swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

大量解雇の時代は終わった

大手企業が行ってきた一斉大量解雇。 私の住む街ルンドでも、エリクソンやソニーといったIT企業が一度に何百人というレベルの一斉解雇を行い、人々を不安におとしいれてきた。 ルンドにも大きな拠点があったアストラゼネカが、スウェーデンで数千人レベルの…

東京マラソン、ヴァーサロペット、海外旅行、『コンテイジョン』

この週末は、東京マラソンとクロスカントリースキーの世界大会であるヴァーサロペットの開催が予定されている。 新型コロナウイルスが広がっていた日本では、早くからマラソンの一般人の参加辞退を呼びかけていたが、ヴァーサロペットで今年問題になっていた…

雪と氷と動物たち(と鉱山と)

昨日は、スウェーデン北部のトナカイの放牧と鉱山開発企業との抗争についての貴重な話を聞く機会に恵まれた。話してくれたのは、自身もヨックモック近郊の出身のルンド大学の研究者。 トナカイの遊牧に関わるのはサーミ人の中でも10%程度の人でしかなく放牧…

認知症と診断されたら何をする?

ジャーナリストとしての活躍し、アクティブな年金退職者として過ごしていたヘンリック・フレンケルさんは、去年の11月、70歳で「脳の萎縮が見られこの先は認知症(アルツハイマー)が発症する。3年先か、5年、7年先かはわからないが、現在の軽い記憶障害(MC…

旅先から戻れない

先日、日本から姉夫婦がこちらに遊びにきてくれていたのだが、彼女たちがコペンハーゲンのカストロップ空港に到着する前日に、新型コロナウイルスで空港が一時閉鎖される騒ぎが起きた。 この時は結局ウイルスは検出されず空港閉鎖はすぐ解除され、姉夫婦はス…

福祉国家の福祉縮小

スウェーデンの公共放送SVTが全国270 のコミューン(市町村)に実施したアンケートでは、約3分の1のコミューンが2020年の福祉予算を縮小すると回答した(アンケート回答率70%)。 全体の5分の1にあたるコミューンでは予算削減の結果、サービスの質が落…

警官の監視カメラ着用で増える犯罪、減る犯罪

1年ほど前、ストックホルム交通局が検札員への暴力行為を防ぐため検札員のライブカメラ着用を始めたニュースを紹介したことがある。 swelog.miraioffice.com 今日のニュースは、そのライブカメラの警官版の話だ。 警官がカメラを着用して任務にあたる場合、…

「スワッティング」がやってきた

北米を中心として世間を騒がせている悪質ないたずら、「スワッティング」がスウェーデンにもやってきた。現在のところ、スウェーデンでスワッティングの標的になっているのは女性ゲーマー。 「スワッティング」とは、SWAT部隊の出動が必要となるような緊急事…

フィンランドの顔認識ペイメント

昨日の夜からヘルシンキに来ています、というわけで今日はフィンランドの話題。 フィンランドの大手銀行OPは30ユーロまでの決済を顔認識で行えるテスト運用を実施中。OPが提供するアプリをスマホにダウンロードして、そのアプリに自分のクレジットカードと自…

スウェーデンの太陽

太陽光発電パネルの技術革新による価格低下と政府からの補助金の効果もあいまって、スウェーデンでの太陽光発電への投資はここ7,8年増え続けていた。そして、ここにきて実際の発電量においてもその成果が見えてきたようだ。 2019年の太陽光による発電量は…

家事代行サービスの表と裏と税金と

スウェーデンでは、掃除などの家事代行サービスを利用した場合その料金の半額が税額控除される。2007年当時の中道右翼の前政権が①税金のがれの闇サービス業者の駆逐、②清掃などの仕事の口を増やすことによる失業者対策、などを狙って導入したものだ。 これは…

中央統計局の安物買いで数字がおかしい

このブログでもよくお世話になっているスウェーデン中央統計局(SCB)は、人口動態から家計調査まで、スウェーデンのありとあらゆる統計を一手に引き受けている。民主主義で国を動かしていく以上、なぜこの政策をとるのかという数字にもとづく説明は重要で、…

子どものためのスローテレビ、『農場からの生中継』

スウェーデン公共放送SVTは、本日2月17日から2週間にわたりスウェーデン北部の都市ウメオ郊外の農場の動物たちの様子を実況生中継する。 学校のスポーツ休暇のこの時期に合わせて、子どもに向けたこの番組のタイトルは『農場からの生中継(Gården LIVE)』。…

電気飛行機、その後

画像・Heart Aerospace 一年半ほど前にスコーネの電気飛行機の会社、Blackwingを取り上げたことがあった。 swelog.miraioffice.com 今回また、別のスウェーデンの電気飛行機屋さんへの取材記事を読んだのでそれを紹介したい。 Heart Aerospace社は、この先5…

氷の女とマインドフルネス寒冷浴 swelog weekend

サウナ、じゃなくてカルバアド 私はスウェーデンのカルバアド(寒冷浴)が好きだ。 スウェーデンのカルバアドは、フィンランドのサウナと共通点もあるが別物だ。サウナの喜びが体をやさしく包む熱い蒸気やその後の外気にあるとすれば、カルバアドの魅力はそ…

軍用車盗難とラーシュ・ヴィルデレング

2019年のヨーテボリブックフェアで最新作について語るラーシュ・ヴィルデレング スウェーデン軍の陸上運搬車が2台盗まれ、数日中に1台は駐車場で、もう1台は森の中で発見されるという事件が起きた。 盗まれたのはウプサラ郊外のエンショッピングの軍保管…

北欧らしさで炎上したSAS

火曜日の朝スカンジナビア航空(SAS)のYoutubeチャンネルに、一本の広告動画がアップロードされた。 そのビデオは北欧でゆったり休暇を取る人、赤ちゃんを抱いた父親、スウェーデンのミートボールなどの映像を見せながら「真に北欧なものとはなんでしょう?…

AIが判断する救急電話

スウェーデンの病院の救急電話窓口、SOS Alarmが救急依頼の電話対応にAIによる判断を導入する。プロジェクトはこの夏休み明けに、まずヨンショピングとハランド県で始まり今年中にはスウェーデン全国で展開される予定だ。 AIは救急依頼者と対応オペレーター…

スポーツ休暇始まりの物語

今日は、人生の危機には役にたちそうにないトリビアな知識をどうぞ。 今週から始まったスウェーデンのスポーツ休暇。スコーネでは来週、その次の週はストックホルムあたりと、スウェーデンを1週間ずつ横断しながら子どもたちが冬のスポーツを楽しむためとい…

大都市から離れる高学歴

ストックホルムへ転入する人よりも転出する人が多い、という傾向がはっきりしてきた。 広域ストックホルムに転入する人は長らく転出者よりも多かったが、2018年にその数字が反転。2019年もその傾向が強まっていることが中央統計局の数字から読み取れる。(た…

男性諸君のオールイン

2020年の年明けから早くも6週間たったが、新年に「体を作る」ことを誓ったダーゲンス・ニュヘテルの記者(男性)がボディビルディングにどんどんはまっていく自分の「オールイン(All in)」な状況を、自分で理解するために書いたコラムがおもしろかった。 …

Jojk ヨイク

画像・Staffan Widstrand/imagebank.sweden.se 昨日の金曜日、久しぶりのグレタ・トゥーンベリのニュースをヨックモックからきくとは思っていなかったのでなんだか嬉しかった。 日本人にもお菓子やさんの名前で馴染みのある北極圏にあるサーミ文化の中心地、…

リモートワークの自由と不自由

スウェーデン人の3人に1人がときどき家からリモートワークを行っていて、週に一度の割合でリモートワークの人は10人に1人(スウェーデン労働環境庁調べ)。 EU諸国でリモートワークする人の割合を調べた調査ではスウェーデンはデンマークに次いで2番めにそ…

北極豪華寒冷浴 Arctic Bath

先月20日、スウェーデンの最北の街ルレオ近くのHaradsにオープンしたArctic Bathは北極圏初の宿泊できるフローティング・カルバアドヒュース(寒冷浴施設)。 楕円形の施設の中央に氷を割って入るオープンエアーのプールがある。現在のところイギリス、アメ…

セメント業界の二酸化炭素とCCS

スウェーデンのセメント製造業最大手でゴットランドに工場を持つCementa(セメンタ)。 セメントは原材料(石灰石)から加工する際に大量のエネルギーを必要とし、またその製造過程で石灰石を熱分解する際の科学的反応により二酸化炭素がでるという、二重の…

スウェーデンの四季

2020年代幕開けの月、この1月は例年よりもかなり暖かく雪の少ない月で、スウェーデン中部のオスカーシュハムンでは1月15日に夏日を記録した。 へっ?、いくら暖かいといっても夏日とは? とニュースを読み直したらスウェーデン気象庁の「夏日」の定義が私の…

男性の不妊手術が増えている理由

統計資料がはっきりしていているスウェーデンにいると、社会で起きていることが時々思いもせぬ数字に現れてきて「ほんまかいな!」と驚くわけだが、今朝もこのニュースの見出しを見て「へえー」となった。 社会庁の統計によると、不妊手術(パイプカット)を…

セカンドハンドのリサイクル品が売れない

スウェーデンで人気の「セカンドハンド」と呼ばれるリサイクル用品点。 昨年のこんまりメソッド旋風の影響もあってか、持ち込まれる不用品の数は減らないが、セカンドハンドショップでの買い物客が減っている。これはウメオのいくつかのセカンドハンド店での…

不満な顧客はSNSで企業を変える

最近、日本の友人と商品を買うと貰うおまけや景品について話す機会があったのだが、こんな時代(?)になってもノベルティが盛んな日本と比べて、こちらではモノを買ってもほとんどおまけのようなものはついてこない。 一方、買い物をするとそのレベルに合わ…

© Hiromi Blomberg 2023