swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

壮大な社会的マッチングとストレス・コントロール

3月の失業者の数は去年の同時期の12倍以上となる36800人を記録した。 新型コロナの感染拡大状況だけではなく、毎日、その他の領域でも驚くような数字が発表され続けている。政策の方もそれに負けず劣らずの素早い動きで、昨日は失業手当の給付条件が緩和され…

「ソーシャル・ディスタンスはいらない」

「ソーシャル・ディスタンスはいらない」と週末のテレビのコロナ特番で話していたのは、いつもわかりやすい言葉ではっきりと説明してくれて安心感のあるカロリンスカ研究所の上級医師のソー・アレマン。 なんでも変わった方針が好きなスウェーデンの究極の逆…

スウェーデンはアホちゃうか?

新型コロナウイルスへの対処が他国とはかなり異なるスウェーデンを、世界や近隣諸国のメディアがどう報道しているのかを、SVTがまとめていたので紹介します。 このブログはスウェーデンでは「ほんまかいな?」と耳を疑うことが時々起こるので、それを伝えた…

神から呼び戻された? 5000人

今後ますます集中治療室も、医療用機材、用具もそして医師や看護師など医療で働く人も不足することがわかっているストックホルム広域圏では、医療資格を持つが現在は医療で働いていない人や以前に勤務経験がある人から臨時職員を募ったところ、木曜日までに5…

ずっと続く正念場

昨日の夜のニュースで司会者は公衆衛生庁の責任者のアンデシュ・テグネルに、今スウェーデンで誰もが気になっていることをグサリと質問した。 「(スウェーデンだけ社会的隔離も行わず、他の国とずいぶんやり方が違うが)これは正しいのか? 間違っていたら…

Covid-19視覚化の驚き

目に見えないだけによけいおそろしい新型コロナウイルス。 なんとかその姿を捉えようと、テレビやネットのニュースによく出てくるウイルスの顕微鏡写真はもう見たくないという人も多いのではないだろうか? 感染拡大に関するビジュアライゼーションといえば…

グレタの感染と、誰を信頼すればいいのか問題、再び

グレタ・トゥーンベリが「おそらく新型コロナウイルスに感染した思う」とインスタグラムに投稿し、自主隔離とその時の症状を話している。若い彼女の症状は、以前経験したひどい風邪のときよりもましで今はほぼ回復しているそうだ。ちなみに彼女は検査はして…

電話して手紙を書く

少し前からアパートのちょっと年配のお隣さんのために食料品の買物にいっている。 昨日は遅めの時間のほうが空いてるかな? と混み合う夕方は避けて、夜の8時すぎに駅前のスーパーに行ってみたが、学生の多いルンドはこの時間でも若い買い物客で結構混んで…

日曜夜の『Agenda』

普段なら日曜の夜寝る前に、シリアスなニュース番組など絶対見ないけれど、これからしばらくは夜9時すぎに始まるSVTの『Agenda』を見てから床につくことが習慣になりそうだ。 昨日は、ロベーン首相から国民への5分ほどの特別メッセージが放送された後にす…

休日、そして「異常な日常」に備える

昨日の朝、ブログを書いてからは少し新型コロナウイルスのニュースからは離れようと思い、コテンラジオを聴きながら掃除をしたり、料理をしたり、散歩したりして過ごした。 もう一つやったことは、今、別々の用途で使っている2台のMacをきちんと横に並べて…

増えるリモートワークでネット環境は大丈夫か?

新型コロナウイルスの影響で増え続ける自宅からのリモートワーク。 スウェーデンの携帯事業最大手のテリアは、スカイプ、Teams、WebExなど企業が使うクラウドサービスへのトラフィックが500%増加したと話している。 また、マイクロソフトの担当者によると、…

警察の優先順位

昨日の記事で、増え続ける感染者と病欠で減り続ける医療従事者の話を書いた。 夜のニュースでは集中治療室で対応にあたっている看護師が出演して「(人も医療器具も足りないような状態では)誰を優先して対応するかを選ばないといけない」という話をしていた…

野外病院と備えるストックホルム

これから新型コロナウイルスの患者の大幅増加が予測されているストックホルムでは、大規模病院が事態に備えて通常の運営体制を変更し始めた。 ストックホルム広域圏で通常90準備されている集中治療用のベットは、この先1000床は必要となるとみられており、そ…

国家主席疫学官と誰を信頼するか問題

ここ数日、国家主席疫学官(Statsepidemiolog)という肩書をもつアンデシュ・テグネルの顔ばかりみて過ごしている。 普段からそうなのか今の緊急時だからそうなのかは知らないが、国家の危機に際した記者会見に、ポロシャツとくたびれたセーターに色パンとい…

3兆円緊急経済支援のインパクト

昨日スウェーデン政府が発表した一番大きな政治的決定は、3000億クローナの緊急経済支援予算だ。 日常の数百クローナ程度はいちいち日本円に換算しなくても肌感覚でわかるが、ニュースで300ビリヤーデル・クローナ(ビリヤーデルは英語のビリオンと同じ100万…

新型コロナは長期戦へ

朝早く起きてニュースサイトをチェックして、興味をひいたニュースをブログに書く。一年半くらい楽しくやってきたこの朝の習慣が最近ちょっとつらい。 新型コロナウイルスの感染者数が一晩ですごく増えていたり、ここ2,3日は周辺国の国境が急に閉鎖されたり…

パンデミック時代の働き方

これを書いている今は3月15日、日曜日の朝の7時半を少しすぎたところ。 ヨーロッパ周辺諸国の「国ごと閉鎖」や商店営業禁止などの動きに比べると、行動の制限が比較的のんびりしていたスウェーデンでも、先週、公衆衛生庁が「スウェーデンで感染拡大のリス…

スウェーデンの「寒冷浴場」巡り swelog weekend

冷たい水 1999年夏のスウェーデンはいい天気に恵まれ、じっとしていると汗ばむほど。その勢いで誘われるままこの国で初めて行った海水浴で、私は北欧の底力(?)を知ることになった。スウェーデンの海は夏でも冷たい。 太陽が白い砂浜に惜しみなく降り注ぎ…

新型コロナ詐欺

新型コロナウイルスで不安な日々を送る人の心理を逆手にとった詐欺や嘘の情報は増え続ける一方。今、スウェーデンで出回っている詐欺には主に以下の3つだ。くれぐれもご注意を。 1.カロリンスカ研究所・ビットコイン詐欺 今回の感染症への対応をもっと迅…

ジムのお掃除

昨日参加したヨガのレッスンで、いつものように先生が少し体の補正をしてくれたのだけれど、感染症が広がっている今の状況下ではそんな何気ない行為もなんとなく気になってしまう…… 私と同様、そんなことがちょっと気になる人たちに、今スウェーデンではジム…

コロナ特番でわかったこと

昨夜8時から放送されたスウェーデンの公共放送SVTの新型コロナウイルスの特番は、自宅療養する感染患者の家からの生中継で始まった。 イタリアへのスキー旅行からの帰途で初期症状を自覚したシェルさんは、帰宅後すぐに医療機関窓口に連絡。それからは高熱…

アイスランドがまぶしい

アイスランドはかっこいい。 アイスランドには何度誘われてもこれまで行ったこともなかったが、最近アイスランドがまぶしい。アイスランドの雄大さと人工物の少なさとその厳しい冷たさに惹かれる。 そしてアイスランドをまぶしく思うのは私だけでなく、それ…

北の極地のドライブイン・シアター

スウェーデンでも新型コロナ肺炎の感染者が200人を超え、ニュース報道ももちろんコロナ関連のものが増えている。そんな中でものんびりしてるけど驚きのこんなニュースも。 スウェーデンの最北の街、ルーレオからさらに北70キロ、北緯66.2度にあるGunnersbyn…

Clearview AIとスウェーデン警察

Clearview AIはアメリカのスタートアップ企業。 フェイスブックやインスタグラムなどのSNSから集めた顔写真の膨大なデータベースを作成し、主に世界の警察など法執行機関などを顧客としてAIによる顔認識のサービスを提供している。 今年に入ってニューヨーク…

ムーミン一大産業

2000年にスウェーデンに引越してきた当時は、今のような北欧ブームでもなくスウェーデンに関する情報も少なかった。 かつ自分でもスウェーデンとフィンランドの違いもよくわかっていなかったくらいの知識だったので、子供の頃から好きで大人になってからも買…

年金支給額上昇

2021年から、スウェーデンの年金支給額が上がる。今回の変更の対象者は基礎年金を月に9000〜17000(約10.1〜19.4万円)クローナもらっている人達。 上昇額が一番大きくなるのは現在年金を月に11000〜14000クローナ(約12万5千円〜15万8千円)もらっている層…

「スウェーデンはいっぱい、いっぱい」

極右政党スウェーデン民主党の党首、ジミー・オーケソンは目下、ギリシャとの国境にあるトルコの小さな町でビラ配りに従事している。 ビラには「スウェーデンはもういっぱいです。来ないで…(中略)スウェーデン国民とスウェーデン民主党より」と英語で書か…

気候学者のメンタルチェック

自分のよい仕事は、世間への苦言。 毎日刻々と変わる気候問題を研究し、恐ろしい現実と向かい合い、それをわかりやすい形で伝えることに努力したあげく、政治家からの批判にさらされ一般人は耳を傾けない。 そんな毎日を送っている気候問題の研究者は落ち込…

きちんと反論する場

ちょうど1年ほど前、テレビのインタビュー番組で一人の医師の話を聞いたことを発端として私の生活の形が少しづつ変わっていった。そこで話していたのはアンデシュ・ハンセンという精神科医で、話はスマホ、SNSアプリと心身の健康の関連性についてだった。 …

学歴と職業と賃金の男女不平等

男女平等が進んでいるとされるスウェーデンでも、男女間の職業と賃金の関係をみると、女性の多い職業は賃金が低いことにすぐに気がつく。そしてそのような仕事、看護師、教師、ソーシャルワーカーなどは高等教育を必要とすることが多い。 スウェーデンでは早…

© Hiromi Blomberg 2023