swelog ニュースで語るスウェーデン

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キャッシュレスと民主主義

キャッシュレスの時代は終わった?

Kantar Sifoが3250人に聞いた最新の調査では、現金を持ち歩いていると回答した人は全体の44%。2021年と比較して7%増加しており、これは昨年大手スーパーチェーンCoopがサイバー攻撃で閉鎖されたことや、さらにはウクライナの戦争が起きた後でも現金の持ち歩き率がさらに増加したことから、戦争の影響も考えられるのだそう。

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私も社会防衛対策庁(MSB)からの「危機に備えて家には現金を!」の呼びかけに応じて、一時の家にも現金はなく、財布も持ち歩かなくなった状態から、今は家にも少し現金はあるし、携帯のケースに200クローナ札を押し込んで持ち歩いている。

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今回の調査結果を受けて、MSBが改めて取材に応じていたが、同庁の危機管理コミュニケーターは「現金が社会にあることは民主主義の観点からもとても大切」と話す。それは現金は、誰でも使うことのできる唯一の手段でもあるからで、カードをつくるには銀行口座が必要でさらに審査があり、スマホ決済はスマホがないとできない。

MSBが推奨するのは、だいたい一週間の消費に相当する現金を家においておくこと。どれくらい使うかは家庭により異なるだろうが、だいたい数千クローナあたりが目安となるかもしれないと言っている(うちには数千クローナもの現金はないな😰)

サイバー攻撃や戦争の影響で生活者側の状況にはこのように変化がでてきているようだが、問題はスウェーデンではお店など社会の側もすっかりキャッシュレス化してしまっていること。支払いはカードや決済アプリのみの「現金お断り」のお店はとても多いので、この先この状況には何らかの変化が必要のようだ。

さて、現金よ、再びこんにちは。イングマール・ベリマンやアストリッド・リンドグレーンに日常的にお会いする毎日になると、それはそれで楽しそう♪

調査結果・現金を携帯するスウェーデン人が増えた(ダーゲンス・ニュヘテル)

© Hiromi Blomberg 2023