スウェーデン社会防衛対策庁が先日行った調査では、新型コロナウイルスのワクチンができても3割の人が接種に懐疑的でおそらく受けないであろうと回答した。
この調査結果を受ける形でSVTがインタビューしていた世界的なワクチンの識者であり医師のポール・オフィットは、ワクチン接種が開始されるのは来年の半ばくらいになるとの見方で、またその際でもおおよそ70%くらいの効き目となるだろうと話す。
スウェーデンでは2009年の豚インフルエンザの流行時には全住民1000万人に接種する機会が与えられたが、実際にワクチンを受けた人は600万人くらいだったので、今回の調査結果もなんだか同じようなところで落ち着いているようにみえる。
(豚インフルエンザの時のワクチンの話はこちら)
小括、でもわからないことだらけ - swelog 今日のスウェーデンのニュース
それよりも、世界保健機関は年末から年明けの頃にはワクチンができると発表していたような気がするが、オフィット博士によると来年の半ば……どうなるのかわからないけど、コロナ生活はかなり長い間続きそうだ。
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さて、昨日、久しぶりに京都大学の山中教授のコロナ情報サイトを覗きにいき、そこにあったリンクから京大名誉教授の川村孝先生の「コロナ小括7月18日版」を読んだ。これが、今まで私がスウェーデンの公衆衛生庁から話を聞き続けて理解していることと内容が似ていてとてもしっくりきた。
公衆衛生庁のアンデシュ・テグネルを日本にもっていくと、ざっくりと川村名誉教授になるのではないだろうか? よかったら、みなさんも一度、この先生のまとめをどうぞ。
新型コロナウイルス感染症もインフルエンザも普通の風邪も、(好発年齢は異なるものの)感染様 式はほぼ同じであり、対策はほとんど同じである。国民レベルでは、基本的な衛生行動(頻回の手 洗いやものの共用の制限など)をしっかりとればよいことに変わりはない。流行の大きさや重症化 の程度によって社会的な対応(休校や地域閉鎖など)は多少異なるが、それには一定の方程式 があり、初めて出会ったウイルスであっても動揺する必要はなく、淡々と対応すればよい。国民に も政府にも冷静さを強く求めるものである。