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WWFがスウェーデン産の鶏肉を勧めない理由

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スウェーデンのWWF(世界自然保護基金)の最新の消費者向け「肉についてのガイド」では、スウェーデン産の鶏肉が気候危機への対応や動物愛護の観点から「食べることを避けるべき」と赤信号の判定を受けた。

スウェーデンの鶏肉業界団体(Svensk Fågel)はスウェーデンの鶏肉は持続可能性に配慮したものであるとして、WWFの意見に反対している。

過去15年間でスウェーデンでは鶏肉の消費量が2倍に増えたが、WWFはスウェーデンの従来型生産法の鶏肉は、大量の大豆と有機栽培ではない穀物で育てられていることを問題視している。またニワトリは生まれてから屠殺されるまで約6週間ほどだが、大量育成に合わせた成長の早い品種では、足に負荷がかかりすぎるなど、動物愛護の観点からも問題があると指摘している。

WWFはオーガニック認証や、サステイナビリティに配慮したスウェーデン産認証マーク(Svenskt sigill)のついた鶏肉にしては赤信号の判定はしていない。

鶏肉業界団体は、鶏農家の97%は再生可能エネルギーを使用していること、飼料の大部分はスウェーデン産の穀物を使っており魚粉は混ぜていないこと、また大豆はWWFの認証をうけた遺伝子組み換えではないものを使っていることなどをあげ、WWFの意見は間違っていると声を上げる。

昨日のランチで話した同僚は、毎週火曜日は大型スーパーに一週間の食材を買い込む日で、今日も鶏肉をたくさん買う予定と言っていた。私はこのWWFのガイドのニュースを朝聞いていたのだけれど、この場では彼には何も言わず… 

スウェーデンでは鶏肉の流通技術が進みすぎていて(?)主流は冷凍されたものや、真空包装された何週間も日持ちするもの。鶏肉は新鮮なものを、と思い込みのあった私はスウェーデンに来てから鶏肉をほとんど食べなくなってしまったのだが、さて、このWWFのレポートの影響力はいかに? 

WWFがスウェーデン産の鶏肉を避けるように注意喚起(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023