swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

行政アウトソースで粗利を稼ぐ債権回収業者

ビッグ・ブラザーな「王様の執行官」 スウェーデンで、滞納や不払い債権の最終的な徴収の執行と国民の信用情報管理を一手に引き受けるのは、国の官庁であるクロノフォグデン(Kronofogden・国家執行機関)。 日本では、未回収の債権問題は最終的に裁判所に持…

分断されていく学校

機能しない「選択の自由」 スウェーデンでは小学校から、生徒と保護者が望み、枠があいていれば通う学校を選択することができる。 制度は住居地により偏ったバックグランドの生徒ばかりになってしまわないようという意図もあり制定されたものだが、これがう…

「最高の誇りをもってやっていこう、映画業界!」

今年のスウェーデン映画界のアカデミー賞『グルドバッゲ賞(金のカブトムシ賞、すごい名前だ)』を獲得したのは、昨年のカンヌ映画祭で「ある視点大賞」を受賞し、日本でもこの秋公開予定の、不思議な雰囲気を持つ力強い作品、『ボーダー (原題・Gräns)』。 …

鉄道職員にライブカメラを

職員の胸のカメラで乗客をビデオ撮影 ストックホルムの地下鉄やバスを運行する公共交通機関SLでは、車内で乗車チケットの検札を行う職員の胸にライブカメラをつけるテスト運用を行っている。 駅に改札のないこちらの交通機関では、時々車内で抜き打ちのチケ…

「生きがい」があふれる1月

生きがいはこうして見つける 今月末に、カナダ人のジャズ演奏家で生きがいについての講演も精力的に行っているティム・タマシロという人の「HOW to IKIGAI」という本(英語)が出版されるそうだ。 今週末のスウェーデン最大手の新聞ダーゲンス・ニュヘテルに…

タックスヘイヴンなスウェーデン

ニュース番組よりためになるお笑いニュース番組 週末だし、今日は普通のニュースサイトからではなく、私の大好きな『スウェーデンのニュース』という時事風刺お笑い番組のニュースでいこう。 政治社会問題をトコトンおちょくりつつも、いつも「え、そうだっ…

デプラットフォーミングで職を失う

インフルエンサーが排除を呼びかける ツイッター、FacebookといったSNSプラットフォーム上で数十万のフォロワーがいる影響力のあるインフルエンサーが、自分が問題だと思った発言をする人物を排除せよと訴えかけるデプラットフォーミング(Deplatformning)…

看護休暇でオフィス閑散の2月

スウェーデンで、子供一人あたり480日取得できる育児休暇。これと合わせて、小さな子どものいる家庭で両親ともフルタイムレベルの職を持つことを可能にする施策で特筆されるべきは、一般に子供看護休暇(VAB)と呼ばれている制度だ。

ソーシャルワーカーは6+2で働く

厳しい職場環境に働きたい人がいない 今を遡ること3年、スウェーデン北部の都市スンツヴァルでは、ソーシャルワーカーが次々にやめてしまい、新規募集してもだれも応募してこないという最悪の状況に陥っていた。 一番厳しかった時期では三分の一近くの職に人…

電気自動車で消える仕事

8万人が働く自動車部品業界 ボルボも資本は中国に変わったが、生産に必要な技術開発はスウェーデン行われており、自動車産業はスウェーデンの中で重要な地位を占める。 自動車部品製造の業界団体には約350社が参加しており、8万人が働いている。 電気自動車…

発電できても供給できない新しい電力問題

新産業を立ち上げられない現状 都市の拡大やありとあらゆるものの電動化、さらには電気自動車、バッテリー工場、データセンター等、多くの電力を必要とする新分野が立ち上がり必要とされる電力供給量は増える一方。 スウェーデンでは今後の電気の供給が危ぶ…

男性のための駆け込み寺

家庭内暴力や親権など様々な人間関係の問題に悩む女性が相談したり、危機的状況には逃げ込んだりできる相談所は、国の補助もありスウェーデン各地に設置されている。 今はまだプライベートな互助組織であるAkilles(アキレス)は、男性向けの駆け込み寺。5…

全国津々浦々じゃない未来

ひとけのない広大な土地 スウェーデンの国土は日本の1.2倍、人口は12分の1。 狭い島国と言われる日本だって、国土の7, 8割は山地。こちらは山岳地帯は少ないが、北の方にいくとあまりドラマチックでないひらべったい森が延々と続く。 頼りない私ならこんな…

誇大食品パッケージ

あと1時間もすれば国会での首相信任投票がはじまり、4ヶ月以上の空白の時間を経てようやく社会民主党のステファン・ロベーンがスウェーデンの今期首相として選出される見込みだ。 こうなってみると、今回の選挙で17%も得票したにも関わらず、組閣の議論に…

赤肉は一日14グラムで

研究者の警告は一貫している このブログを始めてまだ半年。 その短い期間でもニュースをウォッチしていると、肉食を減らそうという話が環境の面からも健康の面からも繰り返し報道されていることに気づく。 昨日、世界で最も評価されている医学誌の一つ、ラン…

運動格差と学校の役割

昨日はスウェーデンでもイギリスでも政治的に大きな動きがあったが、このブログでは今日も私達の身近な生活のことを書こう。この金曜日にはスウェーデンの政局に関して、ここでも扱えるといいのだが。 一日に1時間以上運動する子供は7人に一人 さて、公衆衛…

高校生の出欠は顔認識で

未来的なスウェーデンの今 プリペイドカードやアプリではなく、体に埋め込んだマイクロチップでの電車乗車がスウェーデンでは2017年から始まっている。よくメディアにも取り上げられているので聞いたことがある人も多いかも。 www.newsweekjapan.jp 顔認証で…

106歳ブロガー・ダグニーの今

日本でも好評の『100歳から始まる人生』 NHK BSの世界のドキュメンタリーでも、2015年スウェーデンSVT局制作の『100歳から始まる人生』が好評で何度も再放映もされている世界最高齢ブロガー、現在106歳のスウェーデン人女性、ダグニー・カールソン。 www6.nh…

スマート家電とDDOS

スウェーデンへのサイバーアタックの増加 少し前に、Youtubeフォロワー数でインドからの強力なライバルに負けそうになっているピューディパイを応援するために、彼のファンたちが世界に散らばるセキュリティの甘いプリンター5万台をハッキングして「ピュー…

公共放送が伝える当たり前のこと

Netflixのドラマを推奨する公共放送 スウェーデンの公共テレビ放送のSVTが「新年の注目エンターテイメント!」として映画やTV番組を紹介する時には、普通にNetflixや民放TV4のおもしろそうなドラマも取り上げる。 公平な立場で国民に有益な情報を伝えるとい…

再選挙の43億円の価値

昨年9月の選挙の後、政権をめぐる状況は未だ膠着しており、再選挙が実施可能であるかの調査が行われた。 現在も続いているノルレーン国会議長がすすめる各党党首との話し合いが収束せず、4回目の国会の首相選出投票でも結果が出なかった場合、4月7日に約4…

H&Mの使い捨てない服と修繕

使い続けるジーンズNudie スウェーデンのオーガニックジーンスブランドのNudieは、購入したジーンズを「永久的に無料でリペア」してくれる。決して安くはないジーンズだが、デニムの風合いも素晴らしいし本当に何度でも無料で修理してくれるのでもうNudieで…

放送事故の普通と危機

放送事故は普通に起こる 電車は遅れ、テレビでは放送事故があり、銀行ATMは使えない。 日本では止まることなどを想定していないで使っていた生活に身近なサービスは、スウェーデンに来てみると、結構普通に障害が起こることがわかった。 不慮の事態はもちろ…

タトゥー大国・スウェーデン

世界一のタトゥー先進国 スウェーデンでちょっとした街を歩くと、結構ここかしこにタトゥーのスタジオがあるのに気がつくだろうし、夏であれば一文字(漢字だったりする)の小さなものから遠山の金さんタイプまで、タトゥーをいれた人が本当に多いのに気づく…

この先が長い人の将来の不安

若い層が一番大変 ストレス研究者のトーレス・テオレルによると、スウェーデンでその変化が目立ってきたのは90年代。その頃から不安や不眠症を訴え、ストレスに悩む若者が増えてきた。 気候温暖化やエネルギー枯渇問題や、大量に行き場を失った難民がやって…

服は買わない、という当たり前

年間一人あたり8キロの衣類が捨てられる ペットボトルやアルミ缶等の回収時の代金払いシステムもあり、プラスティックや金属の資源ごみの再生利用率はかなり高いスウェーデンでも、衣類やテキスタイルの再利用や再生利用は思ったほど進んでいない。 そもそ…

社会的意義のある仕事を求めて

驚くほど多くの人が仕事に意義を見出しているスウェーデン ダーゲンス・ニュヘテルが最近実施した調査によると、スウェーデン人の3分の2が自分の仕事は社会的意義があり、世界をよくすることに貢献していると思うと答えている。この数字、すごく高くないで…

エリート卓球界の闇とメディア

性的嫌がらせで選手生活を終えることを決意 オリンピックレベルでの活躍が期待されていた、スウェーデン女子卓球界の若いエース、エレン・ホルムステンがナショナル・チームの指導者から度重なる性的嫌がらせや性差別を受けていたことを理由として選手活動を…

お正月中のニュース

ニュースメディアもお休み中 スウェーデンでは年明け、祝日なのは基本的に1日のみだが今年は明日の4日の金曜日まで3日間休みをとって7日の月曜日から仕事始めとする人も比較的多いようだ。 テレビや新聞のニュースも、災害や事故などの緊急性の高いもの以…

変わる法律

70の重要な法的変更 2019年の年明けとともに、私達の暮らしに直接の影響を与える多くの法規制が変更される。政府がそのうちの70程を重要な変更としてまとめているが、ここではその中でも特に身近でインパクトのあるものを取り上げよう。 1.受信料から放送…

© Hiromi Blomberg 2023