この秋にもアマゾンがスウェーデンでの営業を開始することを複数の業界関係者が明かにした。ダーゲンス・ニュヘテルが報道している。アマゾンがスウェーデンにやってくることはこれまでにも何度も噂されていたが、今回はどうやら本当らしい?
スウェーデン小売業の動向に詳しく記事でもインタビューに答えていたHUI Researchのエッマ・ヘルネルは、アマゾンがやってくるとこれまで以上に低価格化が進むだろうと話す。
スウェーデンでの営業開始とは、当面はサイトのスウェーデン語化を意味する程度で、ドイツの配送センターから2,3日かけてモノが送られてくる形がしばらく続くだろうと見られている。なお、これまでもイギリスやドイツのアマゾンのサイトで購入しているスウェーデン人は多かった。
アマゾンの参入により大きな変革を強いられるのは、特に書籍と家電や電化製品の市場と予想されており、衣料などの業界地図が塗り替えられるには時間がかかるだろうとの見方が強い。
スウェーデンでも本の販売がすっかりネット化、デジタル化して本屋はなくなる一方だが、本のネット販売や、電子書籍やオーディオブック市場はスウェーデン企業のBokusやAdlibrisが存在感を示して一定の均衡した市場がある。
そんな中でアマゾンが激しい価格競争を仕掛けてくるとしたら、消費者はアマゾンを選ぶかもしれないが、それは巡り巡って出版社や著者の経済状況をも逼迫することにも繋がりそうだ。
家電販売では、スウェーデン企業は既にどんどんなくっており、今でもドイツ大手のMediamarktやデンマークのElgigatenが主流となっている。そこに、アマゾンが参入すると、これまでなんとか頑張っていたnetonnetといった低価格Eコマース特化型企業などは、みんなが積極的にそこで買うことを選択しないとそのうちに失くなってしまいそうである(勝手な予測をしてすまん、netonnet……)
日本にしばらく帰る予定のない時でも、注文すればすぐにスウェーデンまで日本の本を送ってくれるアマゾンは便利で大変お世話になったものだけど、地域のお店が失くなってしまうほどの破壊力を持ち、また従業員の待遇に問題のあることが報道されていたりと、近年その影響力の負の側面が目につくアマゾン。
「安くて便利」な魅力には抗いがたいものがあるけど、「もう不便で、いいよね」と自分に言い聞かせるこの頃です。