swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

仁義なき戦いをなくすには

「犯罪集団間の権力闘争が死者を出す銃撃事件を発生させている」とSVTの事件記者が解説しているのを聞いて、思い出したのが「仁義なき闘い」という映画のタイトル。映画は観たことがないが(観るべきなのなのだろうか?)、たしか広島のヤクザの間での紛争を…

アムネスティのスウェーデン批判

月曜日の夜に発表されたアムネスティ・インターナショナルの2021年の報告書は、世界の豊かな国々のパンデミック対応を厳しく批判したが、国別の言及でスウェーデンを厳しく批判していたことをSVTのニュースが伝えていた。 コロナに関しては、世界のリーダー…

知らなかったけど、私とスウェーデンはこんな契約関係にあったのか

スウェーデンでは「総力防衛」という考え方のもとに、市民が防衛活動に参加することが義務付けられていることを書いた。 swelog.miraioffice.com その中で、民生義務(Civilplikt)というのは、制度としてはあったが、2010年からは必要がないとみなされ活用…

『HISTORJÁ』とブリッタ・マラカット・ラッバ

先週のこの記事で予告編へのリンクを張った『HISTORJÁ』を観てきた。 swelog.miraioffice.com ”『HISTORJÁ 』というサーミ文化の歴史、そのスウェーデン政府との闘い、そして今は世界的な気候危機によっても脅かされるトナカイの牧畜の闘いに関するドキュメ…

人糞からプラスティック swelog weekend 51

今週からニュースレターの形式を変更しています。詳しくはニュースレターで。 swelog.theletter.jp 登録は下記からどうぞ! 「swelog weekend」はスウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるswelogのブロムベリひろみがお届けするニュースレターです。一週…

グレタ・トゥーンベリと今の世界

アフトンブラーデット紙のコラムニストが、昨日のストックホルムの世界気候アクション、FridaysForFuture(未来のための金曜日)のデモについて書いていた。 スウェーデンの国会議事堂前から出発したこのデモにグレタと一緒参加した人は約2500人。2019年9月…

ダグニーの教え

このブログを開設してしばらく経ってから、当時106歳のブロガー、ダグニー・カールソンさんに関する記事を書いたら、驚くくらいたくさんの人がこの記事にアクセスしてくれた。 106歳ブロガー・ダグニーの今 - swelog コロナがやってきた時にはダグニーが「諦…

”尿からビール”

「尿からビール」というタイトルの記事があったので、どうやって尿からビールを作るのだろう? と気になっていたのだが、戦争や事件のニュースでなかなか読めなかった。先程やっとこの記事に目を通したら、なんのことはない、尿から粉末の肥料を作って、それ…

「スウェーデンは自然に対して戦争を仕掛け続けている」

「スウェーデンは環境と人権におけるリーダーであるように振る舞っているが、国内では先住民の権利を侵害し、自然への戦争を仕掛け続けている。世界はこのことを忘れることはないだろう」とツイートしたのは、グレタ・トゥーンベリ。 Sweden today confirmed…

人が人を殺すということ

昨日の夜に「詳しいことはわかっていません」と事件現場である、とある高校からレポーターが繰り返すマルメからのニュース速報を見て、なんだこれは、と思っていたら、今朝起きたら、二人の職員が殺された殺人事件であることがトップニュースになっていた。 …

プーチン・プライス

パンデミック下、そして電気料金の高騰に起因するインフレが落ち着かないうちに、ウクライナでの戦争の影響か、スウェーデンでもインフレが止まらない。 2月のスウェーデンでのインフレ率は4.5%に達し、物価は1993年以来の上昇率となり「プーチン・プライス…

今週のブログ 2022年第11週 swelog weekend 50

今週のswelog weekendはトピック記事とスウェ推しはお休みをいただき、一週間のブログ記事全文をお送りしました! swelog.theletter.jp 「swelog weekend」はスウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるswelogのブロムベリひろみが、深堀りしたいトピック記…

素早い難民申請のデジタル対応と、長すぎるパスポートの待ち時間

最も多い予想では、ウクライナからの難民は21万人となっていたスウェーデン移民庁の予想シナリオだが、昨日の記者会見では、可能性が最も高いシナリオとして、今年の前半で7万6千人、その対応にかかる予算は100億クローナ(約1300億円)と発表されていた。 …

迷彩軍服の定例記者会見

伝えられていたように、毎週木曜日開催予定のスウェーデン国防軍の定例記者会見が昨日も実施された。 迷彩軍服姿で会見を行うミカエル・クラエッソン軍備責任者は、スウェーデンが武力攻撃を受ける可能性は否定できないが、スウェーデンの治安状況への危機レ…

「総力防衛」の兵役義務、民生義務、一般勤労義務

日曜日のニュースレター「軍備増強と徴兵制強化」で「総力防衛」ついて書いたが、その国をあげての総力防衛の中での様々な組織や人々の役割について、総力防衛力研究所(そんな機関があったのか!)のアナリストのジェシカ・アッペルグレンさんが説明してい…

最大2万人のウクライナの子どもの学校受け入れに備えるヨーテボリ

日曜日にマルメの駅を通りかかったら、そこには移民庁の案内窓口ができていたのだが、電車でやってくるウクライナからの難民の人はほとんどいないのか、3人いた職員の前には難民の姿はなかった。 しかし今、各都市の移民庁の受付の列は長くなる一方で、昨日…

ポロシェンコが欲しがるカールグスタフ

今回の戦争が始まるまでゼレンスキー大統領の名前は知らなかったけれど、ゼレンスキーの前、2014年から2019年までウクライナの大統領だったポロシェンコの名前は知っていた。たぶん、彼が石炭売却に関連するスキャンダルで反逆罪で起訴され、国外に逃亡する…

「子どもニュース」が情報信憑性賞を受賞

ロシアがウクライナへ侵攻を初めてすぐに、戦争についての子どもからの質問に答えるチャットを開設する取り組みについてこのブログでも紹介した、スウェーデン公共放送SVTの子ども向けニュース「Lilla Aktuallet」。 swelog.miraioffice.com 今日はその「Lil…

軍備増強と徴兵制強化 swelog weekend 49

swelog weekend nr 49 〈今週のトピック〉 軍備増強と徴兵制強化〈今週のブログ記事〉 コロナ定例記者会見から防衛定例記者会見へ〈今週のスウェ推し〉 『Lamb(子羊)』エコなフォークロア・ホラー映画予告編 swelog.theletter.jp 今週は軍縮ならぬ、軍拡の…

スウェーデンに来る難民は21万2000人との見通し

ついこの間の日曜日のニュースレターでは、ウクライナからスウェーデンに逃げてくる人の数は毎日数百人程度と書いたが、今週になってスウェーデンでもこの状況が大きく変わり、移民庁は今は、毎日4000人くらいの人がスウェーデンにやってきているとみている…

戦時下での年金、社会保障費の配り方

戦時下で、社会が通常通り機能しなくなった場合、年金や育児、児童手当などさまざなな給付金や生活保障をどうやって受取人に届けるのか、そんな危機対応プランをつくるよう国から命を受けたのは、社会保険庁。 アルダラン・シェカラビ社会保険担当大臣は、こ…

一日60万PVの人気の軍事ネタブログサイト

以前スウェーデン軍の陸上運搬車が盗まれるという事件があった時、コメントを寄せていたディストピア・パラレルワールド小説作家のラーシュ・ヴィルデレング(Lars Wilderäng)と彼のブログを紹介したことがあったが、今回のロシアのウクライナ侵攻以降、そ…

NATOへの非加盟意思表示とEUの共通防衛条項、そしてコロナ記者会見は終了へ

昨日の午後開かれた記者会見でマグダレーナ・アンデション首相は「今の状況でスウェーデンがNATO加盟への加盟申請をすると、ヨーロッパの状況をより不安定にしかねない」として、加盟申請をするつもりはないことを表明した。 記者会見では、フィンランドが加…

イギリスがスウェーデンに軍事支援を約束した今、NATO加盟は必要か?

スウェーデンとフィンランドはNATOのに加盟するのか? という大きな動きの影で、イギリスがスウェーデンに軍事支援を約束していた、と今日のニュース解説記事にあった。 報道されていたのは、この3月4日の英国ベン・ウォレス国防相の発言で、これによるとイ…

ヘーサ・フレドリックの4種類のサイレン

国民への様々なメッセージを伝えるために、スウェーデンには「ヘーサ・フレドリック(Hesa Fredrik・嗄れ声のフレドリック)」という愛称のサイレンがあって、これがきちんと作動して、みんなに聞こえているかを確認するために、3ヶ月に一度、該当月の第1月…

難民受入とNATO加盟に関する論調 swelog weekend 48

swelog weekend nr 48〈今週のトピック〉 難民受入とNATO加盟に関する論調〈今週のブログ記事〉 戦争のニュース〈今週のスウェ推し〉 「ジェンダー平等教育」記事 swelog.theletter.jp 今週はこちらのレターを配信しています。 ウクライナからの難民は既に15…

ロシアから報道特派員が戻る時

ロシアの数少ない独立系新聞社「ノバヤ・ガゼタ」の編集長ドミトリー・ムラトフさんがノーベル平和賞を受賞したのは、ついこの間の昨年12月。彼の新聞社のジャーナリストのうち6名もが殺害されたことからも明らかだが、これまでもロシアでは自由な報道は難…

ジェンダー平等教育は誰のため? | スウェーデン発! みんなと地球の“ラーゴム”なくらしvol.6

今月の記事はスウェーデンのジェンダー平等教育について。 3月8日の国際女性デーを前に、ぜひ読んでいただければ嬉しいです。 3月8日の国際女性デーに向けてあらためて考えたいジェンダー平等について。サステナブル先進国スウェーデンではどんな教育が進ん…

戦争のニュースとどうつきあうか

欧米各国は市民も含めて、例えばシリア内戦の時とは段違いの関心を今回のロシアのウクライナの侵攻によせ、また難民も手放しで受け入れるのは、これが白人の戦争だからだという基調の批判を耳にする。 ウクライナは確かに北西欧諸国に距離的に近く、また文化…

スウェーデンでも増す安全保障上の脅威

一昨日、スウェーデン国防軍のビデーン最高司令官が「この一週間足らずのうちに、スウェーデンへの安全保障上のリスクと脅威は増した」と発言していたのを目にしたが、今朝起きたら、4機のロシア軍機がスウェーデンの領空を侵犯したというニュースが出てい…

© Hiromi Blomberg 2023