swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

環境・気候危機

スウェーデンの環境アクティビズムはここから始まった!「ニレの木の戦い」と市民的不服従とは?【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.25】

本日10月1日公開のElleのラーゴム連載記事、今回は「ニレの木の戦い」の話です! 神宮外苑の再開発計画とそれに反対する市民のデモ活動のニュースをスウェーデンから見ていると、時と場所は違えども、樹木の尊さはいつの時代も私たちを結びつけ行動させる原…

パリ協定を守るためのワードローブ計画は85着で

大手セカンドハンドショップ、Myrornaの調べによると、スウェーデン人は年に50着の服を買うそうだ。ファッション業界は世界の排出量の10%ほどを占めていると言われており、世界の繊維生産量は2000年から2015年の間だけでもほぼ倍増した。 ベルリンのHot or …

気候変動と住宅ローン

この夏ハワイに行った時、赤道近くなのに猛暑とかに襲われることもなく、気持ちのいい気候ままでいいなぁと思ったのだけど、いや、これらの島は水没していく可能性があることを海岸線に並びたつ、大きなお家の前を車で走りながら教えてもらった。 スウェーデ…

北欧通信 120 あれから5年、何が変わった?

この週末もストックホルムをはじめ、スウェーデンそして世界各地で気候変動のためのデモが行われているが、今年は2018年にグレタ・トゥーンベリが国会議事堂前でひとりで学校ストライキを始めてから5年ということで、様々なインタビューや取材記事などがメ…

新しく発表された予算案では気候変動目標は達成できない

スウェーデンは「SDGs達成度ランキング」では世界2位だそうだが、そのスウェーデンでさえ気候変動に関する目標では進展が遅く、または後退している。昨日発表された政府の予算案では、スウェーデンの気候変動対策予算は193億クローナ(約2561億円)にとど…

過半数のスウェーデン人は市民的不服従に否定的だけど

SVTとKantar Publicが、18歳から79歳のスウェーデン人1118人を対象に行なったインタビュー調査では、53%が政治や政府の決定を変えるために法律を破る市民的不服従活動に、とても、もしくはかなり否定的な考えを持っていることがわかった。 市民的不服従をと…

市民的不服従のためのトレーニング

人気テレビの生中継番組に横断幕を持って侵入したり、国会で講義の叫び声を上げて引きずり出されたり。 このブログを読んでくれている人にはおなじみのアクティビストグループ「湿地帯を回復せよ」が、この週末のWeek of Actionなどで計画している「高速道路…

北欧通信 118 Week of Action! と「ママたちの気候正義座り込みデモ」

来る9月15日(金)から22日(金)は社会と気候正義のための行動週間、Week of Action。スウェーデンでは100を超えるNGOや各種団体が、社会と気候正義のためのアクションを呼びかけているが、とりわけ注目したいのが「反抗するママたち」の気候正義座り込みデ…

フィンランドの大量のプラスティックゴミをスウェーデンで再生

マルメで稼働している最新式のテキスタイルの再生用選別工場のことをエルの連載で取り上げたことがあるけど、先日ニュースになっていたのは、モタラ(Motala)という街にできる「Site Zero」というプラスティックゴミの選別・再生工場。 11月から稼働する予…

アビスコの「北極を感じる」アートが気になる Sensing the Arctic

5_SensingTheArctic_Photo_Jean-BaptisteBeranger スウェーデンの最高峰キブネカイセの溶けていく氷河にカバーをかけてみたり、気候問題を話し合うための黄金に輝く卵型のサウナ、ソーラーエッグを作ったりと、気候危機問題にとことんコミットしているアーテ…

北欧通信 116 気候変動のために自己の行動を変える動機となるのはなに?

今週のニュースレターはこちらです。 スウェーデン人の93%は気候変動が私たちの暮らしに影響を及ぼすと考えているが、気候変動のためにはよくないとはわかっていながら行動し、様々な理由をつけて自己のその行動を正当化する。わかってはいても変えることが…

「飛び恥」の現在

スウェーデンの10か所にある空港を発着する飛行機を利用した乗客数は、パンデミックの前の水準に戻った。インフレと戦争の影響があるにもかかわらず、この7月にこれらの空港で飛行機を利用した人は320万人で、昨年同月と比較して14%増加し、2019年10月以降…

通勤が減って二酸化炭素排出量も減っていたが、今はまた戻ってきた

知識と行動についてのラジオ番組の話の前に、もういくつか気になっている統計数字について書いておこう。 1つ目は、ストックホルム圏内では二酸化炭素排出量が減っており、それは人々の通勤が減ったからと伝える記事。ダーゲンス・ニュヘテルの依頼により携…

理解しているだけでは人々の行動は変わらない

火曜日に取り上げた、通勤手段を車から電動アシスト自転車に変えた人のインタビューでも「ガソリン代や駐車場代の大きな節約にもなり、彼女の場合は電動自転車で移動したほうが通勤時間も実は短くなる」と話していたのが、ちょっと気になっていたのだけど、…

すべてが始まった年。そしてスウェーデンのカビ問題

SVTの気候変動問題解説員エリカ・ビェーストロームは、「2023年はすべてが始まった年として記憶されるだろう」と話す。始まったのは、はっきりとは話されていなかったが、奈落へ落ちる8段階だろう。 swelog.miraioffice.com この夏の大規模洪水や森林火災、…

雇用主が従業員に通勤用電動アシスト自転車を提供

こちらは、夏休み前にみかけたニュースなのだけれど、書き忘れたりしないうちに書いておこう。今朝もエルドアンの新たなお小言とか、大バーゲンセール中のスウェーデン・クローナとか、とりあげようかと思うようなニュースがいくらでもでてくるし。 スウェー…

オッペンハイマー 2論、その2

さて、もうひとりの論者はダーゲンス・ニュヘテルの文化局長のビョーン・ヴィーマンで、彼はマンハッタン計画、トリニティ実験が「世界を破滅へと追い込むかもしれない」可能性がありながら進められた当時と、気候変動問題が危険な領域に入っているのに、そ…

気候変動懐疑論者とこの夏

雨が少なく暑い日が続いていた5月から6月にかけて出された長期予報では、この夏は猛暑となる見込みで、また2018年と同程度の山火事のリスクがあるとされていたが、実際には雨が多く水害も多い、涼しい日が続いた今年のスウェーデンの夏。 スウェーデンの気候…

北欧通信 112 スウェーデンのベスト・モビリティシティ

今週は、先週は先週のびっくりタイトルとはうって変わって、堅調な感じのこちらの話題。 ふざけた話から真面目なものまで、幅広くお届けしております☺︎ わはは。よろしく! 2030年の気候目標を達成するために各都市が果たすべき役割は大きい。インフラを整備…

グレタとパティ・スミス

グレタ・トゥーンベリが高校を卒業したので、気候危機のための「学校ストライキ」からの卒業、というニュース、もう皆さんも既に目にしたかも。最後の学校ストライキとなった昨日のFridays for Futureデモに、グレタに敬意を表すためにパティ・スミスが現場…

夏フェスと駐車場と二酸化炭素排出量

イギリスで発表された新しい研究では、夏の音楽フェスティバル会場で提供される駐車場のスペースを削減することで、どれくらい二酸化炭素排出量を削減できるかを調べた。 マンチェスター大学ティンダルセンターの研究者は「車の使用、炭素、フェスティバル」…

本当に危険な気候テロリストは誰か?

昨日ロレーンの記事を紹介した時に、彼女のスウェーデンでの予選時にテレビ生中継に乱入した気候アクティビストのことに触れたが、同じアクティビストたちが先週また違うテレビの生中継番組に乱入していた話を取り上げる機会を逸していた。 swelog.miraioffi…

気候と地球の「正義限界点」はとうに超えている

水曜日にNatureに掲載された、この新しい研究結果に世界でどれだけの注目が集まるだろうか? ヨハン・ロックストロームを始めとする世界から50人の科学者が3年掛けてまとめたこのレポートは、今のところは豊かな北半球に住む多くの人にはあまり影響はないが…

【スウェーデン流・気候変動に対するサステナブルアクション11】ペットボトル回収から環境に配慮したホテルステイまで

いつもコラムを連載させていただいているELLE ACTIVE! For SDGsで、スウェーデンでのサステナブルアクション紹介しています。どうぞよろしくー。 スウェーデン在住のコラムニスト・ブロムベリひろみさんが、現地で暮らし、環境認定マーク付きの電車で旅をし…

国を訴えて、王様から表彰される

この度、スウェーデン国王から勇気、思考、行動の伴った若者へ送られるKompassrosen賞で表彰された19歳のアンドレアス・マグナソンは、気候アクティビスト。この賞は国王の財団「Ungt Legarskap(ヤング・リーダーシップ)」から毎年5人の目覚ましい活動を行…

今、すでに、もう

早ければ、もうすでにこの夏、世界はパリ協定の1.5度の温暖目標を超えてしまう可能性があることをSVTの気候変動問題解説員、エリカ・ビェーストロームが伝えている。私がこのブログを書き始めるきっかけにもなり、スウェーデンで700人が暑さを要因とするスト…

北欧通信 107 あなたの家具の二酸化炭素排出量

今週のニュースレターではマルメで目下開催中の展示会について取り上げています。 マルメのフォルムデサインセンター(Form/Design Center)で、素材と二酸化炭素排出量に関するミニ展示会が開催中だ。昔ながらの木でできた椅子と金属パイプとレザーを使った…

北欧通信 105 アースデイ / ストックホルムの自転車事情

昨日、4月22日はアースデイだった。それに合わせて参加したエルのアースデイ企画の紹介と、今週はストックホルムへも行ったので、そこで見た最新自転車状況のレポートも合わせてどうぞ。 swelog.theletter.jp ***** 「北欧通信」はスウェーデンの気になるニ…

気候政策をリードするEU。遅れるスウェーデンにロックストロームが警告

昨日は私のヒーローが朝のテレビニュースに出ていた。 タイム誌の2023年の「世界で最も影響力のある100人」のうちの一人としても選ばれた、環境科学研究者のヨハン・ロックストロームは、スウェーデンはとても危険な状態にあると警告する。 time.com 彼は、E…

ヨーロッパで気温が50度を超える日もそんなに遠くない

EUの環境モニタリングプログラム「コペルニクス」がまとめたところによると、2022年の夏は数多くの気象記録が更新され、1979年にコペルニクスの測定が始まって以来2番めに暑い夏を記録した。ヨーロッパの気温は世界平均の2倍の速さで上昇し続けており、工…

© Hiromi Blomberg 2023