swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

フェイクニュースの見分け方を子供に教える

教育機関監査機関 (Skolinspektionen) が日本の中学校に相当する30の学校をランダムに調査を行い、多くの学校でネット上の情報の扱い方の教育が満足にできていないと指摘している。 ほとんどの学校では、サーチエンジンがどういう仕組みで情報を検索しユーザ…

愛する映画館のロゴとジングルが変わる時

スウェーデンの映画館の興行をほとんど一手に引き受けるSF (Sveriges Filmindustri)。そのロゴと映画が始まる前のジングル(♫バダバ、ババババー♪)は、知らない人はいないのではないかというくらい有名で、映画というとこの音楽が頭の中で響きわたる人も多…

オンライン診療の今

昨年、オンラインで医者にかかった人は診療を受けた人全体の1.6%で、その多くが大都会に住む若い世代。 さらには、これまで医者にはかかることなく家庭で様子をみながら安静にすることが治療法だと考えられていた風邪のような症状でもオンライン診療を受け…

タクシーを止める皇太子

半年間に渡りダーゲンス・ニュヘテルが、ヴィクトリア皇太子に密着取材した内容をまとめた記事は、ニューヨークの街角で手を上げてタクシーを止めるヴィクトリアの写真がトップに使われている。 現在、国連のSDGs(持続可能な開発目標)のアドボケイトとして…

燃えない症候群

最近は「燃えつき症候群(Burn out)」や過労死の話ばかりの日本だが、私が働いていた時には「窓際族」はいた。今は役職定年という言葉をよく聞くが、窓際族はいまもいるのか?それとも今の日本はもっと世知辛い? スウェーデンで最近みかけるのが窓際族に限…

警察に通報される「お客様」

薬局の調剤員に「白人をだせ」、「この国で住みたいのなら被りものをとって、もっと同化しろ」などの暴言をはく客がこの2,3ヶ月で急増している。 大手薬局チェーンのアポテック・イェルタットだけでも、これまでに15人の客を差別的行為で警察に通報した。…

「家庭婦人」の甘い蜜

ダーゲンス・ニュヘテルにこの週末掲載された「家庭婦人の甘い蜜」とでも訳せるタイトルの記事が論争を巻き起こしている。 www.dn.se 特に若い女性の間で、伝統的な女性の役割(家事をし、料理を作り、メイクに熱心で、”女性っぽい”話題を好む)に憧れる人が…

学校給食は社会の縮図

日本の給食への注目 少し前に、栄養士でスウェーデン全国の学校給食の課題に取り組んでいるアニカから、日本の学校給食について知りたいと連絡をもらった。 その時は忙しかったのと自分も門外漢であるということから、お茶を濁す程度の情報を渡すだけで終わ…

住宅ローン4%の壁

スウェーデン中央銀行の動きを受ける形で、年明けには上昇すると見られている住宅ローンに関する調査結果が発表された。 ストックホルム、ヨーテボリ、マルメの大都市に住む、持ち家や分譲マンションに住む1500世帯へのアンケートでは約5分の1、18%の世帯…

イケてなかった国境警備

国境警備に関しては、以前より警備員の教育不足により危険な人物を見抜けていない等の批判にさらされていた。 今回明るみにでたのは、スウェーデンの警察、沿岸警備団、移民庁や税関がまったくチームとして統制のとれた動きをとれていないと、EUから厳しい指…

「普通」に挑戦する5年生

昨日も小学5年生が話にでてきたが、今日も5年生の話。 「服装がちがってたり、言葉がなまっていたり、そんなことを少しも変なことでない」という考えを浸透させるために、フォーサという町の5年生達が始めたのは上着を前後ろに着るという行為。 みんな自…

理系女子を育てる

スウェーデンは技術大国で、輸出を含め経済の大きな部分を占めている。 にもかかわらず技術分野はまだまだ男性優位。小学5年生では技術に関心のある女子は86%にのぼるのに、中学生になるとたったの37%になってしまう。 女子は技術がどのように使われるか…

スポーツエリートの摂食障害を助ける

激しい練習でエネルギーを消耗するのに、成果を出すために体重を抑えることを優先し、拒食症に陥る若いエリートレベルのスポーツ選手が多いそう。知らなかった。 この度オスタースンドに、怪我から精神的な苦痛まで、様々なことで苦しんでいる若いスポーツエ…

スタートアップ・アメリカ大使

イーロン・マスクとペイパルを創業したケン・ハワリーが、次の在スウェーデン・アメリカ大使になりそうだ。 スウェーデンとアメリカはイノベーション、ハイテク、起業家育成等の様々な面で新しい世界を一緒に創っていこうという意欲の表れのよう。 ケン・ハ…

介護マネージャーはペアで働く

スウェーデンの老人看護などの福祉分野で働く現場のマネージャーはぎりぎりの状況で働いている。 労働環境庁が3年掛けて行った、全国86の市町村15の地方自治体の福祉分野で働く1300人の中間管理職を対象にした調査によると、対象の99%が改善の必要ありとさ…

投資家がわかってないゲーム業界の素晴らしさ

スウェーデンのゲーム業界は急激な成長に伴う痛みに襲われている。 ゲームビジネスは順調に伸びており、 大切な輸出製品に成長したにもかかわらず、業界は優れた人材を探すのに苦労しており、経験のない投資家たちは投資価値を見いだせていない。 この業界に…

#metooと女性トップ

去年、スウェーデンでは女性がトップの上場株式会社の数は65%増えた。 これまでも経営陣が男女平等であるほど業績がよい傾向が研究結果としてでていたので、それを反映させたという結果も考えられるものの、去年一年をとるとやはり#mettoの影響が大きかった…

生き残るためのベジタリアン

昨日の土曜日は各地で観測史上の一番温かい10月の一日となった。ルンドでも最高気温は20度に達し、普段の夏の天候と変わらない。 ここまで天気がいいと嬉しいを通り越して不安になる。 地球温暖化の驚異は優しくすり寄ってくるようだ。 スウェーデンの研究者…

2026年冬のオリンピックとストックホルム

長引く国政の首長選びを横目に、都市単位の政権トップの顔が次々と決まってきた。 ストックホルムはこれまでの左派連合体制から、右派連合に環境党が加わる形で落ち着いた。 新しいリーダーたちが最初の記者会見でまず打ち出したのは、2026年の冬のオリンピ…

建設女子

男女間平等が進んでいるとされているスウェーデンでも、職種により男性が大多数を占めるものや、またその逆もある。 保育士や小学校の教諭、介護士など女性が多い分野では平均賃金が低く、これらの職業の給与を引き上げることが政治的課題として指摘される。…

#metooが変えたスウェーデン

#metooはスウェーデン社会を変えた。 ムーブメントから1年経って実施された調査で、対象者の65%がそう答えている。具体的なアウトプットとして日本人にもわかることで言えば、今年のノーベル文学賞の授与が中止になったのもその一つ。 実際に自分の行動や…

利上げと住宅ローン

長らくマイナスだったスウェーデン中央銀行の金利が年内には引き上げられそうとの見方が強まってきた。指標の一つである物価も上昇傾向にある。 ストックホルムなどでだぶつき気味の不動産市場は、これにどう反応するのだろうか? 中央銀行の方針がそのまま…

ウプサラの新しい政治の形

次の政権の形は今週になってもまだみえてこないが、ストックホルム近郊の歴史ある大学都市ウプサラが、これまでのブロック政治にとらわれない新しい形を提示して話題になっている。 今朝のニュース番組に、協力することがきまったウプサラの社会民主党のと自…

10周年のSpotifyはいつ利益をだすのか?

Spotifyが世の中に出てきたときには、サービスもそんなに洗練されていなかったし聴くことのできる音楽も限られていた。 昨日10周年を迎えたこのサービスは、今では世界65カ国で1億8千万のユーザーを誇る。スウェーデンではネットサービスを使う69%がSpotify…

雇用されない自由と老後の年金リスク

フリーランス人口の拡大 企業に雇用されず、フリーランスで働く人が増大している(私もだ)。 スウェーデンの統計数字はないものの、ある研究によるとアメリカやヨーロッパではフリーランスとして働く人は勤労人口の20から30%にも及ぶという。 年金総額に顕…

「少年」フットボールチーム

「スウェーデンがいかに平等な国かとよく言われるけど、この領域ではまだまだほど遠い」、「自分自身に忠実であれと葉っぱをかけられる社会なのに、本当は特に変わっていないほうが生きやすい」と話すペトラは9歳のジュールの母。 今日の地元紙で性の不一致…

株で荒稼ぎする高校生

ヨーテボリの二人の高校生が株価操作の罪で起訴された。 二人は購入した株に関してニセの情報をSNSなどで流し、株価を吊り上げた上で売却。5ヶ月で100万クローナ(約1300万円)を手にいれたとされている。株価操作は2015年10月〜2016年2月にかけて行われ、容…

スウェーデン民主党との共生

一ヶ月たっても決まらない政権 スウェーデンの内閣がどのような構成になるかは、選挙からそろそろ1ヶ月経った今日でもまだまだ見えてこないものの、コミューン(市町村レベル)単位では運営体制を決めたところが出てきた。 極右政党が率いるコミューン、極…

お通夜の効用

義父が他界した。 眠るように横たわる義父の横で朝から午後6時過ぎまで家族だけで過ごした後、ネクタイにスーツ姿の二人の紳士が大きなメルセデスのワゴン車でやってきて、義父の体は丁寧にくるまれ安置所に運ばれていった。 義母を家まで送ってみんなで簡…

コピペ大学生急増

大学などの高等教育機関で不正で退学させられる生徒が増えている。 教育機関側が不正を見つける技術を進化させたことが一因だとか。 不正の種類としては「盗作」が一番多いということなので、Black Duck(オープンソースのライセンス違反を見つけるプラット…

© Hiromi Blomberg 2023