スウェーデンの三百六十五歩のマーチ
こんにちは! スウェーデンのニュースから毎日ひとつ選んで紹介するブログ「swelog(スウェログ)」を運営しているブロムベリひろみです。
スウェーデンはキャッシュレスが進んで現金が日常生活からほぼ姿を消していたり、育児休暇を少しとるくらいでは誰もほめてくれないほど父親の育児参加が当たり前になっていたり、税金から医療、教育といった情報をすべてマイナンバーで行政が管理していたりする国ですが、みんな結構のんびりゆったり暮らしています。
住んでいる人のうち20%くらいがいわゆる移民ですし、最新の調査では必要があれば原発をもっと作ろう派が4割と多数派で、気候変動が心配だから飛行機には乗らないことがトレンドになったり、投票率が90%近くもあったりする、そんな国です。
最近では、スウェーデンの新型コロナウイルスへの対策が日本でもよく報道されているようです。
私は普段は外国人であることを意識しないほどなごやかにこの国で暮らしていますが、上にあげたように日本とかなりやり方が異なることも多く、スウェーデンにかれこれ20年ほど住んでいても未だに「おっと、そうくるかー? その手があったか!」など驚かされるニュースに出会うことも多いです。
国の成り立ちも大きさも違うので、単純に日本とスウェーデンを比較することはできませんが「こういうやり方もありまっせ、(ちょっと未来的な)こういうことが起こってまっせ」を伝えることで、なにかと閉塞しがちな日本の暮らしへヒントを提供できないだろうかと思い、このブログを書き始めました。
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そして2018年8月にこのブログを始めてから、1000日以上毎日更新してきて今改めて思うのは、よりよい社会を目指すのは本当に手間のかかる大変なことだということです。
私が今この国で、女性であることに肩肘張らずに自然体で働けたり、毎日5時には仕事を終えて夏には1ヶ月の休暇をとったり、病気になることや年金生活者になることをそれほど不安に思わずに暮らしていくことができるのは、意見が通らずともあきらめず、根気よく対立する立場の人とも対話を続け、粘り強く政治や社会を変えようと行動し続けてきたスウェーデン人たちのおかげだと思うようになりました。
世界で一番幸せな人たちと称されることのある北欧人たちも、ゆったりと見えるその表面下で苦しみ、もがき、失敗して、また議論する。そしてよりよい社会にしようとすることをあきらめない。ブログを始めてから、私はそれまでは見えていなかったスウェーデンのそんなよさにも改めて気づかされました。
医療、高齢者、移民、教育など、スウェーデン社会も今、問題がてんこ盛りです。極右もいればテロもある。福祉だって年金だってこの先どうなるかわからないし、一歩足を進めようとして二歩も三歩も後退しているのではないか、と感じる時もあります。
それでも、歩を進めた後にはきれいな花が咲くことを信じて歩む。そんなスウェーデンの三百六十五日を、つっこんだり皮肉ってみたりしながら、楽しくみなさんにお届けできればと思っています。
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(ver.20210616)
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