この冬、スウェーデンに来る人は美術館や博物館は寒いと覚悟しておいたほうがいい。
スウェーデンミュージアム連合会がこの度まとめた報告書によると、目下の電気代の高騰で、多数のミュージアムがこの冬営業時間の短縮や開館日数を減らすことを検討している。
また、人気の北方民族博物館では、館内の暖房をやめて費用を節約する予定で、そのために、館内で働くスタッフ向けにこの冬のユニフォームとして来てもらう厚手のセーターを既に手配した。来館者も館内に入ってもコートを脱いでゆったり鑑賞という、これまでのミュージム体験とはちょっと異なる冬になる。北方民族博物館では大量にある作品や資料のための空調をとめてしまうことはできないが、館内(とても天井の高い大きな吹き抜けがある)の暖房をやめることで費用を調節をすることにしたそう。
スウェーデンの美術館や博物館では、空調にかかるコストは運営費用の主要な部分を締めている。多くのミュージアムは古い建物や広大な倉庫に所蔵作品保存のための特殊な空調費用を備えているが、古い建物では調整できることも限られており、中には暖房費用が例年の2倍や3倍になると試算しているところもある。
連合会の質問に答えた全国79のミュージアムのうち、この冬営業時間の短縮を検討しているところは1割に及び、またなんらかの閉館を検討しているのは5館ある。うち4館は完全に営業停止する可能性もあるという。
台風も地震もなくてスウェーデンは自然災害が少なくていいな、でももしも冬に暖房が使えなくなったら大変なことになるな(でもそれはないな)と考えていたが、もしかして、温暖化したスウェーデンの冬は、皮肉にもこれからは寒くなっていくのかもしれない。