swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ストライキの件で、テスラがスウェーデン国家を訴える

テスラでのストライキの件の続報。 swelog.theletter.jp 今週ニュースになったのは、テスラが、交通庁を訴えることで、ひいてはスウェーデン国家を訴えたことと、郵便事業を展開するポストノードも訴えた件。 テスラの整備工場で働く人たちが加入するIFメタ…

中学2年生を対象にした民主主義理解度テストで、男女間格差拡大

日本は参加してないそうだが、世界には中学2年生を対象に、民主主義や市民参加についてどれほど理解し、21世紀の市民としての自分の役割を引き受ける準備ができているかについてを調べる、ICCSという調査があるそうで、この程2022年の調査の結果がまとまった…

軍事産業好調、女子中学生の体験入隊のニュースに、自分が受けた平和教育を思う

想像に難くないが、スウェーデンの軍事産業が好調だ。カールスボリで1870年代から弾薬を作っているNammo社では、ロシアのウクライナ侵攻後、北欧各国の軍隊からの注文が相次ぎ、今は人員を倍増させて3交代制でフル稼働している。 ニュースで印象的だったのは…

幸福神話を忘れれば、暗い毎日でも楽しく生きていける

戦争やインフレ、不景気の話がニュースにあふれ、世の中が(物理的にも)真っ暗な今のスウェーデンで幸せを感じることは難しいのだろう。幸せをどう捉えるか、という記事がメディアで目立つ。 医療心理学者のイザベル・ペトリーニ博士は、私たちは幸せでない…

北欧通信 128 2030年のイケア

気候変動、パンデミック、そして戦争。世界で製品の製造と販売を行うイケアは、ここ数年何度もチャレンジに直面したが、今は2030年に達成すべき目標に向かって邁進している。その目標とは、2030年には30億人の顧客を獲得し、気候ニュートラルな企業になるこ…

気候アクティビズムに関する歴史的判決?

昨年の夏ストックホルムの中心地で気候変動アクションのために道路を閉鎖した気候アクティビストは、ストックホルム地裁で有罪だと判決を受けたが、刑罰はなかった。 裁判所は「法制度によって保護されている重要な利益が脅威にさらされており、彼はその危険…

安全性より強欲さが勝つ・Open AI騒動の影で解任された二人の女性取締役

Open AI CEOのサム・アルトマンが解雇されたり復職したり。 この一連の騒動の中で、スウェーデンのメディアはAI研究者のマックス・テグマークに取材しないのかなと思っていたが、昨夜やっとインタビューがでていた。マックス・テグマークはマサチューセッツ…

インタビューに応じない権力者が増えている

恐ろしいほどのジャーナリズムの危機である。スウェーデンでも取材の申込みに応じない権力者が増えている。スウェーデンの主要ニュースメディア5社の責任者が、今の状況を証言している。 権力者たちの今の戦術は、説明責任に応じないといけないのなら、メデ…

へその緒を切るタイミングに関するスウェーデンの研究が未熟児を救う

昨日発表されたBBCの今年の「100 Women (100人の女性)」に、五ノ井里奈さんが選ばれたことが日本でも大きく報道されればいいなと思っているが、今年の100人にスウェーデンから選出されたのは、以前このブログでも取り上げた、世界で初めての女性の骨格をベー…

スウェーデン最大の環境スキャンダル・カリンゲのPFAS

やはり日本で問題になっているのと同じパターンだったのか!と思う。前回PFASの記事を取り上げた時に少し触れたブレーキングのカリンゲでの水道水のPFAS汚染の件だ。 これまでに他にもスウェーデンの湖とバルト海でとれた魚で同様の研究が行われ、やはり高濃…

すっぽんぽんの話題2題。カレンダーと写真展

つい先日までルンドの中央図書館で開催されていた「みんな裸(Alla är vi nakna)」という写真の展覧会で取った写真をどう使おうかと思っていたのだけれど、今日のこのニュースになら合うかもしれない。でも、村民が裸になった写真を使った、ただの(?)おも…

北欧通信 127 ストックホルムの空飛ぶ(ような)電気フェリー

来年の夏、ストックホルムに行く人は特別な体験ができるかもしれない。2024年7月から空中を浮遊するような電気フェリーの試運行が予定されているからだ。電力のボートは既にもう珍しいものではないし、スウェーデンでは数年前から大型電気フェリーも運行して…

備えあれば憂いなし? 戦争に備え、大量負傷者受け入れ演習を行うスウェーデンの病院

ストックホルムの南部広域医療病院(Södersjukhuset)で、スウェーデンが戦争状態にあり、攻撃で負傷した人を一度に大量に受け入れるという想定の演習が行われた。 水曜日に行われたこの90分に渡る演習では、血糊で重症者に扮したエキストラ27人が、主にヘリ…

涙と冷笑

水曜日の国会で、社会民主党党首で元首相のマグダレーナ・アンデションが、穏健党党首で現首相のウルフ・クリステルションとの答弁の最中に泣き出しそうになったことから、SNSは彼女を嘲笑う投稿であふれた。 www.dn.se クリステルションは、社会民主党のジ…

増幅されるステレオタイプ。フィンランド人は大酒飲みか?

ストックホルム大学でアルコールと薬物について研究しているユッカ・トーレネン教授の話が興味深い。彼はフィンランド人は酒ばかり飲んでいるというステレオタイプがどのように作られたかを知っているし、スウェーデンに住むようになったフィンランド人がど…

フェイスブックやインスタグラムでの、広告なし課金サービスの真の意図

久しぶりにインスタグラムを使おうと思ったら「課金すると広告がなくなります。これまで通り無料でも使えますが、その場合広告があります」みたいなメッセージがでた。ああ、これがニュースでやってた、メタのGDPR対策か。ついに始まったなか、と思いながら…

気候温暖化は火山噴火の頻度も高める

いくら地球が温暖化したからといって火山噴火の頻度まで高まるなんて、それはないんじゃない、ほんまかいな! と記事を読み始めて3行目でその理由がわかった。アイスランドは目下、大規模な火山噴火の危機にさらされているが、今後も、より頻繁に、またより…

気候環境大臣が人気のインフルエンサーを批判して炎上

金曜日のダーゲンス・インダストリで公開されたロング・インタビューで、気候環境大臣のロミーナ・ポルモクタリが、人気絶大のインフルエンサーのビアンカ・イングロッソを名指しで批判したことから、ちょっとした騒ぎが沸き起こっている。「全員に好きにな…

北欧通信 126 イーロン・マスクとスウェーデンの労働組合の戦い。テスラで長引くストライキ。クラーナも?

今朝配信した今週のニュースレターはこちら! 労働者と雇用主間で結ばれた労働協定により、スウェーデンの労使間では対立よりも対話が望まれ、ストライキもめったにないと、今週公開されたElleのコラムでも書いたばかりだが、なんと今、簡単には解決しそうに…

幸せとは何かを北欧の研究者が解説

幸せとは環境的条件のみで決まるものではなく、個々人の捉え方である。同じような環境に身をおいていても幸せな人もいれば、不幸せな人もいる。 オスロ大学の心理学研究者エスペン・ロイサム教授は、私たちの主観的幸福感は、遺伝や様々な要因に基づくことを…

SVTの歴史大作番組『スウェーデンについての歴史の話』に驚く

Photo:SVT 冒頭、約6000年前にスウェーデン南部に農耕とともにやってきたとして登場した人たちが「片岡鶴太郎とシャルロット・ゲンズブールに似てる」と思ったら(個人の感想です☺︎)、その後登場した約1万4500年前にそれまでは氷で覆われていたスウェーデン…

デモやストライキで社会は変わる? 立場の弱い人ほど団結すべき理由 【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.26】

アマゾン労働組合創設者クリス・スモールズ。『Breaking Social(ブレーキング・ソーシャル)』より JANICE D'AVILA 今月のElleの連載はずばり、ストライキ!書いてて自分が元気づけられた。何事に対しても、絶望したり悲観的になったりしてしまいがちだけど…

北欧以外のもっと南の国でもオーロラ

北欧の国々でおなじみの冬の風物詩のオーロラが、最近もっと南の国々でも観測されている。 オーロラの観測が報告されているのはスロバキア、クロアチア、ウクライナやドイツなどで、このような国々でオーロラが見えるのは、非常に珍しいことだが、実は今回が…

ノーベル平和賞のナルゲス・モハンマディが獄中でハンガーストライキ

イランで長年、女性の権利や死刑廃止を訴え、現在は刑務所で服役中の人権活動家ナルゲス・モハンマディさん。今年のノーベル平和賞の受賞者となった彼女だが、目下獄中でハンガーストライキに入っていることを、彼女の本を出しているスウェーデンの出版社の…

グリーンなアスファルトはサウナの香りで

ウクライナとロシア、そしてイスラエルとハマスの戦争も膠着して長引きそうだとニュースは伝える。パレスチナへの爆撃をやめろとイスラエルに抗議する大規模デモが各地で開催される一方で、ヨーロッパ各国でユダヤ人へのヘイトクライムは激増している 。ふと…

小児科学会が「2歳未満の子どもはスクリーンタイムなし」を推奨

スウェーデン公衆衛生庁は現在、スマホやタブレットなどのスクリーンタイムはどうあるべきかを調査、推奨内容を策定中だが、おそらくあと1年か2年はかかるだろうその作業の完成を黙って待っていることはできないと、この度、スウェーデン小児科学会が発表…

北欧通信 125 北欧各国でも異なる、中絶をめぐる法規と議論

今週のレターはこちらの内容です。 一般的に社会民主主義的な価値観が浸透しており、リベラルなものの考え方をする人が多い北欧諸国だが、細かい政策をみていくと各国で違っていることもよくある。今回は中絶を取り巻く各国の現行法と、現在進行中の議論を紹…

極右政党党首のAIによるアラビア語スピーチに間違いがあってもOKな理由

木曜日の夕方にスウェーデン民主党は、AIを使ってアラビア語に吹き替えられたジミー・オーケソン党首のスピーチをYouTubeで公開した。内容は数週間前にスウェーデン語で行ったものと同じで、スウェーデンに適応できない人はここに来るな、そんな人はスウェー…

テロの脅威とバッグ持ち込み禁止令

8月には、既にスウェーデンのテロ脅威レベルは5段階評価で3から4に引き上げられていたので、いつこんなことが起こっても不思議ではなかったのだけれど、水曜日に突然、スポーツや音楽などの大きなイベントへのバッグの持ち込みが禁止された。 swelog.mir…

Hövdingのニュース

私のHövdingは、おばあちゃんを避けようとしてよろけた時に爆発してしまい、2回めに買おうと思ったときには高すぎて、それ以来自転車に乗るときには普通のヘルメットを被っている。でもまたいつか、Hövdingの価格が下がったり、より軽量になったりした時に…

© Hiromi Blomberg 2023