swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

失業者の面倒はだれがみる?

スウェーデンのハローワークである雇用サービス局(Arbetsförmedlingen)がゆれている。 デジタル化が進むなど雇用周辺の社会環境が変化してきたことに伴い、政府は雇用サービス局へ予算を削減することをこの今年1月に決定した。当時、雇用サービス局には全…

給食はジビエで

ノールショッピングの学校では、給食でイノシシの肉を提供することを開始した。 少し前に買った『Eat Good』というタイトルの持続可能なレシピとその周辺情報をまとめた料理本でも、肉を食べるなら野生動物の肉を、と書かれており、最近ちょっとジビエが気に…

墓石のリサイクル

いつもルンドの街にでる時には公園のような墓地の中を歩くので、私は結構いろんな(そして立派な)墓石をみている。いつも市の墓地公園課(?)の人達がきれいにお掃除してくれているが(墓地は市営である)、中には長い間お参りする人もいないようなお墓も…

駐車料金でなくす信用、負う借金

200円、300円程度の少額の駐車料金の支払いミスで、高額な利息や手数料を支払わなくてはならないばかりか、自分の信用に傷がつくような事態も引き起こしているスウェーデンの駐車料金アプリ。どういうことなのか? スウェーデンの多くの駐車場では今スマホの…

駐犬小屋と犬の気持ち

最近、スウェーデンの大型スーパーで、買い物している間、一緒についてきた犬を入れておくことのできる駐犬小屋の設置が流行っている。15分3クローナ程度(約60円)で、床暖房と調風設備を完備した小屋に犬を入れておくことができる。 夏に車で来た場合に暑…

スウェーデンのバンライフ

バンライフ=Vanと呼ばれるワーゲンバスを生活の拠点として暮らすこと。 アメリカ西海岸発祥のこの自由なライフスタイルが、スウェーデンにもやってきたようだ(気候はずいぶん異なるが……) SVTが紹介している22歳のアリス・トウネさんは、ストックホルムの…

移動のコストが行動を変える

「人々の行動を変えたいのであれば、「価格」を変更するのが一番」。これはヨーテボリ商科大学の環境経済学のトーマス・ステルネール教授の結論だ。 高いガソリン価格水準に車での移動に依存している田舎に暮らす人からは、これ以上ガソリンが高くなると生活…

6年後の公共放送は?

昨日の国会で、現在の公共放送のサービスがほぼ現状のかたちでこの先6年間も続くことが採決された。穏健党の青年支部や、スウェーデン民主党からは公共放送サービスを大幅に縮小するべきだという声がでていたので、まずは安心した。 今回の採決では、地方の…

企業優遇と消費者の節約・電力編

スウェーデンでは気候危機問題に直接影響する石炭を使った電力発電はほとんど行われていないが、電力全体の使用量を削減する目的で、家庭や中小企業の電力への税金は引き上げられている。電気代が高くなるので、最新の技術で電力消費量を低くした冷蔵庫の購…

MAXハンバーガーへの称賛と非難

ハンバーガーチェーンにはめったに行かないし食べないけれど、スウェーデンオリジナルのチェーンであるMAXバーガーのことは結構好きである。 ハンバーガーチェーンが内包している様々な問題を解決しようと頑張っていると理解している。使っている牛肉はもう…

秋はやってきたばかり?

10月21日、月曜日の朝。ルンドの気温は10度と結構マイルド。 南スウェーデンでも秋も深まっているが、毎年スウェーデンの秋も美しいことをすっかり忘れるので(あー、日が短くなってきた! 冬が近いし、いやだ、いやだ! 、と思っているので……)、毎年「あー…

求む・爆発危険物処理技能員

スウェーデン各地で頻発している爆発物による犯罪。 先週の17日にはストックホルムで一晩に3件もの爆破事件があったし、スウェーデン南部ののスタファンストルプという小さな街でも警察の入っている建物の入り口で爆発事故があった(早朝でけが人などはなか…

「炎上には意味がある」−警察官のツイッターアカウント

ストックホルムの中心、ソーデルマムル地区で勤務する警察官のツイッターアカウントが人気だ。ピューディパイや有名な政治家がずらりを並ぶツイッターのフォロワー数順位でも16位につけており、今16万人のフォロワーがいる。 アカウントは現場の警察官、ヴィ…

再生プラスティックの需用の法則

飲みものなどのペットボトル。この容器の材料として使われる再生プラスティックの価格がヨーロッパでは新生プラスティックより高くなった、と製造材料価格分析会社であるS&Pがレポートにまとめている。 背景には再生プラスティックの需用が増えたことと、新…

年金支給年齢繰り上げは当たり前では?

それまではあまりスウェーデンのニュースに興味のなかった私が、これは社会の動きをもう少しちゃんと抑えておいた方がいいのではないかと思った、そもそものキッカケは年金にまつわるニュースだった。 今から7年ほど前、当時の政権を握っていた穏健党のライ…

「SNSは時間の無駄」という調査結果

スウェーデンでは80%の人がSNSを使っており、学生に限るとその率はほぼ100%。しかし、4割の人はSNSはだだの時間の無駄使いだと思っている。 これは毎年行われている「スウェーデン人とインターネット」調査の最新結果だ。調査ではこれまで使用の有無を尋…

よくわからない5Gのニュース

大きなニュースになっていて話されていることの大枠はわかるものの、実際その中身がよくわからないニュースがある。たとえば、この新しい携帯通信網である5Gとそれを世界へ提供している中国企業のHuawei関連の一連のニュースだ。 以前からHuaweiの提供する…

ストックホルム群島で漁ができない理由

今日の話は「くらげ」です。 ストックホルム群島周辺では何百万というくらげが大量発生中で、その美しさに(!)多くのダイバーを集めている。 繁殖期に好条件(?)が重なり、近年あまりみられたことのない光景が海の中で広がっているそうだ。くらげは桟橋…

再生可能だからといって電力消費を増やしていいのか?

スウェーデンの電力使用量はこの先2045年までに60%増え、この増加分をすべて風力発電で賄うとすると新たに風力発電基が14,400、すべて原子力発電なら今のリングハルス1号基と同じ発電力をもつものが11基必要になる計算だという。これはスウェーデンの経団…

北欧、北極圏と気候危機 swelog weekend

地球全体の気温上昇レベルと比べて、スウェーデンでは気候変動の影響が2倍強くなっている。北極圏の海の氷は1979年と比べて41%も減少しており、今週からストックホルムの北方民族博物館では「氷が溶けていく時」という大型企画展示も始まった。 日本の超大…

国境でのダブル・コントロール開始へ

現在デンマークからスウェーデン南部へ橋やフェリーを使って入国する際には国境検査が行われているが、この11月12日からは、スウェーデン側からデンマーク側に入国する際にも身元確認の実施が決定した。背景にあるのは、今年、デンマークで頻発したスウェー…

土壌分解される木でできたプラスティック

スウェーデン、スンスバル にあるミット大学の研究者たちは、木の繊維質であるセルロースを素材とし土壌で分解するプラスティック素材を開発した。 現在の石油ベースで自然環境のなかでいつまでも分解されないまま残ってしまうプラスティックに替わって使用…

うなぎ

「Ålevangeliet」 スウェーデンでは今年「うなぎ本」が売れに売れて、この本は既に世界30カ国以上に翻訳されることが決まっているが、昨日は別のうなぎの話題がニュースになっていた。 スウェーデンの西海岸ハランド地方の発電所では、現在、絶滅危険種とし…

ボルボにみる「成長と発展」の捉え方

今年の上半期、ボルボは34万台を売り上げてボルボ史上最高の売上を記録した。しかし、同時に750人の人員削減を決定した。販売台数が増え売上も増えても、競合との間での価格競争や新しい関税の適応などが利益を圧迫しコストを削減する必要がある。 会社の「…

スウェーデン語の通じない介護士たち

ストックホルムの介護施設が介護士たちのスウェーデン語の習得度を上げることに力をいれた結果、職場環境、ひいては入居者の満足度にポジティブな影響がでたことがニュースで取り上げられていた。 スウェーデンでも介護士は不足気味で、雇用する側も言葉の問…

デジタル免許証と身分証明証の未来

ノルウェーやフィンランドでは運転免許証がスマホのアプリになった。この10月から、ノルウェーの220万人の免許証保持者は、国内で運転している時にはこれまでのプラスティックのカードの免許証を携帯しなくてもデジタル免許証があればOKとなる。 デジタル免…

旅行手段は環境フットプリントで選ぶ時代へ

スウェーデン政府は、私たちが長距離旅行の手段を選ぶ際、飛行機、電車、バスの気候問題に対する影響を考えて購入できる手段を提供したいと考えている。 具体的には、チケットを購入する際に値段と一緒に気候への影響を数値で表示することを各交通機関に義務…

朝のニュースが解説する女性のオナニーとバイブレーターの使い方

「え、今、オナニーって言った?、新型バイブレーターって言った?」 昨日の朝、作っていた朝食から目を離して慌ててテレビの画面を見れば、時計はまだ6時52分。「こんな時間にオナニーのニュースですか? やるなぁー」と思う私。 つい先程まで、このスウェ…

退屈していた退職者ヤンネさん、学校じいじになる

ヨーテボリに住む79歳にあるヤンネさんは2年前から小学一年生のクラスを「学校じいじ」として手伝っている。毎朝クラスに向かい1人しかいない担任の先生の目の届かないところを手伝っている。 ちょっとサンタクロースのようなお髭のヤンネさんは、子どもた…

風力発電ブームで電気の使い方が変わる

スウェーデンで風力発電所の建設ブームがおきている。 これから2022年までの4年間で、現在スウェーデン全体の発電量の12%を占めている風力発電の割合は25%まで伸びる予定だ。スウェーデンでは来年にかけてリングハルス原子力発電所の2基が操業を止めるこ…

© Hiromi Blomberg 2023