思ったばかり。 今朝は100万人以上の生体認証データがセキュリティの甘い状態で放置されていたというニュースが…

警察はAI顔認識で犯人を探す

スウェーデンの警察は、犯人と疑わしい人物の画像をAIによる顔認識技術を使って警察の登録簿と照合して見つけ出す実験的なプロジェクトを進めている。 現在テスト中のこのAIによる顔認識技術を使った捜査では、これまでの人力による写真照合調査に比べると、…

3万人の消える仕事

これから2030年にかけての10年で、スウェーデンでは1万1000の小売店がそして3万の仕事がなくなる。スウェーデン商業協会が先日そんなレポートをまとめた。 現在30万人が働く大きな労働市場である小売業界。 衣類、電気など各種の専門店の分野では5万人の仕事…

走り続ける人たち

天気が悪くても、怪我をしていたり気分がすぐれなくても、とにかく毎日1マイル(1.61Km国際ルール)もしくは20分間(スウェーデンルール)走る! そんな人達が増えている。 スウェーデンではRunstreak(ランストリーク)、発祥の地のアメリカではRunning St…

犯罪者を刑務所からだして自宅監視としたい犯罪監督局

スウェーデンでは6ヶ月までの懲役となった犯罪者は、刑務所で過ごすかわりに自宅などで監視されながら刑期を送ることを申請できる。 自宅監視が認められた犯罪者は、電子信号を発生させる足輪をつけスケジュールにそった行動を送ることが課せられる。アメリ…

消えていく埋葬の儀式

スウェーデンでは人が亡くなった後になんの儀式もしないケースが増えている。10年前には2%あたりだったその率は昨年、2018年にはそれまでの4倍の約8%まで伸びた。ストックホルムなどの都会ではその率は約10%で10人に1人の遺灰は火葬場からのそのままお…

アボカドについて知っておきたいこと

私も切らさないようにして、毎日おいしくいただいているアボカド。でもスウェーデンではアボカドは当然のことながら作れないので、いろんな国から輸入されている。 スウェーデンの食材宅配大手のMat.seで見てみると、アボカドはペルー、南アフリカ共和国、メ…

一年で一番読まれた記事10本をまとめました!swelog weekend

無事「毎日更新」を1年続けることができたこのブログ。今日もありがとうございます! 一周年記念に、この一年で一番読まれた記事を10本リストアップしてまとめました。のんびり、ほっこり、でもちょっと未来的なスウェーデンの日常が浮かび上がるようなリス…

ありがとう! みなさんのおかげでswelog1周年!

去年の8月9日にいろんな偶然が重なって書き始めた、ちょっとした驚きをもったスウェーデンのニュースを紹介するブログ、swelog。 おかげさまでこれまで毎日更新して、本日1周年の記念日を迎えることができました。 続けることができたのもアクセスしてく…

ベリーが不作で季節労働者はどうなる?

私達がいただいているスウェーデンの栄養価満載でおいしいブルーベリーやリンゴンベリー。高原や森に入れば野生のベリーが実っているが、散歩やハイキングの途中に楽しみながら摘むのとは異なり、仕事となれば体力的にきついベリー摘みの作業は毎年多くの季…

世界の果てで子供はデジタル・デトックス

夏休みのサマーキャンプや林間学校で、はじめて親元を離れてテントなどに泊まる経験をする子どもたちも多いだろう。私も小学校4年生ぐらいで子供会からキャンプに行き、カレーを作ったりテントに泊まった思い出は今でも鮮やかに残っている。 スウェーデン最…

大人のアイスキャンディ

一体どこで売られていたのか? アルコール入りのアイスキャンディ(アルコール度数5%)がしばらく前から知らないうちにスーパーで販売されていて、また私の知らないうちに「その販売は国営の酒類販売チェーン店であるシステムボラーゲット(Systembolaget…

毎年6万5000台が盗まれる自転車は、自分で守る!

スウェーデン南部は伝統的に自転車の盗難が多い。スウェーデン全国で毎年6万5000台ほどの自転車が盗難にあうそうだが、その多くが南部のスコーネ地方、それもマルメとルンドでの盗難だ。 そこで最近、新手の自転車の盗難が増えている。 それは、電動自転車ま…

ネットショップで買った洋服の返品が引き起こす悪影響

スウェーデンではオープン・ショッピングといって一度購入したものを、破損などの理由がなくても返品できる。 お店によって返品できる期間は違うが、洋服もすごいバーゲンセールでもない限り返品可能。今ちょっと調べてみたら、H&Mではネットショップで買っ…

気候変動と原子力発電と、廃炉が作る未来の仕事 swelog weekend

マルメの人気の海岸からも遠くにバーセベック原子力発電所が望める 日本とスウェーデンではかけ離れている原子力発電の使用状況と国民の態度 「パンが焼けない」で火のついた原子力発電新設の議論 原子力発電は政治的問題から経済合理性の判断へ変わった 気…

市役所で働くロボットたち

私の住んでいるルンド市ではロボットが働いている。そう、市役所にいくとドラえもんに似たロボットが受付にいて「あなたの今日のご用はなんですか?」と聞いてくれる…… わけはなくて、デジタル化が進んでいるスウェーデンで、私は20年住んでいてもそもそも市…

© Hiromi Blomberg 2023