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アーティストとNFTと気候危機

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先日、日本に帰った時に、サービスプラットフォームを提供するスタートアップでブイブイ働いている甥っ子1・兄に、デジタルアート業界で働き始めた甥っ子2・弟が「デジタル鑑定書が売り買いできるようになったから、もうこっちのもんやで」と話しているのを小耳にはさんだ。

その時は私はNFTのことはまったく知らなかったので、へぇ、そんなことになっているか程度の感想で、話題はまたたく間に次に飛んでデジタル鑑定書のことは忘れていたが、スウェーデンに戻ったらSVTでもニュースとして取り上げられていた。

NFTとは、

NFTは“Non-Fungible Token”の略で、非代替性トークンと訳される。その文字通り、代替や交換されることのないデータのことで、資産のデジタル鑑定書と所有証明書としての役割を持つ。ブロックチェーン上で発行・流通されるのでコピーやハッキングが不可能で、それがNFTの価値をより高めている。

NFTとは何か?誰が買うのか?ファッションはどう参入できるのか? 業界が知っておくべきトピックス | WWDJAPAN

 SVTでニュースになっていたのは、世界的に大人気だった再生回数が8億回を超えた「チャーリーが指を噛んだ」というYoutubeクリップが5月22日にオークションで76万999ドル(約8300万円)で落札されたというもの。このビデオクリップはその後Youtubeから削除された。

CNN.co.jp : 「チャーリーが指かんだ」 再生8億回超の人気動画、8300万円で落札

スウェーデンの大手オークションハウス、BukowskisではまだNTFの取引はないそうだが、クリスティーズでは6900万ドルで取引された作品もあることも付け加えられていた。

こちらの日本語の記事では、日本のVRアーティストせきぐちあいみさんの作品が1300万円で落札されたこともわかる(甥っ子2が話していたのは、おそらくこちらの出来事のことだったのだろう)

最近、ビットコインとエネルギー消費の関係のニュースをとりあげたばかりだったので、このデジタルアート鑑定書はきっとビットコインと同じような仕組みでその真性を証明するのだろうな? と思ったら、やはりブロックチェーンを使った技術だと説明されている。

そうなると気になるのは使用されるエネルギー量だが、ウキペディアの非代替性トークンのページには、NFT取引の二酸化炭素排出量を批判する声もあることがちゃんと説明されていた。

アーティストが作品を売ることができる可能性が広がるのはすばらしいと思うが、気候危機に結びついちゃうのか🤔

ブロックチェーンで使用されるエネルギーは効率化が進んでいて、また一部のNFTアートサイトでは購入時にカーボン・オフセットも合わせて選択できるとも説明されているが、ふむ、とニュースの評価に頭をひねるのは、私にはまったく縁のなさそうな金額と話題だからかな?

世界的に有名なYoutube動画が落札され削除された(SVT)

NFTのトレンド・5億クローナのデジタルアートワークを購入する人たちは頭がおかしいのか?(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023