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国からの過疎地域への住宅解体費用支援

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スウェーデンの最北の地では大規模バッテリー工場の新設などによるグリーンエネルギー産業の活況で、新規住宅の建設がすごい勢いで進んでいるが、一方、別の地方では1950年代以降に移民局によって建てられて、今は使われていない亡命希望者収容用のアパートの取り壊しが進む。

人口減少地域で目立つ使われなくなった住宅の解体費用を国が持つことをコミューン(市町村)に約束したのは早くも1990年代後半。スウェーデン住宅庁によると、この住宅解体費用支援を受けてこれまでに取り壊されたアパートは14000戸に及ぶ。

今ヴェルムランド地方で盛んに進むアパートの解体は、この地方から移民庁が撤退するという事情によるものだそうで、対象コミューンたちは既に1990年代後半に国と取り付けていた解体支援契約を、今実行しているということだそうだ。

この国で働いていると時代時代で新しい仕事ができ、必要のなくなった産業は市場から退場してもらうという方針が明確で、労働者たちもまた新しいスキルをつけて新しい分野で働くという結構な荒波を強いられる。住宅もまた同じような考え方で動いているような印象をうける。

白物家電やパソコンなどは、今は新規購入時に廃棄にかかる費用のことまで考える仕組みになってきているが、この先例えば集合住宅は修繕費用だけではなく解体費用のことまで考えるような仕組みになるのだろうか?

それにしても今の日本の空き家問題は、各市町村レベルで手に負える問題ではなく、国の支援で大胆に進めていく必要があるような気が私にはする。それでも案外日本では大規模解体支援策などなくても、現場のこまかい創意工夫でこの問題も乗り切ってしまうのかもしれない。

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© Hiromi Blomberg 2021