swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

どこへ向かうスウェーデン swelog weekend 90

今週のswelog weekendはこちらです。 スウェーデンの政治家は甘いことは言わない。クリスマス気分が漂う中、財務大臣が記者会見で話したのは、これからやってくる不景気、厳しい財務状況、増える見込みの失業者という見解だ。寛容だった難民の受け入れや移民…

死にそうじゃない限り、救急外来には行かないほうがいい

このクリスマスの週末、コロナやらインフルエンザやら、路面凍結による事故でのけが人やら、スタッフの人手不足やらで、救急外来の窓口はもう限界ぎりぎりの状態で運営されているので、本当に死にそうにでもない限り、救急外来には来ないで、というか、行か…

真冬の電気自動車

先週の金曜日の夜、マイナス10度の気温の中、ちょうどレンタルしていた電気自動車で田舎のパーティー会場にでかける機会があったのだけれど、ちょっと運転しているうちに残りの充電量がみるみる減っていって、帰りの道で電池切れで立ち往生になったらどうし…

底を打つ

スウェーデン語には「Nu vänder det!」という表現があって、これは文字通りには「方向がかわった」という意味で、ひいては「物事が好転する」「流れが変わった」と言いたい時に使われる。今朝、スウェーデンの最北部からやってきたニュースには「Nu vänder d…

フィンランド語ニュースが伝える北欧航空業界の未来

スウェーデンの公共放送であるSVTにはマイノリティであるフィンランド語話者のために、ニュースをフィンランド語で伝える部門がある。そして、そこで放送されているニュースのうちいくつかはスウェーデン語にも訳されている。 今日のニュースはそこで報道さ…

急で、わかりにくい路面凍結の恐怖😱

感染症やら急な停電の可能性でこの冬はできるだけ家にいたほうがいいのではないか、と少し前に書いたけれど、昨日はまたルンド近辺で、警察が「用事のない人は家から出ないで」と呼びかけをする事態になっていた。 感染症やら電力不足やらで、これからは可能…

人間よりもAIがいい

数年前まではAIと呼ばれていたものが、今では普通のものになってしまい、私たちはスマホや検索エンジン、SNSのおすすめ機能など、あらゆる場面で日常的にAIに接している。 この度、スウェーデンに住む16歳から70歳までの1000人を対象にルンド大学や、企業庁…

寒冷浴の季節 swelog weekend 89

今週はスウェーデン最南部のスコーネ地方でも、マイナス10度にも届くかという寒さで、空気は冷えて冴え渡り、夜空には星が輝き、あらゆるものが白く鋭い光を放って(目が痛い)。寒くなってくるとがぜん、サウナのある寒冷浴場(カルバアドヒュース)に行かな…

賞を授けて徹底的に祝う・社会活動家の場合

ノーベル賞の授賞式と晩餐会からもわかるように、スウェーデン人は人々の普段の業績にスポットライトを当て、賞を与えて盛大に祝うことが上手だなと思う。 それはノーベル賞のような世界中の人々の生活を変えてしまうような偉大な発明や発見をした人であって…

強制から強制へ。ベール着用をめぐる議論

先週、スウェーデンの行政最高裁判所が出したのは、スタファンストルプとスクループの2つのコミューンが導入しようとしていた、学校でのベール(頭にかぶるスカーフ)着用禁止令に法的根拠がなく、禁止令はこの国においては違法であるという判決だ。判決文…

ノーベル賞受賞者が病気になって、準備されたごちそうはホームレスへ

昨日ヨーテボリで予定されていたノーベル賞受賞者を迎えての講演会とその後の食事会が急遽キャンセルになった。理由は招かれていた3人のうち2人が、10日の授賞式と晩餐会の後に病気になり体調を崩したことと(やっぱり1300人もきちきちに座って、飲んだり…

看護師になりたい学生には給与を払うその一方で……

若者は最初の仕事につくのが難しくなっていると言われているが、学生として勉強しながらも将来の雇用主から既に給与を得ている学生たちもいる。ニュースになっていたのは看護師になるための勉強をしている学生たちで、例えば取材に答えていたライナスさんは…

この秋激減した電力使用量と気候コーチが勧める節電術

電力会社Ellevioの顧客統計によると、10月の一般家庭での電力使用量は過去3年の平均値と比較して21.5%減少した。Ellevioでは約90万世帯を対象に調査を行い、今年の秋が暖かったことから、前年との比較だけでなく過去3年にさかのぼって電力使用量の比較を行…

ルシア祭をめぐる問題

明日の12月13日はキリスト教のルシア祭。暗い闇をろうそくの明かりと透き通った歌声が照らす、私もスウェーデンの年中行事の中でも一番楽しみにしているものだけれど、ルシアをめぐる議論も毎年繰り返される。(こちらは2018年にまとめたもの)。 swelog.mir…

ギャング団と犯罪小説 swelog weekend 88

今週はこちらのレターをお送りしました。 swelog.theletter.jp ****** 昨夜、生中継されていたノーベル賞の晩餐会、私はちらっと見た時にちょうどスヴァンテ・ペーボさんのインタビューをやっていて、あらためて、この人すてきな人だなぁ、と話を聞いている…

感染症やら電力不足やらで、これからは可能なかぎり、家にいたほうがよさそう

コロナやらインフルエンザやらただの風邪やら? 理由はそれぞれ異なるようだけれど、自分や子供の調子が悪くて、家からリモートワークしたり仕事を休んだりする人が目立ってきた。 昨日は久しぶりに公衆衛生庁の記者会見の内容も報道されていて「新型コロナ…

給料はそのままで週に30時間だけ働く

おぉ!待ってました!と興味津々で記事を読んだけど、どうやら私には関係のない話だった 今ヴェルムランド地方の2つの病院などで実験的に行われているのは、救急部署に勤務する看護師のフルタイム勤務を30時間まで減らすこと。今年の3月から始まったこのプ…

北極キツネの絶滅は救えるのか

昨日からカナダのモントリオールで生物の多様性保護を議論する国連の会議COP15が始まっている。SVTの朝のニュースでは、生物種が絶滅の危機に瀕する原因とその対処法、また成功した例を簡潔にまとめて紹介していた。 生物多様性保護を議論 国連の会議「COP15…

過熱するスウェーデンのソーシャルサービスに対するネガティブキャンペーン

「スウェーデンの法律は性別や宗教による差別をするものではなく、またスウェーデンのソーシャルサービスが子どもを誘拐することはありません」と最近のニュース番組で発言していたのは社会サービス担当大臣のカミラ・ヴァルテルソン・グローンヴァル。 なぜ…

隣人と話さなければいけない集合住宅

ヘルシンボリに高齢者と若者が一緒に住むという成功したプロジェクトがあるのは知っていたが、この集合住宅への入居の条件として「隣人と週に2時間以上話すこと」が明記されているのは知らなかった。 「Sällbo」はヘルシンボリ市の社会統合プロジェクトの一…

新たな大規模サイバーアタック

先週、失業保険の申請システムから、信用情報提供企業のシステム、さらに住宅組合の洗濯室の予約システムに至るまで、広範囲なサイバーアタック事件が起こっていた。これは数百社の顧客を持つITシステム提供会社Softronic社がサイバー攻撃を受けたことによる…

この冬は何が違う?(コロナの話) swelog weekend 87

スウェーデンではここ数週間で新型コロナの感染がまた拡大しているが、マスクをしている人もみかけなければ、レストランもクラブもどこもかしこもコロナ前の状態に戻って大盛況。みんなコロナのことなどすっかり忘れたようだが? ということで今週はこちら。…

階級と出産

スウェーデン中央統計庁(SCB)の発表によると、今年にはいってスウェーデン各地で出産数が激減している。今年の1月から9月の新生児の数は、前年同時期と比較して7.7%減少して8万1550人となり、これは2005年以降で最低の数字。スウェーデンでは2010年以降、…

飲酒量減少の謎

2004年以降、スウェーデンでの飲酒量が減少していることがCAN(アルコール・薬物情報中央協会)の調べでわかった。自己申告によるアルコール摂取量を調べたこの調査によると、スウェーデンでアルコール摂取量は、2004年と2021年の比較で全体で15%減少してい…

戦争で白樺がピンチ⁉ 懐かしい工芸品から未来の素材として注目を集める”ネーヴェル” 【スウェーデン発 みんなと地球の“ラーゴム”なくらし vol.15】

今月のElleのラーゴム連載記事はこちらです。 スウェーデン人にとって最も身近な樹木である“白樺”の樹皮が、サステナブルな暮らし方や自然素材への関心の高まりとともに見直されている。 戦争で白樺がピンチ⁉スウェーデン人にとって最も身近な樹木である“白…

解雇と収益性。お祭りは終わった?

SASとクラーナの両社が2022年第3四半期共に数十億クローナの損失を計上したニュースと共に、昨日はH&Mが新たに1500人解雇することもニュースになっていた。10月に主に店舗から400名を解雇すると発表したことに続き、今回は本社の管理部門なども対象となって…

© Hiromi Blomberg 2023