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人生の一時期を政治家として働く

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先週日本では安倍首相の辞任発表が世間を騒がせた。安倍首相は首相はやめるが国会議員を辞任する意向はなく、政治家としてのキャリアは続けるとした。

同じく先週の半ば、重任の大役を辞任すると発表した人がスウェーデンにもいた。それがスウェーデンの副首相で、環境党代表のイザベラ・ロヴィーン。

かなり早くから各政党の青年部で政治的活動をおこなう若者も多く、そのような人たちが長じては党幹部として育っていくことが多いスウェーデンでは、ロヴィーンは異色の存在。彼女は長くジャーナリストして働いたあと環境党に入り、EUの欧州議会委員として活躍して、理想だけに固執せず実現可能な政策をぎりぎりのところでまとめようとする実務主義的な手腕で政治家として頭角を表した。

スウェーデンの環境党は「党首」ではなく、男性、女性各1名ずつの代表を定めているが、ロヴィーンは2016年からこの役を務め、また2014年以降はスウェーデン政府で国際協力担当大臣など閣僚として働いていた。

現在のスウェーデン環境党は支持率の低下や、移民問題をめぐって党内で意見が対立するなど、世間一般の気候危機問題へ関心の高まりとは裏腹に、政治団体としてかなり難しい状況にある。

ロヴィーンはもともと党内に大きな基盤も持たないところに、さまざまな調整に疲れて政界を去る決心をしたようだ、とSVTの政治解説員が話していた。

ふと視点をあげるとスウェーデンには他にも、まだまだ政治家として活躍できる段階で「政界を去る」ことを決めた人が結構いることに改めて気づく。

環境党でも一代前の男性代表として活躍していたグスターヴ・フリードリンは政界を去り高校教師としてのキャリアに戻っていったし、若い頃から社会民主党で活動し、1996年から10年間はスウェーデンの首相を務めたヨーラン・ペーションも、2006年に選挙で負けたあとは表向きは政界は離れ、農業系の起業家としても成功している。

実現したい政策があって政治家になっても、その活動の周囲で様々な「政治」にも対応する必要もあって、今回のロヴィーンのように燃え尽きてしまう人がでるのも確か。でも「政治家」は自分の長い人生、長いキャリアの一部である、一部でしかない、と考えることができると、逆にどんな人でも政治への距離が短くなるのかもしれないと思う。そして短期間だからこそ集中して結果をだせるということもあるだろう。

人生の一時期を、熱く政治家として燃えてみるのはどうでしょう?

解説「疲れきってやる気をなくしたロヴィーン」