swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

環境・気候危機

ノルドストリームの深刻な温室効果ガス排出量

ノルドストリームのガス漏れは、スウェーデン全体が1年間に排出するのと同量の温室効果ガスが放出されてしまった可能性のあることを研究者たちが指摘している。 ノルドストリーム社がデンマーク政府に提供した情報では、このガスパイプラインには約7億7800…

既に超えた? 5つのティッピングポイント

人々が戦争したり銃で撃ちあったりしている間にも気候危機はどんどん進んでおり、この度ストックホルム・レジリエンスセンターの研究者がサイエンス誌に発表した研究結果は、5つの分野で既にティッピングポイントを超えてしまった可能性があることを指摘し…

今回の選挙と気候危機

4年に1度の統一選挙まであと4日と迫った昨日の夜、右派左派陣営のトップによるテレビ討論会があった。マグダレーナ・アンデション首相と右派陣営をまとめる穏健党党首のウルフ・クリステルションの間でもっとも熱く議論されたのは、電気料金、私立学校の利…

ポプラからコットン

ポプラの木からからコットンに似た繊維をつくるプロジェクトがスウェーデンで進んでいる。スウェーデン農業科学大学とストックホルム大学が共同で進めているこの研究では、ポプラの木からコットンに似た素材をつくる。成功すればポプラが世界の綿花生産の半…

今の熱波と、奈落に落ちるまでの実況中継

今これを書いているのは火曜日の朝の5時だが、夜中の3時頃にSASのストライキが終わったことが、SVTのサイトにアップされていた。今年の夏休みの客にはなにはともあれよかったのだろうけど、この先SASはいったいどうなるのか…? そして目下ヨーロッパ各国を襲…

EUのタクソノミーの件でスウェーデンでの原子力発電への投資も加速しそうな件

EU主導で未来の枠組みを創っていく感じには、これまで感心することが多かったのだけれども、この水曜日の「原子力発電と天然ガスをグリーンエネルギーとして分類します」認定には「ちょっと待ってよ!」感が強すぎる。 EUは温暖化ガスの排出量を2050年…

死んでいく氷河のために、今できること|スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらしvol.10

Elleの連載、今回は氷が溶けていく話です…… この100年でスウェーデン国土にあった氷河の約3分の1が溶けてしまった。スウェーデンで一番高い山、ケブネカイセの山頂は氷河に覆われているが、2019年の夏には最高峰であった南頂の氷河の融解が進んだため、北頂…

すべてが悪い方向に向かっている時に悲観主義は役に立つのだろうか?

賃金格差、健康格差が広がってしまった話を一昨日、昨日とこのブログに書いていたら、アメリカでは昨日連邦最高裁が人工中絶権の合憲性を認めないという判決がでた。そして、今日のニュースは、スウェーデンでの温室効果ガスが増加したというものだ。排出量…

人々はなぜ事実から目をそらし、環境党を毛嫌いするのか

スウェーデンの国会議員を選ぶ選挙では、政党として最低4%の支持率を得なければ議席を獲得できないという決まりある。ここしばらく、世論調査では環境党の支持率は4%を下回っており、9月の選挙以降は環境党議員が国会からいなくなってしまうことも起こりう…

エーランド島で数千の新種の昆虫が見つかる

スウェーデンではこれまでに確認されていなかった2300種以上の新種の昆虫が見つかった。これらの中にはまだ名前もなく、説明もされていないものもある。 2003年から大規模な昆虫採集の研究を行っていたのはエーランド島にあるステーション・リンネ(Station …

「ニレの木の戦い」と2022年の市民的不服従とエコサイド

昨日配信したニュースレターで取り上げた「ストックホルム+50」関連の論評で、50年前の市民的不服従と今日の市民的不服従を比較して取り上げているものがあったので紹介したい。書いているのはダーゲンス・ニュヘテルの文化編集局長ビョーン・ヴィーマンだ。…

ストックホルム+50 swelog weekend 61

今週は6月2-3日に開催された国際環境会議「ストックホルム+50」に関して書いてます。 swelog.theletter.jp 「あまりにも準備不足で、明確な目標もない」。開催前から批判的な声ばかりが聞こえてきた国際環境会議「ストックホルム+50」。各国の首脳級閣僚も集…

スウェーデンの洋上風力発電パークにゴーサイン swelog weekend 59

本日購読者の皆さまのお手元に届いたのは、超大型洋上風力発電パーク計画に関する記事です。デンマークとドイツとスウェーデンの中間にある浅瀬に、すでにドイツとデンマークは大型発電パークを建設して稼働させていましたが、この度やっとスウェーデンも建…

5枚に1枚のステーキをやめれば、気候変動対策に大きな変化

気候変動対策として肉食をやめる決心のつかない人も、食べている牛肉を5回に1回植物性たんぱくの代替品に変えるだけでも、温室効果ガスの削減に大きな変化をもたらすということが新しい研究で明らかになった。 これはNature誌に掲載されたドイツの研究者によ…

スウェーデン大手電力会社は小型原子炉SMR導入を前向きに検討

出力が従来型原発の3分の1から4分の1に満たない「小型原子炉SMR」。安全性に優れ、工期が短く、これからの脱炭素社会への鍵を握ると期待され、多くの国で開発が進んでいる。先日は日立製作所とGEの合弁会社がカナダで生産を受注した。 日立製作所とゼネラル…

大手スーパーは食品ロス半減の早期達成を目指す

スウェーデンの5つの大手スーパーは、国連の持続可能な開発目標から5年早く、2025年までに食品廃棄物量の半減を目指している。 ストックホルムのハーガスターデンにあるCoopでは、賞味期限が切れそうな食品で惣菜をつくって売るだけではなく、レストランも…

戦争の影の気候危機 swelog weekend 53

本日配信したニュースレターでは、IPCCの最新の報告書とスウェーデンの関係について取り上げています。 swelog.theletter.jp 「swelog weekend」はスウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるswelogのブロムベリひろみがお届けするニュースレターです。一週…

『HISTORJÁ』とブリッタ・マラカット・ラッバ

先週のこの記事で予告編へのリンクを張った『HISTORJÁ』を観てきた。 swelog.miraioffice.com ”『HISTORJÁ 』というサーミ文化の歴史、そのスウェーデン政府との闘い、そして今は世界的な気候危機によっても脅かされるトナカイの牧畜の闘いに関するドキュメ…

グレタ・トゥーンベリと今の世界

アフトンブラーデット紙のコラムニストが、昨日のストックホルムの世界気候アクション、FridaysForFuture(未来のための金曜日)のデモについて書いていた。 スウェーデンの国会議事堂前から出発したこのデモにグレタと一緒参加した人は約2500人。2019年9月…

「スウェーデンは自然に対して戦争を仕掛け続けている」

「スウェーデンは環境と人権におけるリーダーであるように振る舞っているが、国内では先住民の権利を侵害し、自然への戦争を仕掛け続けている。世界はこのことを忘れることはないだろう」とツイートしたのは、グレタ・トゥーンベリ。 Sweden today confirmed…

グリーンな出張特化旅行代理店

スタートアップ企業のAllihop Travelは、これからの出張のあり方を根本から変えたいと考えている。Allihopが提供するのは、鉄道、バス、カーシェアリングや自転車などの予約サービスで、航空券やレンタカーは扱わない。 出張の移動手段といえばこれまで飛行…

広告オンブズマンが監視する「グリーンウォッシュ」

ここ数年で、食品の容器もまた表記も気候危機への配慮が感じられるものや、謳ったものがずいぶん増えた。ポテトチップスがやめられない私は、最近の袋には「従来の包装と比べてCO2を50%削減」などの表記に気がつくことになる。このポテチ袋の言及には問題は…

インターネットで街を暖める

一年ほど前のブログでは、世界中のデータセンターで消費されるエネルギーの総量は発電量全体の1〜2%を占めると推定されており、2030年までには4%近くにまであがる見込みと書いたけれど、今朝読んだ記事では、世界には900万のサーバーホールがあり、その…

若者たちへの気候不安対処セラピー

これだけ気候危機への対処が必要なことが明らかとなっている今でも、平気な顔でこれまで通りの生活を続ける人もいれば、不安に押しつぶされそうになりながら暮らしている人もいる。 後者は特に若者に多く、昨年オーストラリア、ブラジル、フィンランド、アメ…

魚農場 swelog weekend 42

swelog weekend nr 42 〈今週のトピック〉 魚農場〈今週のブログ記事〉 電気料金高騰、我が家の場合〈今週のスウェ推し〉 優れものスウェーデン語学習教材 swelog.theletter.jp 今週は農場で魚を育てるお話です。 気候危機に対応するために、肉にかわるタン…

公共調達でCO2削減を swelog weekend 41

swelog weekend nr 41 〈今週のトピック〉 公共調達でCO2削減を〈今週のブログ記事〉 みんなコロナに〈今週のスウェ推し〉 自然な歯の色 swelog.theletter.jp 今週は今年考えたい新しいダイエット目標について。 新しい年、新しい目標。2022年は、自分の体重…

大企業経営者のための気候変動学校

ストックホルム・レジリエンスセンターは大企業の経営幹部のみを対象とした気候変動に関するトレーニングを提供している。 2018年以降、これまでに約60名が参加したこのコースに参加できるのは、ボルボやH&M、ElecroluxにInvestorといった大企業のCEOと会長…

価値あるウクライナの自然林からの木材がIKEAの家具に

土曜日の朝は、スウェーデン最大のニュースサイトでタブロイド紙のアフトンブラーデットからニュースをひとつ選ぼうと決めてから、週末の朝も早起きがちょっと楽しみに。普段は読まないゴシップやスポーツの話題が満載。今週は「人気の各種包丁の商品評価」…

スウェーデンの風力発電推進の鍵を握る中国マネー

中国はグリーンエネルギーで世界をリードすることを誓い、スウェーデンは世界で最初のカーボン・ニュートラルな国の一つとなることを目指す。そんな両国の思惑が重なり合い、今スウェーデン最北部で着々と建設されているヨーロッパ最大規模の風力発電パーク…

2.7度から1.9度へ

「私たちは危険に満ちているが壊滅的ではない未来に向かって進んでいる」とは、COP26が閉幕した後のヨハン・ロックストロームの言葉。 今回の気候サミットでの結果は成功とも失敗とも言えないと彼は言う。今回の取り決めに各国が忠実に従うならば、危機は至…

© Hiromi Blomberg 2022