swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

もっとややこしい夏時間

今日から夏時間。この記事を書いてからもう半年経ったとは。 swelog.miraioffice.com そして半年前に参照したダーゲンス・ニュヘテルの記事では「夏時間への変更は2019年が最後の年かも」となっていたが、先週の欧州議会で話あわれたところによると、どうや…

スウェーデンの完全無欠弁当

スウェーデンに引っ越してきてよかったと思うことはいくつかあるが(私は背が高いので服や靴のサイズが合うというのもそのひとつ)、一番気に入っているのはおおらかさというか、その大雑把さだ。 これはもちろん私自身が大雑把だからだが(だから細かいとこ…

アストリッド・リンドグレーンと新しい絵本

この夏、アストリッド・リンドグレーンの文章を使った新しい絵本が2冊出る。 Marit Törnqvist och Maria Nilsson Thore har illustrerat texter av Astrid Lindgren. Pressbild. Bild: Rabén & Sjögren アストリッド・リンドグレーンといえば『長くつ下のピ…

極・冷水浴でパニック障害を克服

長年パニック障害に悩んでいたスコットランド人のデイビスさん。 スウェーデン最北のアビスコで働き始め、氷と雪の中の冷水にゆったりとつかるという習慣を始めたところパニックに襲われることがなくったそうだ。彼女が心静かに体を鎮めるのは0.2度のの冷水…

インフルエンサーの倫理とお金と国税庁

2007年からブログを続け、今、スウェーデンで一番影響力をもつインフルエンサーの一人、アレクサンドラ・”キッシー”・ニルソン。 彼女の悩みは、インフルエンサーとしてどれくらい企業のマーケティング活動に関わっていいのか、その境目が曖昧なこと。消費者…

街からフリーペーパーがなくなる時

長い間スウェーデンのストックホルム、ヨーテボリやマルメといった都市区で、フリーペーパーのMetro(メトロ)は街の風景の一部だった。通勤の際には誰でも手に取る存在だった頃もはるか彼方。広告費がスマホ、デジタルへと移っていったことによる収入減の痛…

GDPRと警察の捜査

警察の犯罪捜査において、インターネット上のデータの足跡を追うことがますます増えているのは想像に難くない。 しかし、警察からインターネット関連企業への要求が昨年から施行されたGDPR(ヨーロッパ一般データ保護規則)の範疇におさまっているかといえば…

ダーゲンス・ニュヘテルとペーテル・ヴォロダルスキ swelog weekend

スウェーデンを代表する新聞ダーゲンス・ニュヘテルで、ペーテル・ヴォロダルスキが政治部責任者になったのは彼が30歳の時。その4年後の2013年、彼はわずか34歳で新聞の主筆・編集長となった。 編集長職とは別に、ダーゲンス・ニュヘテルで毎週日曜日に論説…

インクルーシブな住民登録を考える行政

社会庁が公的機関の統計に男、女だけではなく三番目の性別での登録や集計を提案している。各種統計や登録を行う行政機関が、男女だけではなく他の選択肢が選べるような変更を行い、限定された現在の2つの選択肢では疎外されたように感じる人をなくすのが狙…

スウェーデンで増える「窮屈な家」

スウェーデンの、特にストックホルムなどの都会では4世帯に1つは「窮屈な家」に住んでいる。 寝室を共にするカップルを除けば、家族のひとりひとりに自室があり、それに加えてみんなで使うリビングルームとキッチン。この基準を満たさない住居はスウェーデ…

ひと月で195億円すったスウェーデン人と予想以上の税収入

私企業にもスウェーデン市場でギャンブル事業を許可する形で今年頭から新しくなった賭博規制法。法改正のインパクトが数字としてあがってきた。(変更の主な点はこちらの記事でどうぞ) swelog.miraioffice.com ダーゲンス・ニュヘテルのまとめによると、法…

The Divisionがつくるマルメの輪郭

600 人が働くマルメのゲーム・スタジオ フランスのUbisoft傘下のマルメのスタジオ、Massive(マッシブ)が将来をかけた大作「The Division」を世にだしたのは2016年。先週の金曜日にはゲームの舞台を、ニューヨークからワシントンD.C.に移した続編「The Divi…

トレーニングも仕事の一部

従業員による雇用者評価アンケートで高得点をマークしたスコーネのフォーボー市では、職員はトレーニングの時間を就業時間とすることができる。 スウェーデンの職場では以前から、健康手当としてジムの会員費などを負担してくれるところがほとんど。そこから…

いじめに使われる匿名SNSアプリ

Ask.fm、Kik、Sarashah、そして最近はTellonym。匿名で使えることでいじめの温床となるSNSアプリが流行っては、次へ移っていく。 SNS上では面と向かってよりも簡単にきつい言葉のつぶてを投げることができるが、受けた方は対面以上に傷つくこともあるSNSの世…

リンゴからバイオ・プラスティック

これまでプラスティックが使われていたような包装材や使い捨てのマグカップを、リンゴのカスから作り、使用後は食べることもできる。そんな技術の研究がボロースの大学で行われている。 コーヒーを飲んだ後にデザートにもなるこのマグカップは、リンゴの甘さ…

車と会話するテクニック

信号のない横断歩道などで車が止まってくれるのかどうかを確認したい時、私達は運転手の顔をみて確認しようとしないだろうか?いわゆるアイコンタクトをとり、運転手の意思をくみとろうとする。 この先、車が自動運転化されるだろう未来で、歩行者と車、また…

無人運転トラックが公道へ

スウェーデン中部の都市ヨンショッピングでも、無人運転のトラックが間もなく公道を走り始める。 とはいっても、これはまだプロジェクト段階で、産業地区にある運送会社DBシェンカーの貨物ターミナルと倉庫の間を走ることのみが許可された形だ。監督者が常に…

「アップル税」を訴えるスポティファイ

スポティファイがアップルを欧州委員会の公正取引委員会へ訴えた。 スポティファイ創業者のダニエル・エクがその経緯を自身のブログに書いている。 アップルは、iOSとApp Storeを所有した上で、スポティファイと競合するサービスApple Musicも提供している立…

テレビ司会者と育児休暇

テレビ番組の司会として働くフリーランサーに、育児休暇を契機として契約更新をしないと迫られたと、公共放送SVTが批判を受けている。 SVTの人気のカルチャー番組「コブラ」の司会を勤めていたリナ・トムスゴードは、妊娠していて育児休暇をとるつもりだと伝…

職業性差をうちやぶるには中学生のバイトから

夏休み時期、多くの行政の職員も長い休みをとる状況のなか、市役所の職員にかわる簡単なアルバイトをする中学生、高校生は多い。 ストックホルムに近いウプサラ市では、今年の夏のアルバイトに応募した3000人の中学3年生に、意図的に今の職種による性差をう…

最先端のチップス工場

最先端のゆえんはポテトチップスのフライヤー。 スウェーデンのナチュラル系ポテトチップス大手、Svenska Lantshipsではフライヤーのオイルの加熱に使用するエネルギーを、これまでのガスからペレットの燃焼による水蒸気を使った加熱方式へと変え、化石燃料…

スマホ脳とデジタル・ディシプリン swelog weekend

昨年日本でも話題になった世界的ベストセラー『一流の頭脳』の著者の最新作「Skärmhjärnan(仮訳・スマホ脳)」がスウェーデンで発売されたので早速読んでみた。デジタルデバイスと脳との間で何がおこっているのか?私達大人への、さらに子供の将来への影響…

DNAで作る捜査への似顔絵

新しいDNA鑑定技術の未解決の殺人事件への使用が広がっている。 今、世界中で人気の個人向けDNA鑑定サービスを使って構築の進む世界統合家系図に照らし合わせるといったものや、採取されたDNAから似顔絵を作成するといった試みがそれにあたる。 残されたDNA…

ゆだねる評価

今日は国際女性デー。 世界でも男女平等が進んでいるとされるスウェーデンでも建設業界はまだまだ男性優位の業界だ。 そのスウェーデンの建築・建設業界を代表する大企業 Swecoのトップは実は女性。 28年間、社内の出生街道を登り続けてきオーサ・ベリマンだ…

3Dプリンターで作るライフルとバイアスロン

冬でもほとんど雪の降らない中途半端な北欧に住んでいるせいか、ウインタースポーツからは遠い毎日。今日からスウェーデンのエステルスンドでバイアスロンの世界選手権が行われるのにも、さっき気がついた。 バイアスロン、そうあの射撃とクロスカントリーが…

SNS上の差別を罪として裁く

サッカーが好きなら、去年のW杯ロシア大会のスウェーデン=ドイツ戦で起こったことを覚えている人もいるかもしれない。 スウェーデンチームのジミー・ドゥルマズのファウルによるドイツのフリーキックが決勝点につながり、ドゥルマズはSNS上で人種差別発言と…

マイケル・ジャクソンとドキュメンタリー放送責任者

スウェーデン公共放送SVTは、今夜と木曜日の2日(下記に訂正)に渡ってマイケル・ジャクソンの性的虐待疑惑を扱ったドキュメンタリー『リービング・ネバーランド』を放映する。 ドキュメンタリーはSVTのストーミングサイトSVT Playでも日曜日から視聴可能と…

高齢者と飲酒

高齢になると、アルコールの摂取量が少量であっても病気や事故につながる確率は高くなる。今回まとめられたのは、新しい研究によるものでなく、これまでに発表された数々のレポートから高齢者に限っての成果をまとめた、いわばキュレーション型のレポート。 …

サステインノルディック 持続可能な「北欧」を発信 swelog weekend

The Nordic Report #1 2015年に北欧からの持続可能な生産と消費の事例を世界に向けて発信する目的で始動したのは「サステインノルディック(SUSTAINORDIC)」プロジェクト。 プロジェクトは北欧閣僚理事会からの資金を受け、スウェーデンの建築デザインセンタ…

ヴァーサロペットと罪悪感

今年で95回めを迎えた90キロを駆け抜けるスウェーデンの国民的行事、ヴァーサロペット・クロスカントリー大会。 デンマークと戦おうとして一旦は逃げた王様の伝説が基になっているときいて、なんだかそれはとても大人なバランスで成り立っている行事なのでは…

© Hiromi Blomberg 2023