「批判は喜んでうけよう。しかし中傷や侮辱はもうたくさん。試合に負けたうさをSNSにひどいことを書き込むことではらすバカな奴らにはもうこれ以上付き合っていられない」と、昨日突然ヘルシンボリIFサッカーチームの監督を辞任した往年の人気選手、ヘンリク・ラーション。
サッカーにいささか(まったく?)情熱を欠く私でも知っているほどの人物が、こんな形で仕事を投げ出すほどまでに追い詰めてしまうSNSのひどい世界。
ラーションは「街を歩けば愛にあふれている。なのにネットでうける侮辱は度を超えている」と出身地であるヘルシンボリでの自分の受けとめられ方について話している。
最近、ネットでの中傷に関する同様の話を見聞きする度に思い出すのは、昔NHKでテレビシリースになった人の心が読める七瀬のドラマシリーズ。『七瀬ふたたび』などの筒井康隆の原作をNHK少年ドラマシリーズとして放送していたものだ。七瀬は人の心が読める超能力をもっている。
人間はにこやかに笑っていても心のなかでは何を考えているかわからないし、今日こそは思ったことをズバッといってやろうと思っていても顔を合わせるといえなくなったりする、そんなバランスの中で生きている。
誰もが持っているけれども普段は表にださないネガティブな感情が読めてしまう、そんな超能力をもった七瀬のことを、私は羨ましいとは思わずに「なんてかわいそう」だと思っていた。
特にほしくもなかったかもしれないそんな七瀬と同じ超能力を、今はだれもがSNSで手に入れてしまった状態なのかもしれない。私は今もやっぱりこんな超能力いらないわ!