swelog ここだけのスウェーデンのニュース

日本では概要程度しか報道されないスウェーデンのニュースについてのコメントや、他では読めない小粒だけど気になるニュースを毎日伝えています

政治

スウェーデン国会のまったく「わきまえない女たち」

不信任案を決議され首相を辞任した社会民主党のステファン・ロベーンは、国会議長による調整下でさまざまな経緯を経て(すみません、端折ったよ!)、昨日また首相として任命された。(このニュースは共同通信が配信しているので、こちらもどうぞ スウェーデ…

新法でみるスウェーデンの先行き

スウェーデンでは1月と7月の年に2回、まとめて新しい法律が施行されたり適応が始まることが多い。この7月1日からも多くの変更が行われており、中には国会で議論されていたことを覚えているものもあるが、こんなのいつ決まってたのだ、と思う項目も。 ちょ…

議長ラウンド・134日を4日に短縮?の夏休み効果?

そして首相は辞任し、解散選挙はとりあえずなくなり、今日は国会議長のアンドレアス・ノルレーンが各党党首と個別会談を行い、来年の選挙までの約1年間、政権を担う首相の選出を話し合いによる調整で進めていくことになった。 2018年の総選挙の時には、同じ…

オンブズマンにまつわる誤解 swelog weekend

今週は いちご(Jordgubbar) 首相への不信任決議から解散選挙か? オンブズマンにまつわる誤解 地コンブチャ(Kombucha) について書いています。 オンブとコンブの間に関連性はありません オンブズマンにまつわる誤解 今週のswelog weekendは、赤木ファイル…

誰も望まないのに、やるのか解散選挙?

ここ数日で、東京五輪中止を求めるデモのニュースを見たり、サッカーEURO2020のスウェーデン戦が目に入ってきたり、スウェーデンではコロナの感染がずいぶん収まってきたというニュースを聞いたりしていたら、夜には、すごく大きな高校の体育館のようなとこ…

スウェーデン最後の寛容な移民法?と鍵を握る中央党

首相の不信任案可決の騒ぎの影で、昨日新しい移民法がスウェーデン国会で採決された。今回の主な変更点は、スウェーデンへは基本的には一時的な滞在許可のみが与えられること、また移民が親族を呼び寄せることが難しくなるという点。 (どういうことがこれま…

歴史的首相不信任案可決のアンチクライマックスと混乱

在任中の首相への不信任案が国会で可決されるという、スウェーデンの政治において「歴史的なできごと」が起こった今のこの国の空気をとてもよく表す発言だなと思ったのが、昨日の夜のニュースでのミカエル・ダムベリ内務大臣の開口一番の言葉。 (昨日の不信…

夏休みと政局

首相への不信任案の件で、政局が不安定なので、今日はいつもの朝6時からのニュース番組の頭を見てからブログを書こうと思っていたら、今日から夏休み仕様で朝のニュース番組は7時から ということで、昨日は日曜日にも関わらず首相が中央党党首と一緒に問題に…

「男性による女性への暴力は社会の問題、社会の失敗」

今週の水曜日にスウェーデン政府から発表されたのは、40の項目からなる「男性による女性への暴力に対抗するための対策パッケージ」。 今、スウェーデンで日常的に男性から虐待を受けている女性は10万人以上、その環境で暮らす子どもは20万人を超すと説明した…

家賃をめぐる左派の抗議に極右が便乗する時

新築賃貸物件の家賃を巡るなんかちょっとわかりにくい議論が盛り上がってるなぁ、落ち着いたらこのブログでも取り上げようと思っていたら、昨日の夜には、あれ、こんな展開? あらあらあらあら、というような流れで、スウェーデン民主党から今の政権への不信…

極右政党を支持するのは中年男性

ニュースを見て、なるほどなぁと改めて思ったのは支持政党に関する最新の調査結果の性別、年齢別の内訳。現在の与党で中道左派の社会民主党は若い女性層に、極右政党のスウェーデン民主党は中年の男性から支持されている。 下の表は支持政党を男女別にみたも…

ワクチンと世論調査

Novusが2ヶ月に一度行っているスウェーデンの世論調査。6月の最新調査では、医療問題に対する重要度が下がったという結果がでた。 2月と4月の調査では最も重要な政治的課題として、医療を上げた人は66%と65%であったが、これが6月には59%へと減少した…

労働をめぐる歴史的な分岐点?

スウェーデンの労働市場担当大臣によると「現代スウェーデンの労働市場における最大の改革」が今まさに起きようとしているらしい。この労働法改革の新法案は、スウェーデンで雇用する人される人、そのすべてにインパクトを与えるので影響を受ける人は国全体…

weekend nr9. 女性と年金・スウェーデンの場合

nr9. 女性と年金・スウェーデンの場合 swelog weekend、今週はずばり、女性と年金について男女平等が進むといわれるスウェーデンでも年金の男女間格差は大きい。年金制度の簡単な解説と一緒に、その理由を説明しました問題山積みの昨今ですが年金のことも忘…

デンマークと難民

最近よくデンマークのことばかり書いているような気がするのだけれど、今日もまた別のニュースを。 昨日、デンマーク議会が採決したのは、デンマークへの難民受け入れ申請の場所をどこか別のアフリカの国へ移管するという計画へのGoサイン。デンマークは難民…

深刻なスパイ疑惑はどこまで解明されるだろうか

月曜日の第一報には驚いたが詳細はよくわからず、昨日もドイツのメルケル首相やフランスのマクロン大統領の遺憾表明が広く報道はされていたが、今朝に至ってもまだ真相は伝えられていない、今回のスパイ疑惑事件。 デンマークの公共ラジオ局やノルウェーのNR…

国からの過疎地域への住宅解体費用支援

スウェーデンの最北の地では大規模バッテリー工場の新設などによるグリーンエネルギー産業の活況で、新規住宅の建設がすごい勢いで進んでいるが、一方、別の地方では1950年代以降に移民局によって建てられて、今は使われていない亡命希望者収容用のアパート…

国土全体で100%の高速インターネット接続を目指すスウェーデンと、その道程

スウェーデンは、高速インターネットの提供レベルや遠隔地でのインターネットの普及率でEUの中でトップを走るデジタル化大国。2020年には国民の95%、そして2025年には全国民が高速インターネットへアクセスできることを現政権は目標として掲げている。 この…

消えゆく空港

東京なら羽田、大阪なら伊丹空港に近い位置づけであったストックホルム郊外のブロッマ空港の閉鎖をスウェーデン政府が検討している。ペール・ボールンド環境大臣が昨日の記者会見で、ブロッマ空港の閉鎖とそれに伴うアーランダ空港(成田や関空のような大規…

女性への暴力は厳罰化よりも、より一層の検挙を

先週の15日の木曜日、スウェーデンのリンショーピングの駅付近で白昼堂々女性が男性にナイフで刺され殺害されるという衝撃的な事件が起きた。またこの3週間で女性が被害者となる同様の殺人事件が5件も立て続けに起こっており、このような痛ましい犯罪をど…

スウェーデンでも検討の始まったホロコースト否定禁止法

スウェーデン政府はホロコーストの否定を違法化するための準備に入った。モルガン・ヨハンソン法務大臣がラジオの番組で言及した。ヨハンソンは、政府がこの法律化を検討するために国会の特別委員会を設置を決定したと明かした。委員会には国会に議席をもつ…

国家予算、雇用、MMT理論

スウェーデンの本年度の補正予算が昨日発表されたが、それについての政府の説明と野党からの批判が、そのまま次の選挙でも論点となりそうだったので、簡単にまとめてみたい。 また補正予算発表に際して、公共放送のSVTがコメントを取りにいった専門家がちょ…

右派ポピュリズムと民主主義への信頼の関係

右派ポピュリズム政党が政権への影響力を高めると、国民の間で民主主義への満足度は高まる。少なくとも民主主義の長い歴史のある西ヨーロッパの国々では。 スウェーデンのミット大学のステファン&・ダールベリ教授ほか4名の政治学者が、西ヨーロッパの七カ…

憎悪渦巻くツイッターを離れる大司教と、市民権取得の言語テスト

自身のツイートが悪意、憎しみ、嘘や陰謀説などを広げることに利用されているとして、スウェーデン教会のアンティエ・ヤッケレーン大司教はイースター休暇中にツイッターアカウントを閉鎖した。 もはやツイッターをコミュニケーション手段として使うことから…

スマホの寿命を伸ばすための新法をEUが超スピートで検討中

GDPRとか使い捨てプラスティックに関する新法とか、最近ではアルコール飲料への警告表示義務付け検討やさらにはワクチンの共同購入の件に至るまで、EUのちょっとグイグイ押してくる感じについてはこのブログでも何度か書いているが、また近く、EUから新しい…

気候温暖化で緊迫する北極の軍事地図

気候変動により急激に氷が溶けていく北極圏。厚く覆われれていた氷がなくなることで新しい水路ができ、これまではアクセスできなかった天然資源に世界の大国の関心が固まる。 スウェーデンはこれまでにないレベルの予算で北の最前線の防衛力を強化し、またこ…

コロナと2020年のスウェーデン経済

急速に広がったコロナ禍の不安の只中で「第二次世界大戦時以来の経済危機となる」との見方が優勢であったのが、昨年4月。当時、スウェーデンではGDPはマイナス10%程度の成長率となるのではと多くの経済評論家が考えていたが、実際に2020 年の統計結果がま…

はびこっても取り締まれない麻薬郵便

ドイツとベルギーの港でオランダへ運ばれるはずだったコカイン23トンが当局に押収されたというニュースにも驚いたが(23トン!)、スウェーデンの郵便局Postnordが、毎日大量の麻薬を普通便で配達していることを自らも知りながらも取り締まれないというニュ…

MMT・現代貨幣理論とスウェーデン

今日はスウェーデンのニュースではなくて、スウェーデンではニュースになっていないことについて書こうと思う。MMT(Modern Monetary Thoery)こと、現代貨幣理論についてだ。 MMTに関しては日本では時々ニュースになっているし、見解を公表している学者も政…

コロナとストックホルムの売春・買春

これまでに見たスウェーデン映画の中でも、圧倒的な衝撃を受け、今も数々の印象的なシーンが重く心に残っているルーカス・ムーディソン監督の『リリア 4-ever』(2002年)。ここで描かれていたのは貧困国からスウェーデンに連れてこられて、奴隷のような売春…

© Hiromi Blomberg 2021