swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

決まりきった(つまらない)日常が救う、コロナの中のメンタルヘルス

コロナ禍で人々の精神状態がどう変わったかについて、世界で行われた10程度の異なる研究結果をスウェーデンの公衆衛生庁がまとめてレポートとして発表している。 Covid-19-pandemin och befolkningens psykiska hälsa – vad indikerar longitudinella studie…

コロナと2020年のスウェーデン経済

急速に広がったコロナ禍の不安の只中で「第二次世界大戦時以来の経済危機となる」との見方が優勢であったのが、昨年4月。当時、スウェーデンではGDPはマイナス10%程度の成長率となるのではと多くの経済評論家が考えていたが、実際に2020 年の統計結果がま…

はびこっても取り締まれない麻薬郵便

ドイツとベルギーの港でオランダへ運ばれるはずだったコカイン23トンが当局に押収されたというニュースにも驚いたが(23トン!)、スウェーデンの郵便局Postnordが、毎日大量の麻薬を普通便で配達していることを自らも知りながらも取り締まれないというニュ…

良く出来すぎたデジタル個人認証システムBank-IDの弱点

この火曜日の夜8時前後の約30分間に渡り、スウェーデンでみんなが使うデジタル個人認証アプリBank-IDでシステム障害が起こった。 Bank−IDは人口が1000万人強のスウェーデンで約800万人が使用するパソコンやスマホで使う個人認証アプリだ。スウェーデン政府が…

極寒の裸ランナー

今年は寒冷浴や氷浴の人気が高まり、多くの人が凍る海で、湖で、冷たい水を堪能することを始めた年。寒冷浴が普通化していくなか(?)、もうそろそろこんな次の寒チャレ(ンジ)が出てくるのではないかと思っていました。 ニュースになっていたのはノルウェ…

変異種とワクチン

スウェーデンでは、2月19日までに一度でもワクチンの接種を受けた人は約40万人。2度の接種を終えた人は19万人弱となっていて、新型コロナウイルスへのワクチン接種が進んでいるが、同時に変異したウイルス感染も広がってきている。 せっかく進めているワクチ…

自閉症スペクトラムでも適応してしまう女の子たち

「女性は社会的な規範に自分を適応させることに長けています。学校の成績もよく、特別ではなく「普通」の友人や興味を持とうとします。ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)だと診断されることも少ないのです」と、カロリンスカ研究所のスヴェン・…

MMT・現代貨幣理論とスウェーデン

今日はスウェーデンのニュースではなくて、スウェーデンではニュースになっていないことについて書こうと思う。MMT(Modern Monetary Thoery)こと、現代貨幣理論についてだ。 MMTに関しては日本では時々ニュースになっているし、見解を公表している学者も政…

コロナとストックホルムの売春・買春

これまでに見たスウェーデン映画の中でも、圧倒的な衝撃を受け、今も数々の印象的なシーンが重く心に残っているルーカス・ムーディソン監督の『リリア 4-ever』(2002年)。ここで描かれていたのは貧困国からスウェーデンに連れてこられて、奴隷のような売春…

Clubhouseだけじゃないよ!

個人情報の取り扱いやセキュリティー上の懸念が取り沙汰されるCloubhouse。スウェーデンの公共放送でもIT倫理の専門家の意見が紹介されていたので、今朝はこれを取り上げます。 Clubhouseは利用者の連絡先に登録されている電話番号にアクセスし、この情報を…

殺害脅迫を受ける官僚、悪意にさらされる科学ジャーナリスト

普段でさえちょっと憂鬱そうなヨハン・カールソン公衆衛生庁長官の顔がさらに歪んだ写真の横に「殺害脅迫」という文字が並んでいる記事を朝一番に目にして、おもわず「ひどい」と声を上げた。 SVTの取材によると、公衆衛生庁、特にアンデシュ・テグネルやカ…

セムラ外交

コンゴからコロンビア、そして日本でも。昨日のいわゆるセムラの日、世界各地のスウェーデン大使館は「セムラ外交」を繰り広げた。 スウェーデン大使館 on Twitter: "今日は「懺悔の火曜日(Fettisdag)」と言うことで、セムラの日! エキゾチックな外見で、季…

コロナの影で好況に沸く出版(!?)業界

2020年、スウェーデンで「本」は売れに売れた。 紙の書籍の販売数は2350万部だったが、電子書籍、オーディオブックをあわせた「デジタル本」の販売数は初めて紙を上回る2900万部となり、「本」全体の販売部数は記録的な数字となった。デジタル本分野だけをみ…

キャッシュレスでニセ札を見分ける知識と能力をなくす

昨日、久しぶりにスーパーで大きなカートを借りようとして、コインを持っていないことに気づく。大きなカートはカート置き場に繋がれている鍵を10クローナや5クローナのコインで開けて使い、またもとの場所に戻すとコインが帰ってくるという仕組みだ。 コイ…

警察の個人情報開示要求に答えるグーグル、フェイスブック

スウェーデン警察が事件の解明に必要とする容疑者のIPアドレスなどの個人情報開示要求に、グーグルやフェイスブックが対応することがグンと増えている。ダーゲンス・ニュヘテルが独自取材の結果を発表している。 ダーゲンス・ニュヘテルの記事によると、これ…

スウェーデンの学術の危機問題

ブログを始める前は、スウェーデンと日本ではニュースになるような問題はちょっと異なっているのではないか、となんとなく考えていた。今、2年半以上毎日ニュースを取り上げてきて、問題の表層となって出てくるものは異なるとは言え、その本質はあまり変わり…

スウェーデンの陰謀論と新聞社チャットの正々堂々

「スウェーデン政府は嘘をついている。政府は意図的に新型コロナウイルスを撒き散らし、結果現在までに1万2千人の死者が出ている」「アンデシュ・テグネルは(犯罪者として)裁判にかけられるべきだ」。そんな陰謀論が駆け巡り、また陰謀論で世論を操作しよ…

掃除機で原子力発電論争、再燃!

土曜日に取り上げた「電力が足りなくなる寒い日は掃除機をかけないで」の話を発端として、スウェーデンで再び原子力発電に関する論争が沸き起こっている。 寒い日には電気を使うな - swelog 保守政党の穏健党、キリスト教民主党は、電力が足りないのなら国民…

DON'T GO TO TRAVEL

来週から地域別に順次始まるスポーツ休暇、さらにはイースターの休暇時期を見据えて、スウェーデン政府は公共交通機関を使った長距離移動を制限する考えを示した。 具体的には、150キロメートルを超える電車やバスなどを使った移動が対象で、その場合乗客数…

コロナで髪が抜ける?

新型コロナにかかった後、髪の毛がごっそり抜けて皮膚科を訪れる人が増えている、という記事の見出しを読んでびっくりしたが、これはコロナに関わらず他の感染症でも起こり得ることだそうだ。 心理的また身体的なものに関わらず、体が激しいストレスにさらさ…

コロナ第3波の可能性を下水から推測する

スウェーデンでのコロナの第2波は現在ピークを過ぎたように見えているが、私たちがちゃんと行動しないとすぐに第3波がやってくる可能性がある。と、先週の記者会見で公衆衛生庁のアンデシュ・テグネルが話していた。ワクチン接種は始まったものの、それに…

EUが検討するアルコールへの警告表示義務付け

アルコールの健康への影響の警告表示義務付けの検討が、EUで本格化してきた。 目下欧州委員会で検討されている広範囲にわたるがん対策の一つとして、この警告ラベルの義務付けが提案されている。方向性としてはタバコについている警告ラベルと同じだ。 この…

寒い日には電気を使うな

ここのところとても冷えていて、今、土曜の朝6時のルンドの気温はマイナス10度。でも天気がよくて風もなく、気持ちのいい日が続いてる。しかし、ここまで寒いと電気料金が大変なことになる。 通常1メガワットあたり30ユーロの電気料金は、昨日の朝のピーク時…

グレタの切手とインドで燃やされる彼女の写真

昨日久しぶりに出向いた郵便窓口で、グレタ・トゥーンベリがモチーフになった切手をやっと買って喜んでいたら、今朝一番に彼女の大きな顔写真がインドで燃やされている嫌なニュース写真が目に飛び込んできた。 記事によると、ニューデリーでグレタの大きな顔…

デンマークのコロナパスポート

ここ数十年増える一方だったEコマースの売り上げが2020年は初めて減少に転じた、という記事をみて、え、逆じゃないのと思ったのだが、Eコマース全体で見ると飛行機のチケットやホテルの予約など旅行関係のものも含むので、全体としては減少ということになる…

コロナの中、絶好調の新聞ジャーナリズム

スウェーデン最大手の新聞ダーゲンス・ニュヘテルが好調だ。2020年のダーゲンス・ニュヘテルはその長い歴史の中でも記録的な2億200万クローナ(約25億円)の利益を計上した。2019年は利益額は1億1700万クローナ(約14億7000万円)だったので、およそ倍増に…

変化したスウェーデンでのコロナワクチン接種への人々の態度

少し前に「デンマークの公衆衛生庁では、対象者の90%がワクチン接種に同意するものとみている」というニュースに驚いたが(ワクチンを巡るニュースあれこれ。王様でも順番抜かしは許さない - swelog )、スウェーデンの最新の世論調査でも82%の人がワクチ…

「やっかいな、やっかいなウイルス」のその後

去年の春「やっかいな、やっかいなウイルス - swelog 」で書いた「回復しても若い人でも長期間リハビリテーションを必要とする人がいる状況は、患者と医療機関の双方にとってストレスフルな試練となる」というニュースで取り上げられていたマルクスさんが、…

© Hiromi Blomberg 2023